Harry Potter and the Serialist 作:一文
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城に来て二週が過ぎた。
その間、ブロンドの長髪がやたらと話しかけてきた。
彼の顔には、見慣れたような懐かしみを感じた。
授業はどれも杖を振るだけだった。
大体の教師は杖を振らせる前に黒板に理論を書いたが、馬鹿げたことに思えた。
およそ杖を振れば、マッチ棒は針になり、羽根は宙に浮いた。
呪文を唱えずとも理論を解せずともそうなるのだから、大抵の授業は退屈だった。
そして今朝手紙が来た。
朝食の最中にフクロウが手紙を落とした。
ブロンドが目敏く見つけ、内容を話すようにせがんだ。
手紙は校長からだった。この後話したいことがある、内容はそれだけだった。
特に問題もなさそうであったから、手紙をブロンドに渡した。
他の生徒も集まってきたせいで、ブロンドの周りが騒がしくなった。
アレコレと推測する声が溢れたが、どれも遠慮がちなものだった。
朝食が済んだので、大広間から出た。
戸口を出たところで、老人が待っていた。
校長だった。
校長はついてくるように、と言って歩き始めた。
その後を黙ってついて行った。
しばらく廊下を歩いた後、小部屋に入った。
等身大の鏡だけが置いてあった。
あそこの前に立つように、と校長が言ったので、それに従った。
何が見える、と校長は言った。
何も、と答えた。
本当かね、こちらの顔を覗き込むようにして、校長は言った。
本当です、と答えた。
話はこれで終わりだった。
授業を受けるように、と言われたので、教室へ行った。
教室に着くと、ブロンドがあれこれ質問をしてきた。
話してもいいのかわからなかったが、特に指示も受けていなかったので、あったことをそのまま話した。
ブロンドは考え込むようにして、黙った。
教師が入ってきたので、ブロンドの周りにいた生徒は椅子へと座った。
相変わらず授業は退屈だった。
午後は飛行訓練だった。
校庭には粗末な箒が並んで置いてある。
どの生徒も浮き足立っているように見えた。
短髪の教師が校庭に入ってくると、怒鳴り声を上げた。
どこの世界も体育教師は同じようなものだと思った。
途中で事故者が出た。
いかにも愚鈍そうな少年が箒から落ちた。
教師が医務室へ連れて行くと、ブロンドと赤毛が口論を始めた。
そして、二人とも箒に乗って飛び上がった。
しばらく見ていると、ブロンドがガラス玉を投げた。
赤毛が急降下して、ガラス玉を取ろうとしたが、失敗した。
ガラス玉は落ちて、赤毛は校庭に激突した。
通りかかった教師が赤毛を浮かばせて保健室まで運んだ。
箒から降りていたブロンドは得意そうだった。
夕食の時間に、ブロンドは三人の赤毛に囲まれた。
どれもこれも似たような赤毛だった。
一番高いのは眼鏡をかけていて、あとは瓜二つの顔だった。
おそらく先ほど落ちた赤毛の兄弟なのだろう。
口々にブロンドを責め立てた。
ブロンドは震えた声だったが、彼らを見下すような言葉を言い続けていた。
ブロンドと赤毛の間に入るように上級生が来て、それを見た教師も来たので、赤毛たちはテーブルに帰って行った。