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反移民勢力の猛攻に不退転の決意で立ち向かう

法務省入国管理局に勤務していた1975年に「今後の出入国管理行政のあり方について」(以下「坂中論文」と略称)という論文を発表した。その中の「在日朝鮮人の処遇」をテーマにした一篇で「在日朝鮮人が自ら進んで日本国籍を取りたいという気持ちになるような社会環境づくりに努めるべきだ」と提案した。

するとすぐに大きな反響があった。在日韓国・朝鮮人はもとより、民団や朝鮮総連などの民族団体、民族差別と闘うあまたの運動体、進歩的文化人、大学教授などから、「我々には朝鮮民主主義人民共和国という立派な祖国があるのに、帰国の道を閉ざすつもりか」「同化政策のいっそうの推進を打ち出したものだ」「文字通りの抑圧者の論理である」「冷酷な法務官僚」などという批判、抗議が殺到した。当時、活動が活発だった過激派からは、「打倒!坂中」のスロ-ガンを掲げたデモ行進の標的にされた。手に入った批判文、抗議文のたぐいは丹念に読んだ。実際、私に送られてきた「反坂中論文」のビラやパンフレットなどを含む印刷物はゆうに1000種類を超えていたのではないかと思う。

2005年に公務員生活を終えてフリーの身になり、現在は一般社団法人移民政策研究所の所長の立場で移民国家の建国に挑んでいる。これは移民鎖国という日本最強のタブーとの闘いである。2014年春に移民国家構想が政治課題にのぼると、反移民主義者、排外主義者、国粋主義者、ヘイトスピーチのグループなどの各派が大同団結し、坂中批判の大合唱が始まった。

移民革命の理論的指導者と見られている私が反移民団体・極右勢力の攻撃の標的になるのは避けられない。移民政策の象徴的存在の坂中英徳が一身で受け止める。これまで数々の修羅場を経験してきたが、このたびは未体験の規模の人身攻撃にさらされる恐れがあると覚悟している。

私は極左と極右の双方の陣営から猛烈な攻撃を受けた経験を有する稀有の存在である。どんな強敵が現れても受けて立つ。反移民勢力の猛攻に不退転の決意で立ち向かう。