野茂 ここ(NOMOベースボールクラブ)は年齢的に若い子が入ってきます。こちらが選んでとっているわけではないので、入る前には性格もわかりません。ですから、まずは教育っていったら、言い方が硬いですけれど、どんどん人間として成長させる方がメインです。僕も人間が成長するにつれて、野球のレベルも上がっていったので、それを期待したいんです。
■「面白い野球をした方が勝つ」
権藤 面白い野球という点で、メジャーで感じたことは?
野茂 うーん、単純にゲームの面白さ、という点でみたら米国の方が面白いですね。
権藤 日本はバントとか、チマチマやって。バントなんて、アマチュアでもできる。プロでしかできないこと、三振もするけれど、とんでもないホームランを打つのがプロ。だから自分が監督になったときに思ったのは人がやらんことをやらにゃあ、プロじゃない、と。勝つか負けるかは知らんけれど、それでも最終的には面白い野球をした方が勝つ、と思ってやっていたからね。
野茂氏は「人間が成長するにつれて、野球のレベルも上がっていった」と振り返る
野茂 メジャーはチームに1人はスター選手がいます。そいつにチャンスで回ってきたら、お客さんもすごく期待をする。(他の打者も)そこに合わせることしか考えていないので、バントなんかしてアウトカウントを増やす必要もないんです。今の自分は見る側の立場ですけれど、見る側になっても向こうの野球の方が面白い。
権藤 日本の野球でも野茂と清原(和博氏=西武など)の対決は「真っすぐしか投げん」なんて言って、すごく沸いたけれどね。そういえば、おれ、ダイエー時代に近鉄と対戦したとき、野茂に「8番バッターにフォークボールなんか放るもんじゃない」ってヤジを飛ばしたことがあったよね。8番打者にカウント2ボール1ストライクからフォークを投げるなんて大エースのすることじゃない、と。そしたら、野茂もニコっとしてさ。あれは今考えたら、違うんだよな。野茂は三振を取るのもフォークだけれど、ストライクを取るのもフォークだったんだよな。下位打者にムキになっていたわけじゃない。
野茂 言い方は悪いですけれど、(下位打者には)気を使わないっていうか。なんでもストライク投げときゃええかっていう……。これが清原さんや秋山幸二さん(西武など)となると、ちょっとでもミスったらだめですから。(ボールが)指にかかんなきゃだめだし、秋山さんのときもフォークを投げるときは絶対にストライクゾーンからボールになるようにしなきゃいけない。でも8番バッターだったら、そこそこでいいか、と。
権藤 野茂がメジャーに行くときに、みんな四球が多いから通用しないと言っていたけれど、おれは絶対通用するって言っていた。メジャーの打者は積極的に振ってくるから、四球は日本の半分以下に減る。通用するという根拠はそこだった。
野茂 覚えています。権藤さんと稲尾(和久)さんがいつも声かけてくれて。稲尾さんも(メジャーで)できると言ってくれてましたね。
権藤 それに四球を出すのは、場合によっては悪いことじゃない。2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のとき、各チームがすごいバッターをそろえてきた。いつもなら「四球でいいなら俺でも投げられるぞ」って投手にハッパをかけるんだけれど、あのときだけは「四球を出す勇気を持ちなさい」と言ったんだ。1個出したって走者一塁、連続四球でも一、二塁。4つ出してやっと1点だからね。そのうちボール球を振ってくるんだから、四球を出す勇気を持ちなさい、と。だから、本当は野茂もコントロールがよかったんじゃないかって思い始めたんだ。
野茂 いいえ、コントロール悪いです(笑い)。
権藤 四球を出してもいいって、計算してやっとるなって思っていた。
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NOMOベースボールクラブを率い、独自の挑戦を続ける野茂英雄氏と、独特の視点の評論を展開する権藤博氏に、理想の監督像など、プロ野球や社会人野球への思いを語り合ってもらった。
1950年の2リーグ分立以来、プロ野球最大のピンチとなった2004年(平成16年)の球界再編騒動。危機は「見るスポーツ」の王者の地位に安住してきたプロ野球を変えた。
このまま行くと、4年後にはパ・リ
プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)が25日、東京都内のホテルで開かれた。投打で大阪桐蔭高の甲子園大会春夏連覇に貢献した根尾昂内野手はヤクルト、巨人、中日、日本ハムの4球団が1位指名し、抽選の