2019/03/28/Thu
「好きだから」は理由にならない―“善意”による無邪気な侵害│宝塚歌劇団の「著作権」と「肖像権」
宝塚の楽しみ方は人それぞれ。皆さま思い思いのスタイルで応援されているかと思います。
応援の形に優劣はありませんが、仮にそれが生徒さんや劇団にとって不利益となるものであったら差し控えなくてはなりません。
一例として、「著作権」及び「肖像権」の侵害が挙げられます。
「好きだから」は理由にならない―“善意”による無邪気な侵害
著作権は、脚本・音楽・衣装・装置を含む作品そのもの、また、劇団の刊行物や販売物(写真・映像媒体)に関わる権利。
肖像権は、劇団に属する人(生徒・演出家など)に関する権利。
魅力的なコンテンツであればあるほど、これらの権利を侵されがちなもの。
特にエンターテイメント界隈では、「好きだから」という理由の“善意”による無邪気な侵害が多く見られます。
「善意」とは本来、「良い心。他人のためを思う心。好意」を指します。
また、法律用語では「善意の第三者」という言葉に表されるように、「ある事情を知らないですること」を指します。
この記事では両方の意味で進めていきます。
「もっと多くの人に広めたい」「観られない人に届けたい」と、生徒の入出画像や刊行物のスクリーンショット、映像や動画などをWEBに上げ、拡散する。
「良かれ」と思った行動、「知らない」で取った行動が、実は対象の権利を侵害している。
これも問題ですが、もうひとつの問題はいわゆる「フリーライド[free ride]」。
他者が有する名声や信用に便乗し、労せずして利益を得る行為ですね。
文字通り「ただ乗り」。
SNSで承認欲求を満たすためという安直なものから、金銭が絡む悪質なものまで。
これらの権利について、宝塚歌劇団はどのように表明しているのか?
確認したところ、劇団公式・宝塚クリエイティブアーツ・TAKARAZUKA SKY STAGEなどのサイトに該当のページがありました。
しかし、これらはあくまで自ら動いて取りに行かないと得られない情報なのですね。
それぞれのサイトの奥深く、目立たない場所にひっそりと置かれたページ。
権利に対する感覚は個人差が大きく、疑問を持ち、自ら探した(検索した)人にしか届かないのはうまくありません。
備忘録を兼ねてまとめましたので、よろしければご共有ください。
※権利の侵害により起こりうる問題については諸処で言い尽くされていますので、ここでは触れません。
公式サイトの「著作権」「肖像権」に関する記述
【画像について】
・ブロマイド(スチール写真・舞台写真など)を、個人のホームページなど(※)に掲載すること→×
・楽屋口付近などで撮影した生徒の写真を販売、配布、ホームページなどで公開すること、その他に利用すること→×
>宝塚歌劇団│よくあるご質問・お問い合わせ「著作権」
※「ホームページなど」とは、ブログを含むウェブサイト及びSNS全般(Twitter/Instagram/Youtube/Facebookなど)を指すと考えて良いでしょう。
【映像・書籍について】
・タカラヅカ・スカイ・ステージの放送番組やDVD、Blu-rayの映像を動画共有サイトにアップロードすること→×
・書籍、DVD、Blu-rayの画像やスクリーンショットをSNSなどへアップロードすること、文章を転載すること→×
>株式会社宝塚クリエイティブアーツ│著作権について「著作権侵害の一例」
>TAKARAZUKA SKY STAGE│タカラヅカ・スカイ・ステージの著作権についての考え方
OGの柚希礼音さんや愛希れいかさんが所属する芸能事務所AMUSE(アミューズ)のサイトに分かりやすいページがあります。
>アミューズ│SNSルールについて
著作権や肖像権(プライバシー権・パブリシティ権)について、Q&A方式でまとめられています。
Twitterで知った情報ですが、有益なのでこちらでもシェアします。
「好き」「応援したい」気持ちを、どうやって形にするか?
現行では著作権・肖像権侵害には「親告罪」が適用されますが、星の数ほどある個人ブログやSNSを逐一チェックしていてはキリがない。
また、厳しく取り締まりすぎてファン活動に水を差しては本末転倒。
ブログやSNSにUPされる生徒さんの入出画像、刊行物のスクショも含めてですが、劇団の目こぼしによりお咎めがないのが現状です。
劇団の黙認(見て見ぬふりをされている状況)に甘えているに過ぎないのです。
その行為が巡り巡って、どんな結果を招くか、想像してみてください。
もちろん、宝塚の自社媒体に限った話ではありません。
雑誌『25ans』のブログでも誌面のSNSアップについて苦言が呈されています(エントリー下部)。
>25ans公式サイト│25ans9月号真風涼帆さんカバー!
「好きだから」「もっと知ってもらいたいから」という言い訳は通りません。
自分の行為は本当に相手のためになっているのか?
ファン活動に限らず、人間同士のコミュニケーションの基本は、この自省に尽きます。
好きで応援したい気持ちをどのような形に落とし込んでいくか。
ファンひとりひとりが考えていくことが大切ではないでしょうか。
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