「最高級のディナーショウ/ジーニアス・ジーザス・シーラカンス」

犬丸芝居小屋第18作目「最高級のディナーショウ」&「ジーニアス・ジーザス・シーラカンス」できましたー!
久しぶりに時計台の皆さんにお芝居していただきました。
内容は「一人と一体の復讐劇」になります。
曲のシリーズとしては、その他ですね!
つくろうと思ったきっかけは、この曲とは別の曲ですが、梅吉がインスト(オフボーカル)音源だけ送ってきて、「ミリしらやってみない?」となったことです。
これをやってみたらインストは同じなのに全然違って面白かったので、丸井がつくったインストでもミリしらやってもらおう!となり、この2曲が完成しました。
梅吉から「歌詞のテーマはあるかいな??」と聞かれ、自分のつくったものが、老人主人公だったので「老人の助手のお人形さんが主人公で!」とお願いしたところ、いい感じなお人形さん曲が出来上がってきたので、2曲合わせて勝手に物語つくりました。
歌詞へ行く前に、ざっとストーリーを載せておきます!

 


昔々、美しい半神がいた。
半神は1体の人形をつくり、それに命を吹き込んだ。
人形は半神を先生と呼び、ふたりは幸せに暮らしていた。
「先生、なんでボクは目の色が違うんじゃ?」
「手持ちがなかったんですよ。両方サファイアを埋めるつもりでしたが、一時だけダイヤモンドで我慢してください」
「わかった!」
そんなある日、半神の家に国王が護衛を連れて現れた。
人形は村の人々の噂を思いだす。
―国王様に近付くな。あの人は美しいものを壊して喜ぶ、猟奇的なお方だ―
護衛は魔女狩りと称して半神を連れていこうとした。
「先生が魔女なわけないじゃろが!やめんさい!」
食い下がる人形だったが、護衛に腕をつかまれ人形ということがバレてしまう。
「わあ、人形が動いてる!やっぱり魔女じゃないか」
国王の言葉に人形は青ざめたが、半神は人形をつかんでいた護衛を振り払いこう告げる。
「従いましょう。ただし、この子に手を出すことは一切許しません」
半神は人形に「あなたの気にしているその目、来世でなおします。来世の私を頼りなさい」と告げ、城へ連れていかれてしまった。

 

国王は半神を処刑した。
半神ではあったが神は神なので、国王は神殺しとされ天に召すことはなくなり、ずっと地上に縛られ続けることとなった。
しかし国王にとってそれは都合が良かった。
ずっと美しいものを壊し続けることができるのだから。

 

国王は人形から半神を奪ってしまったお詫びに城へ来ないかと誘う。
人形は怒り、差し出された手をはじいた。
その場から走り去りながら吐き捨てる。
―末代まで呪ってやる―

 

半神の最初の生まれ変わりはレンコン頭の貴族だった。
人形は召使となった。
雇われるときに詳しく聞かれなかったため女物の服を用意されて少し困ったが仕方ない。
レンコン伯爵に近付くために召使になったが、身分が違いすぎて話すことさえできなかった。

 

半神の2番目の生まれ変わりは花だった。
人形は花屋になり、花とともに過ごした。
花に人形の目をなおせる術はなく、枯れてしまった。

 

半神の3番目の生まれ変わりは牧場に住み着く猫だった。
人形は牧場に住み込みで働き、猫とともに過ごした。
猫に人形の目をなおせる術はなく、そのうち猫はふらっとどこかへ行ってしまった。

 

「もうすぐ先生が生まれてくる…これで4回目じゃな!」
人形は考えながら道を歩いていた。
「おい、こいつ人間じゃないぞ」
気がつくと見知らぬ人間に腕をつかまれていた。
しまった、と人形は思った。
今人形のいるこの国には魔法というものがあるため、人形が動くことは特段おかしなことではなかった。
しかし、古くから人間以外を差別するような風習が根付いていたのだった。
人形はあっという間にバラバラにされて路上のゴミ捨て場に捨てられてしまった。
人形は痛覚を持ち合わせていなかったため、痛くも痒くもなかったが困り果てた。
「あああボクはなんて馬鹿なんじゃ!もうすぐ先生に会えるってときに動くことができん!」
そのとき、コツコツと路上を通りすぎる足音が聞こえた。


