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【首都スポ】

<リーダー蹴春トーク>負の歴史繰り返さない! 早大主将・DF大桃

2019年3月29日 紙面から

闘志を表に出さず、静かに成長を誓ったDF大桃=東京都西東京市の早大東伏見キャンパスで(北田美和子撮影)

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 4月6日に開幕する、第93回関東大学サッカーリーグ戦(東京中日スポーツ後援)に向けての意気込みなどを昨季の1部上位6校の新主将に聞く連載「リーダー蹴春トーク2019」が最終回を迎えた。トリを飾るのは前回覇者である早大のDF大桃海斗(3年・帝京長岡)。本職の守備ではクレバーさが光り、正確なパスで攻撃の起点にもなるセンターバックは、謙虚に頂点を狙う。 (取材&構成=関孝伸)

 -どういう経緯で主将になったのでしょうか

 大桃「候補者が(自身を含めて)3人いて、その3人で話し合いをしました。(3人の顔ぶれを見た上で)自分がなるしかないと最終的に覚悟を決めて、自分がやると言いました」

 -早稲田の場合、それぞれの学年に学年リーダーがいます。4年に進級する際に学年リーダーがそのまま主将に就任するケースと別の選手が主将になるケースがありますが、今回はどちらでしたか

 「自分は、人に干渉しないとか、面倒くさいことは避けるとか、そういう性格でしたし、学年リーダーではありませんでした。でも、2年生のときから試合に出て、自分のことよりもチームのことを考えるようになっていきました。学年ミーティングをよくやるんですけど、そこで結構しゃべるようにもなりました。3年間の間に変化があった中で、自分が主将をやろうと今回思いました。自分の成長にもつながると考えて決断しました。主将をやるのは初めてなので、自分にとっては新たなチャレンジです」

 -主将としての資質については、どのように自己分析していますか

 「自分は人が今何を思っているのかを感じることが得意です。そういう人間観察力を(チームづくりに)生かしていきたいと思います」

 -リーグ王者の主将ですから、大きなプレッシャーがあると思います

 「不安はあります。でも、この状況なら成長できるなということも感じています」

 -前回の優勝時は次のシーズンに2部降格が決まってしまいました。実はその前に優勝したときも翌シーズンに2部落ちしています

 「今回こそは同じ歴史を繰り返してはいけないという話をしています。そんなことが何度も起きたのはなぜなのか、その原因をOBに聞いたりして分析しました。優勝した次の年は慢心みたいなものがやっぱりあったようです。優勝した後、何も変えずにそのままの状態で次の年に臨んでしまったのも、降格した原因と言えそうです。そういう点を踏まえて、今シーズンは『変化し続ける』ことをミッションの一つとして掲げました。去年は監督が代わったこともあって、ずっと変化した年でした。今年も変化をしながら挑戦を続けるのがすごく大事と考えたので、それをミッションとして、みんなで共有することにしました」

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 -昨季の優勝は変化のたまものだったのですね

 「勝っていても、細かい課題がずっとありました。その課題を修正しよう、変化しようと常に取り組み続けた結果、気づけば優勝していた感じです。変化の必要性を感じさせられた一年でした」

 -今季も変化する姿を見せてください

 「相手に対して、受けに回るようなことがあってはいけません。変化を続けて、違う早稲田をまた見せられるようにしたいです」

 -チームスローガンは「ドライブ」です。これは昨季から変わっていません

 「ラグビーで、タックルをされても前に進むことをドライブと言うそうです。自分たちも常に前進する姿勢を持とうと、このスローガンを掲げています。早稲田は常に前進するんだということです」

 -攻撃の二枚看板だったMF相馬勇紀選手(現J1名古屋)とFW岡田優希選手(現J2町田)が抜け、攻撃力の低下が心配されます。センターバックの大桃選手を中心とする守備陣がいかに踏ん張れるかが今季のキーポイントになりそうです

 「去年は前(攻撃陣)に助けられて勝つ試合が多くありました。リーグ戦で優勝しましたけど、失点が相当多かった(22試合で37失点)ので、今年は危機感があります。なぜ失点したのか、どういう形で失点したのか、それを分析することがまずは大事。その要因を突き詰めた上で、毎日のトレーニングに落とし込んで課題を修正していくことが重要になります。全員が共通理解をより持って、組織的にやらなければいけません。1点の重みが去年とは違うと思います。今年は失点したらまずいので、そこは特に意識するところです」

 -2連覇がかかっています

 「2連覇とか、タイトルとか、成績面の目標については公言していません。連覇はもちろんしたいですし、目指して戦いますけど、去年の優勝はいい意味でリセットする必要があると思います。『目標は連覇』と軽く言いたくはありません。目の前の一試合一試合に注力して、謙虚に戦うだけです。謙虚にならなければ、その先には何もありません。勝ちながらどれだけ成長できるかが、チームにとって大事になります。チームも自分自身も成長する一年にしたいですし、そのためには自分から成長しにいく姿勢を持ち続けなければいけないと考えています」

◆アラカルト

 ◆オフの日も競技力向上を図る ほとんど無趣味のため、オフの日でもサッカー関連のことに多くの時間を費やせる。パーソナルトレーニング、高地トレーニング、マッサージなどに励む。宅配便のバイトをし、競技力向上のために使う費用の一部を自分で出している。

 ◆恋愛は… ほれやすいタイプだったのに 昨秋に彼女と別れてから、気になる人が全く現れない。ここ最近は女性にときめいていない。恋をする情熱もなくなったのか「今は彼女が欲しいとも思いません」とやや冷めた感情を抱いている。

<大桃海斗(おおもも・かいと)> 1997(平成9)年10月28日生まれ、新潟県三条市出身の21歳。181センチ、81キロ。同市立一ノ木戸小1年のときにJドリーム三条でサッカーを始めた。中2~3を長岡JYFCでプレーした後、帝京長岡高へ。2012~14年にはU-16、17の日本代表メンバーに選出された。早大では2年時の一昨季から出場、3年時からレギュラーに定着し、昨季の関東大学1部リーグ制覇に貢献した。関東大学1部リーグ通算21試合出場0得点。関東大学選抜A。

目指すスタイルを「DRIVE」という一語で表現した

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