提督の憂鬱   作:sognathus
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今回は以前(*第一部 第39話「反省」参照)に加賀と足柄(半ば強制)と約束していた海で遊ぶお話です。



第18話 「海」R-15

「良い天気ですね大佐」

 

「そうだな」

 

「……」

 

「でも、こう陽射しが強いと日焼けにも気を付けないといけませんね」

 

「そうだな」

 

「......」

 

「先ほどから2人ともどうしたのですか?」

 

傍から見ると確かに妙な状況だった。

加賀が言う通り天気は晴天。

燦燦んと眩しくも暖かな日差しが降り注ぎ、絶好の海水浴日和と言えた。

だが肝心の遊びに来た提督は加賀の方をなるべく見ようとはせず、足柄に至っては水着を見られるのが恥ずかしいのか岩陰から出て来ないという有様だった。

 

「足柄さんはともかく、大佐。何故こっちを見ようとしないのです」

 

「お前の水着の所為だ」

 

「私の水着が何か?」

 

加賀が着ている水着は、俗に言うスリングショットという種類の物だった。

肌の露出の度合いはビキニに匹敵するが、その見た目の刺激の強さはビキニのそれを超えるものがある。

特にその水着を着た者を真横から見た時の肌の無防備さは、それを見た者の劣情を誘うに十分すぎる程の色気があった。

 

「その水着はなんだ。ある意味、大会の時にイムヤが着ていたやつを超えているぞ」

 

「ただのスリングショットではつまらないので、Vストリングにしてみたのですが……お気に召しませんでしたか?」

 

「そういう問題じゃない。あと、わざと横に動いて揺れるのを見せるな」

 

「ふふ、これを選んだ甲斐がありました」

 

 

加賀が自分の水着姿を存分に提督に見せつけている頃、一方足柄はまだ岩陰で自分の水着姿を見られる恥ずかしさを克服できずにいた。

 

「……」チラ

 

\ドウデスカ? タイサ/ \ヤメロ、ヒッツクナ/

 

「……!」(な、なによアレ! 殆ど裸じゃない! あんなのじゃ、わたしの水着なんて……。いや、そうじゃなかったとしても恥ずかしくて……)

 

モニュ

 

「!?」

 

「足柄さん」

 

不意に背後から加賀に胸を揉まれ、足柄は驚きと羞恥の悲鳴をあげる。

 

「きゃ、きゃぁぁぁぁ! か、加賀さん!? ちょ、やだっ、やめて!」

 

「岩陰にずっと隠れて何をしているのですか? 大佐があなたの水着を待っていますよ?」モニュモニュ

 

「わ、分かったからむ、むね……ぁ……はぁっ。揉むの……やめてぇ!」ピクン

 

 

\イヤー!/ \ソノワリニハ、カラダハショウジキデスガ?/

 

「……」(さっきから足柄の悲鳴が聞こえるが、加賀のせいだろう。まぁ大丈夫か)

 

提督が砂浜にパラソルとチェアを設置していると、後ろから加賀が足柄を連れて戻って来た。

 

「お待たせしました。大佐、足柄さんを連れてきました」

 

「ん、ああ。……ん?」

 

やっと姿を表した足柄を見て提督は僅かに眉を潜めた。

足柄は何故か全身を真っ赤に火照らせ、息も切れ切れとといった感じだ。

髪もとこどころ解れて、心なしか水着も少し乱れているように見える。

本人は気づいてないようだが、何とも言えない色香を放っていた。

 

「加賀......」

 

「なんでしょう?」

 

「お前、足柄に何かしたか?」

 

「彼女の魅力を引き出す手伝いをしただけですが?」

 

「うぅ……加賀さんの馬鹿ぁ」グス

 

「足柄、お前大丈夫か?」

 

「っ……大佐ぁ!」ダキッ

 

「ぐっ……」(あの足柄が自分から……。加賀、お前は本当にこいつに何をしたんだ)

 

涙目の足柄に抱き付かれてその膂力に負けない様に全身を緊張させる提督。

そんな二人を見ながら加賀は自分の行いによる結果に満足げに小さく笑っていた。

 

「やりました」ニヤリ

 

 

――数分後

 

「さて、オイルを塗って貰えますか?」

 

「塗らなきゃだめか?」

 

チェアに寝そべって準備OKといった様子の加賀を前に、提督はまだ乗り気ではなさそうに逡巡していた。

 

「恋人同士なんですよ? お願いします」

 

「わ、わたしは別に……」

 

加賀の横では同じ格好をして寝ている足柄が恥ずかしそうにしていた。

 

「足柄さん?」

 

「ひっ!? ぬ、塗って、大佐……」カァ

 

「……分かった」

 

完全に加賀の支配下に置かれた足柄を哀れに思いながら、やがて提督は渋々といった様子で加賀達の要望を受け入れた。

 

 

「それでは私からお願いします。……ん」ピク

 

「……」(改めてこいつの姿は裸と変わらないな。水着の面積が小さい上に寝ることによって体が水平になるから水着の構造上、浮いて……丸見えだ)

 

「塗り易いでしょう? 塗れるところは全部お願いしますね」

 

「全部……か?」

 

「はい」

 

「前は自分で塗れよ?」

 

「仕方ありませんね」

 

「……」ヌリヌリ

 

「ん……そう、そこも。……あ、下もですよ?」

 

「……」ヌリ、ムニ

 

「んん……大佐、上手……」

 

提督は加賀の下半身に回ると、水着をズラして彼女の尻全体にオイルを塗った。

張りのある臀部を縫っている時に偶に力を入れる方向を誤って尻を割り引いてしまったりもしたが、そこは邪念を頭から払拭する事によって提督は何とか作業を続けた。

対して加賀も、その時にナニカを見られた事には明らかに気付いていた様に思えたが、特に気にした様子もなく、僅かに頬を紅潮させながらも涼しい顔をしていた。

 