老人は奇術師であった。
彼のいる国では魔法が主流であり、彼もまた魔法が使える人間であった。
しかし、あえて魔法を使わずに手品をするエンターテイナーとして活躍していた。
彼には幼い頃妹から譲り受けた人形の助手がいた。
「だぁーかぁーらぁー!俺は男の人形として作られたって何回言やわかんだよ!」
「美しいものを美しく着飾って何が悪い。適材適所だ」
「チっ!」
助手の人形は舌打ちをした。
老人は美しいものより美しくすることが好きだった。

 

ある冬の日、老人は用事のため道を歩いていた。
すると道脇の近寄りたくもないようなゴミ捨て場から声が聞こえた。
「そこの方!蓋を開けてほしいんじゃけど!手足が動かせないんじゃあ!」
何事がと思った老人は近寄りたくもないようなゴミ捨て場に近付き、ポリバケツの蓋を開けた。
「ありがとぉ…って……運命じゃ…!」
ポリバケツの中で目を輝かせるバラバラの人形に眉をしかめる老人。
「先生…!」
老人は困惑の表情を深め、更に眉間にしわを寄せた。
半神の4番目の生まれ変わりがこの老人であったのだ。

 

老人はバラバラの人形を持ち帰り修繕した。
人形は今までのことを老人に話し、目をなおしてくれと頼んだ。
老人は神話のような話に驚きを隠せなかったが信じることにした。
あらためて人形を見た。
「目の色が違うことは、確かに奇異の目に晒されるかもしれないが…」
「うん」
「これは適材適所だ」
「・・・?よくわからんのう…」
「それにその先生とやらがつくってくれたんだから大事にしろ」
「わかった!先生がそう言うならそうするけぇ!」
それから人形は助手2として老人のサポートをするようになる。

 

あるとき、とある富豪が主催するディナーショウに呼ばれ、演目を披露することになった。
美しく飾られた舞台で奇術を披露する老人と助手二体。
ところが演目の途中で何者かによって舞台が壊されてしまった。
そして助手が人間ではないことがバレてしまい、罵声を浴びる。
助手はその心ない言葉により、心を閉ざしてしまった。
舞台上で一度も失敗したことのなかった老人もひどく気落ちし、一気に老け込んだ。

 

その出来事から、細々と暮らすようになった老人と助手2体。
あるとき、あのとき舞台を壊したのがディナーショウを主催する富豪だったということを知る。
そしてその富豪とは、かつて人形から半神の「先生」を奪い処刑した国王であった。
助手の心を壊された老人と、先生を奪われた人形。
一人と一体の復讐劇が、はじまる。

 


こんな感じです!
これだけでほとんど解説なので、歌詞解説はせずに歌詞だけ載っけておきますね!
「最高級のディナーショウ」が半神の生まれ変わりである老人視点の曲。
「ジーニアス・ジーザス・シーラカンス」が半神を慕い続ける一途な人形視点の曲です!

 


「最高級のディナーショウ」/作詞作曲・丸井

 

「何でもない」と呟いた
崩れ落ちた歯車散らばった
人形は意思持ち去っていった
月を見るのも億劫だ

 

狭い箱で演目を
パラパラと鳴る拍手、十分だ
暗がりでいつまでも手を叩く
そんな君が大嫌いだ
無邪気な顔で近付いて
無邪気に舞台壊して笑った
それになんで、なんで僕は気づかなかったの
眩暈がするので

 

最高級のディナーショウ
価値観の違いなど最初からわかってる
淡々と銀ナイフを研いでいろ
リストランテは断る
最高級のディナーショウ
まだ爪みせるときではない
ほら満身創痍の僕の心に
沸々、煮えたぎる鼓動

 

事態の重さに気づいた
けれど手遅れになんぞさせない
汗を垂らし垂らし戦略を練る
夏の日、毛布の中
顔が見えんからといって散々に言う奴らは斧で叩き割った
怪物にはなにしたっていい?
ふざけるな
僕は人間だ

 

