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【プロ野球】

「ふざけやがって」 近藤昭仁さんの怒りが逆転日本一の導火線

2019年3月28日 紙面から

<悼む> 1989(平成元)年、仰木監督の近鉄との日本シリーズに臨んだ巨人は10月24日の第3戦(東京ドーム)も完封負けを喫し、まさかの3連敗。Gナインの誰もが黙りこくってロッカーに引き揚げているとき、先発して勝ち星を挙げた近鉄・加藤哲郎投手が誇らしげにテレビのインタビューを受けていた。

 「巨人打線はたいしたことなかったですね。打たれる気がしなかったですし。シーズンの方がしんどかったですから」

 数分後、顔を真っ赤にした昭さん(巨人・近藤ヘッドコーチ)が報道陣が集まるベンチ裏のプレスルームに入ってきた。そして、一気にまくしたてた。

 「インタビュー見たか?(シーズン最下位の)ロッテより弱いだと~。ふざけやがって。見てろよ~。絶対に4連勝してやるからな!」

 怒っているのが手に取るように分かった。記者は広岡・西武のコーチ時代から何年も取材してきたが、あんなに怒気まみれの形相の昭さんは初めて見た。

 3連敗から4連勝-昭さんの怒りのパワーがGナインの心に火をつけたことが、巨人の奇跡の逆転日本一の原動力になったと記者は確信している。 (1989~90、93~95年巨人担当・宮崎信隆)

 

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