日本の税金ばらまきは1990年代にずっと続いた。超大型の景気対策を名前だけ変え、7年間に9回も実施した。道路、鉄道、空港などを整備する土木建設事業が主体だった。事業規模は合計114兆円に達した。それなりの国の国内総生産(GDP)を上回る資金が需要もないインフラ工事に投入された。人影がない施設が各地で不気味な塊と化した。野生動物だけが通る通路が雨後のタケノコのようにできたのもこのころだ。消費を促進すると言って、全国民に現金と商品券もばらまいた。文字通り税金を湯水のように使った。
10年余りにわたり、無駄な資金を使った末、日本は世界最悪の赤字国となった。政府債務の対GDP比が240%にまで上昇した。デフォルトの危機に直面したギリシャ(182%)を抜き、世界で圧倒的なトップだ。現在日本の財政状況は持続可能な構造ではない。年間予算の32%を借金で調達し、利払いに23%を充てる。20年後には国家予算の全額を利払いに充てなければならなくなるとの試算もある。いつか日本の首相がテレビに出演し、自分を「世界一の借金持ち」だと皮肉ったのを見たことがある。政策を誤れば、わずか10年で国が借金漬けにしてしまった。
日本経済が回復のきっかけをつかんだのは逆説的にもばらまき式の景気浮揚をやめてからだ。2000年代初めに小泉政権が土建事業の中断を宣言した。代わりに公共部門の再編、規制緩和などの構造改革を推進した。閉鎖的な労働市場も手術台に乗った。その路線を受け継いだ安倍政権はさらに強く構造改革のペダルを踏んだ。すると、民間の活力が復活し始めた。企業の競争力が好転し、雇用も増えた。税金ばらまきをやめた結果、長期不況が終わった。国家財政を食いつぶす高い授業料を払ってようやく不況から脱出できたのだ。