最高級のディナーショウ
侮られてる事は最初からわかってる
淡々とフォークを尖らせていろ
思い出、其れは地獄絵図
最高級のディナーショウ
まだ爪みせるときではない
ほら賽は投げられた、僕の頭上で
爛々、輝く天の川

 

まだ見ぬ貴方に魚の涙を
まだ見ぬ君に偉才の譜面を
まだ見ぬ貴方に宵の円舞曲を
まだ見ぬ君に最高の舞台を

 

最高級のディナーショウ
咀嚼できずに全部吐き出してしまえ
優雅にまいたナフキンを捨てて
逃げるのは絶対許さない
最高級のディナーショウ
さあ括目し後悔しろ
大事にしたものに手を出したこと
気づかん僕も僕だったが

 

最高級のディナーショウ
飲み込めたとしても腹を壊してしまえ
耽々と歯車組み立ててた
不出来な人形は笑う
最高級のディナーショウ
お冷のおかわりは如何
なみなみ注いだ方が身の為
これではまだまだ晴らされない

 

「何でもない」と呟いた
星が静かに光る夜だった
不出来な人形はまた笑った
月を見上げ息を吐いた

 


「ジーニアス・ジーザス・シーラカンス」/作詞メロディライン・梅吉 その他・丸井

 

時代の空気見つめ
擬態繰り返す僕は
端から見れば唯の、

 

平和と謳ってみても
如何なる時も戦争
正義を被った悪が、

 

1本足で、空を睨み 
雨に打たれ、野晒しでも
知恵蓄え、残飯漁り、
ひとりぼっち陽気に歌えば

可愛がられ、ガラクタにされて
君が拾い、綺麗にした
前世も来世も、僕しか知らぬ
ラーズグリーズの心は死んだ

 

頂点に君臨してた
天才のパレスは
今じゃもう見る影も、

 

宗教戦争、断頭台晒されて
昨日の敵は今日のお友達
それ、ほんまに言うん?怖いわぁ

 

二本足は、君の為に
たとえ片翼、それでも
あっちへ行って!レギンレイヴ
兎の背に羽は無くて

気味悪がられるオッドアイは
君が認めるからいいや
すべて壊したランドグリーズ
末代まで呪ってやろうか

 

Get ready !

 

砂時計に埋もれた人形
誰も知らない芸術品
それでも僕は、僕は、僕は
君の最高傑作になりたい

空中楼閣、認めないわ
操り糸は雁字搦め
僕はきっと生きた化石
君の半身、神様、崇拝

 

1本足で、空を睨み 
雨に打たれ、野晒しでも
知恵蓄え、残飯漁り、
ひとりぼっち陽気に歌えば

可愛がられ、ガラクタにされて
君が拾い、綺麗にした
前世も来世も、僕しか知らぬ
ほら人形劇を始めよう

 


絶賛謎解きゲームにはまっている丸井です!
いやぁミリしら楽しかった!!
梅きっちゃんも自分もドヤ顔で「あってるだろ???」とつくった曲を送るんですけど、違うわwwwみたいなwwww
とりあえずお人形ちゃんが先生大好きなのが伝われば嬉しいです!!

好きな某アイドルアプリゲーム作品の大好きなキャラの影響を受けまくって出来上がりました!!
 「ジーニアス・ジーザス・シーラカンス」好きです…自分がつくった曲よりこっちのが先に頭に浮かぶ…
サビが胸熱で好きなんです…「1本足で、空を睨み 雨に打たれ、野晒しでも 知恵蓄え、残飯漁り」が特に…!

 


最近は専らしゃんしゃんしている梅吉です。急募→リズム感。
ミリしら楽しいですね…言い出しっぺの自分が作曲した方は相も変わらずげふんげふん。
現在片手じゃ足りないくらいの動画をためてるのですが、それよりもフォルダの整理をした方がいい気がしてきました。
丸井っちはああ言ってますが、自分が頭に残る方は丸井っちが作曲した方ですね、やっぱり。
同じ曲(?)のハズなのに、歌詞の量がえらい違うのですがそういうところも丸井っちとの違いかなと。
とりあえず、今日もしゃんしゃんしてきます!