挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
踏み台転生者になったので全力で役割を全うします。〜世界最強の踏み台転生者〜 作者:清水 彩葉

第一章 ニュウガク

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
10/16

Sクラス、そして

 なんと、異世界転生/転移のファンタジー日刊ランキングで1位を取らせて頂きました!総合日刊ランキングでも現在2位にこの作品が……私は夢でも見ているのでしょうか笑。

 それもこれも、応援して下さっている皆様あっての結果でございます!皆様本当にありがとうございます!


 それでは、是非今話も楽しんで下さいませ。


 この学院には何年生だとか何回生だとかは特にない。代わりにあるのは『ランク制』という、前世には馴染みのない制度である。


 ランクとは一年に一度のランクアップ試験という試験に合格すると一つ上がる階級のようなもので、飛び級はない。入学するとランクカードという前世でいうところの生徒証のようなものが与えられ、初期値は0。ランクが4になると卒業資格を得ることが出来る。


 ランクアップ試験に合格するのはとても難しいらしく、この学院生の大多数がランク0で、卒業出来る生徒はほとんど居ない。まあ、アルカナム校は入学出来た時点で食い扶持には困らないどころか、引く手数多でほとんどの職業に就けるなんていう超絶エリート校だ。大体の生徒は卒業せずに王宮やらなんやらに就職するので、卒業が難しいからといってなんら不都合はないのだが。


 ……ちょっと話が逸れたな。そもそもこの学院には学年という概念はない。故に入学した時期や年齢、身分など全て関係なくごちゃ混ぜのクラス割りが行われるのだ。AクラスからGクラスまでの全七クラス、この学院の生徒全てがそこに所属している。

 全生徒が所属しているとは言っても、この学院は新入生が極端に少ないので割と一クラスあたりの生徒数は丁度いい感じになるらしい。アイラがそう言ってた。つまり新入生も卒業生も少ないから丁度良くなるということだろう。


 ……まあここまで聞いた人なら分かるだろうな、俺が何を言いたいのか。だが、敢えて言おう――――――




 Sクラスって、何?



 目だけを動かしてクラスメイトを確認してみる。

 男が一人に、女が五人。そして俺と(アイラ)。女子に偏り過ぎだろ。

 より詳しく観察してみる。まず目に入るのは揃いも揃って鮮やかな髪色だろうか。色とりどりの髪は彼らが余程優秀な魔法使いであるという事の証左だ。この世界の人々は優れた魔法の才を持つ者ほど色鮮やかな髪色、瞳色をしているからな。(アレン)が虐げられていた大きな理由の一つである。



 ………………つーか、ぶっちゃけこいつら見たことあるんだけど。



 ()()()()と黒髪の女の二人以外のメンツには、大変見覚えがある。


 もういつまでも現実逃避してないで認めよう。こいつら王女と四大貴族の娘達じゃん。俺達兄妹と一緒に試験受けてたやつら全員集まってんじゃん。


 状況は理解した。でも理由がさっぱり分からん。この学院に入学した以上、アルカナム校の中では身分など全く関係無い。王族だろうが平民だろうが、例外なく平等に扱われる。俺達がVIPだから集められたという事ではないだろう。そもそもそれだとあの男女がここに居る理由が分からないし。


 ……ダメだやっぱり何にも分からん。隣の席に座っているアイラにチラリと視線を向けると、ニコリと微笑みかけてきた。可愛い。


 難しい事を考えるのを放棄した俺が世界一可愛い妹といちゃついていると、ガラリと音を立てて教師らしき人物が入ってくる。

 この世界の平均くらいの身長にこの世界の平均を著しく越えたサイズのおっぱい。綺麗な赤色の髪の毛に同色の瞳。整った顔立ちはどことなくおっとりとした雰囲気でおっぱいがでかい。とてもでかい。


 ………………というか、今教卓に立ってこんにちは〜って言ってるあの巨乳の人にもすげぇ見覚えがあるんだけど。つーかさっきまで一緒にいたよね?


 それと、隣に居る可愛い妹が自分の胸に手を当ててぐぬぬ……と唸っているのが地味に気になる。

 ……確かに胸のサイズは彼女に比べたら負けてるかもしれないけど、アイラだって決して小さい訳ではないんだし、何よりアイラは世界で一番可愛い妹なんだからそのままでいいんだよ! そんな気持ち悪い事を脳内で考えてたら、なんかいつの間にかアイラは上機嫌になってにこにこしながら鼻歌歌ってた。女心は秋の空とか言うけど、マジで一瞬でコロコロ変わりすぎでしょ。多分俺には一生分かんないんだろうな。





「はぁ〜い! さっきの入学式に参加していた皆さんは知ってると思いますが改めて自己紹介を〜。フレア・ソレイユです〜! 一応学院長をやってますが、このクラスの担任も兼任する事にしました〜! これからよろしくお願いしますね?」



 そう言ってにこりと微笑むフレアさん。する事になりましたじゃなくてしましたって言ってるのは自分で決めたからだろうか? 職権乱用? ……そこはかとなく嫌な予感がする。



「皆さん、このクラスに配属された事について疑問を抱いていることでしょうから説明してあげちゃいますね〜。まずこのSクラスがなんなのかという事なんですけど〜、皆さんならもう既に分かっちゃってますよね〜」



 いや、全く。

 そう思って周りを見てみると、全員分かってそうな顔をしてた。嘘やろ? 分かってないの俺だけ?