「な、何あれ……凄い」ドキドキ

 

「……終わったぞ」

 

「そう、みたいですね。ありがとうございます」

 

「……」ゲッソリ

 

「どうでした?」

 

「お前とは二度と海に行きたくないな」

 

「では、今度は床にいっs」

 

「また機会があれば行こう」

 

 

「次は足柄か……」

 

「お願い……ひっ」

 

背中に手が触れただけで小さな悲鳴をあげた足柄に提督は努めて気を遣うように声を掛ける。

 

「大丈夫か?」

 

「んん……大丈夫……。慣れて……ない、だけ……だから」

 

「……」ヌリヌリ

 

「あ、ん……ねぇ、大佐」

 

「なんだ?」ヌリヌリ

 

「なんか加賀さんの時と違っ……て、塗るのが速くない?」

 

足柄の言った通り、加賀の時と違って若干自分は塗るペースが速い、と言うか、スムーズな気がした。

提督はその疑問に明らかに加賀の時とは違って余裕のある様子で、オイルを塗りながら答えた。

 

「お前の水着は普通だからな、助かる。加賀の後という事もあるが」ヌリヌリ

 

「そう……」ムッ

 

「……?」

 

「……ねぇ」

 

「ん?」

 

「わたしも、その……。塗ってよ、下も……」

 

「なに?」

 

「ほう」キラン

 

寝そべっていた加賀が足柄の方を向いて、その大胆なお願いに目を細めて瞳を輝かせる。

当然何故唐突に彼女がそんな事を言い出したのか、加賀はちゃんと理解していた。

 

「足柄、お前の水着は普通だから下は……」

 

「ずらして……いいから……」カァァ

 

自分の言動に羞恥を覚えて顔を伏せながらも、あくまでその意思を変えない足柄に提督は仕方なく応える事にした。

彼は傍にいた加賀に声を掛ける。

 

「……加賀」

 

「はい?」

 

「見ないでくれるか?」

 

「仕方ありませんね」クス

 

それは一体提督と足柄、誰に対する気遣いだったのか。

定かではなかったが加賀は提督の頼みに面白そうに小さく笑って頷くと再び寝そべって軽く仮眠を取り始めた。

 

 

「ふぅ……やるぞ」

 

「うん……」

 

グイ

 

提督は足柄の水着をズラすと再びオイルを塗り始めた。

加賀と違って足柄は普通のワンピースタイプの水着だった為、ズラすのに多少力が要り、加えて布地が隠している面積が大きかったので、塗っている間足柄は長い時間彼に尻の殆どを見られる形となった。

足の付け根も当然視界に入り、普段目にすると事は絶対にない所も完全に丸見えの状態だ。

提督が下心からそこを注視する事など到底考えられなかったが、それでも足柄は自分の恥ずかしい姿が彼の目に触れられている事に対して言葉にできない背徳的な快感を無意識に感じていた。

 

「あっ……」(見られてる……。絶対に見えてるよね……!)

 

「……」ヌリヌリ、ムニムニ

 

グニッ

 

「……っ、ふぁ!?」ビクン

 

提督の手が臀部の割れ目に触れた時だった。

加賀の時と同様、そこを塗りこむ際に誤って僅かに力が入ってしまい、彼女に負けないくらい張りのある尻を割り開いてしまった。

開いてしまったその場所には加賀の時以上の過激な光景が広がっていたが、提督はその時も心を氷にして邪念を払い、見なかったことにして作業を続けた。

一方足柄はその事態を一瞬で把握してそれを理解した瞬間、全身を電流のような衝撃が走り抜けるのを感じるであった。

 

「はぁ……はぁっ、んんっ!」(あれ? 今......?)ブルッ

 

 

「……終わったぞ」

 

それから数分後、提督は加賀に続いて足柄のオイル塗りもなんとか終えた。

 

「はぁ、はぁ……。ありがとう……」グテー

 

「立てるか?」

 

何とも言えない色香を全身に香りだたせながら、足柄は口の端に僅かに涎が垂れている事にも気づかない程全身から力が抜けているようだった。

心配そうに声を掛ける提督に、足柄は力なく返す。

 

「ごめん。ちょっと、力……今入らない……わ」

 

「そうか奇遇だな。俺も精魂果てたところだ」クタ

 

「え? ちょっ、大佐大丈夫?」

 

「少しやすめば大丈夫だ。……加賀、足柄、悪いが俺は少し寝るぞ。先に二人で遊んでくれ」

 

グッタリした提督を見て薄く微笑みながら加賀は、今日何度目かの言葉を言った。

 

「仕方ありませんね。後で必ず来てくださいよ?」

 

「ああ」

 

「じゃぁ足柄さん行きましょうか?」

 

「え? いや、わたしもちょっと力が……」

 

「大丈夫です。抱いて行ってあげますから」ダキ

 

「えっ、ちょっと、きゃっ」

 

力が抜けきった身体を容易く加賀に抱き上げられて、足柄は驚きの声をあげる。

動揺しながらも上手く抵抗もできずに慌てるばかりの彼女を見ながら、加賀は愛おしい人形でも手にいれたかの様に、嬉しそうに顔を紅潮させながら言った。

 

「足柄さん、貴女は可愛い人ですね。ちょっと癖になってしまいそうです」

 

「お、下ろして! 恥ずかしっ、自分で歩くからぁ!」ジタバタ

 

「暴れないで下さい」ギュッ

 

 

(足柄……俺の分も頑張ってくれ)

 

提督は心の中で静かに足柄の冥福を祈った。




いつの間にか加賀×足柄な流れになってしまいました。
エロいから長くなってしまったわけでは、ないかもしれません。


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