 と、ここで俺以外の唯一の男である銀髪君が声を上げた。



「つまり、このクラスには入学試験で好成績を収めた生徒達が集められているという事でよろしいでしょうか」

「そうです! 流石はSクラスですね! グレン君の言う通り、この場にいるのは入学試験で好成績を収めた生徒達、それも過去に例を見ない程の出来でした! 皆さんおめでとうございます〜」



 ……………………ふぅん? グレン君、ねぇ。覚えた。

 俺がグレン君に熱視線を送っている間にもつまりですね〜と、フレアさんはほんわか笑顔で話を続ける。



「簡単に纏めてしまえば、皆さんの成績が優秀過ぎて従来のクラス分けでは教育のレベルが合わなくなってしまうという事です〜。それでは困りますよね〜? だから、こうして新しく皆さんのような金の卵のための特別クラスを作ろうという訳ですよ〜」



 優秀な皆さんは分かっていたようですけどね〜。そう言うフレアさんに俺は冷や汗を流す。その発想はなかった。

 確かにみんな優秀そうな見た目をしているけど、所詮踏み台でしかない俺がまさかそんなクラスに所属する事になるとは思っていなかったのだ。

 だがよく考えてみれば当たり前かもしれないな。俺は現段階ではまだ天才に相応しいスペックなのだから。Sクラスに配属されてもおかしくはないだろう。


 まあ、俺の勘が正しければもうすぐその評価もひっくり返る頃なのだろうが。



「まあこれで最低限の説明も終わりましたし、次はそれぞれ自己紹介でもしましょうか〜。これから長い間一緒に切磋琢磨する仲間達ですからね〜! そうですねぇ〜……、窓側の席の人から順にしましょうか」



 フレアさんはそう言って、嬉しそうに笑う。こういうのすっごい新クラスらしくていいですね〜、青春です! とか言ってる。

 もしかしたら彼女もクラスの担任とかやってみたかったのかもしれないな。学院長とはいえ、まだ相当若そうだし。


 そうこうしているうちに、窓側の席に座っていた鮮やかな翡翠色の髪と瞳を持つ女の子が起立する。というか、この席だと俺一番最後じゃん。ちょっと緊張するな。




 ふと、銀髪のグレン君と目が合った。ニコリと微笑みかけるとそっぽを向かれてしまった。まあ、それが当たり前なんだけどね。



 ……だからアイラ。そんなにグレン君の事睨まないであげて。お兄さまを無視するなんてだとか、そんなの気にしてないからさ。





 もう既に、物語は始まっている。



 きっとそれは、どんな境遇でも諦めずに、何者にも屈しない。そんな英雄の、勇者の、主人公の物語だろう。


 おまけ(蛇足)



フレア「こんにちは〜」たゆんたゆんっ


アラン(デカい。素晴らしい)


アイラ(あのクソ(アマ)ァ……! お兄さまを誘惑でもしてるつもりか? アァ? その醜い牛みてぇな駄肉削いでやろうか? ア゛ァ゛!? くそぅ! 私ももっとおっぱいが大きかったらお兄さまの視線を釘付けに出来たかもしれないのに!!)


巨乳(アラン君もアイラちゃんもかわいいなぁ)


シスコン(アイラはそのままでもいい。むしろそのままがいい。世界一可愛い)


ブラコン(お兄さま愛してますっ)ニマニマむふーっ





 大体こんな感じ。

 なお、この間のセリフはフレア先生の「こんにちは〜」だけの模様。しかもそれも地の文ですから実質セリフゼロですね。



 今回も読了ありがとうございました。宜しければお気軽に感想、評価の程よろしくお願いします。読者の皆様のお声が、何よりも私にとっての励みになります。


 因みに、ブラコンからしてみればお兄さまの思考を読むことくらい普通みたいです。その割にはアランのポンコツっぷりに全然気付いていないようですが。


               清水彩葉

宜しければワンクリックお願い致します!→小説家になろう 勝手にランキング ↓こちらの方もよろしくお願い致します!→cont_access.php?citi_cont_id=879252013&s script?guid=on
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。