比嘉愛未さん
連続テレビ小説『どんど晴れ』に主演!
比嘉愛未さんが当時の心境やNHK出演作品での思い出を語る
2007年放送
民話の故郷、岩手県を舞台に老舗旅館に飛び込んだ都会育ちのヒロイン・夏美が、孤軍奮闘しながら成長していく様を爽やかに描く、笑いと涙の「女将奮闘記」!
脚本:小松江里子音楽:渡辺俊幸語り:木野花主題歌:小田和正
わたし、
女将になる!
エピソード01
浅倉夏美、23歳。彼女の夢は、パティシエでフランスに渡り修業し、世界大会で優勝した父・啓吾の様になること。
夏美は恋人・加賀美柾樹の祖母・カツノの喜寿祝いのため岩手に行く。
持ち前の明るさで大勢の親戚たちに溶け込む夏美。カツノは蔵で後片付けをする夏美を見て、座敷童(ざしきわらし)と見間違える。
「ねえ、なにこの。
どんど晴れって?」
―夏美
「うちの地方の昔話で
最後によく使われる言葉で。
めでたしめでたし、
みたいな意味じゃなかったかな」
―柾樹
その夜、夏美は柾樹から、東北地方で旧家に時折現れるといわれる家の守り神、座敷童の話を聞かされる。
そして、物語の最後に使われている、「どんど晴れ」という言葉の意味を聞かされる。
翌日、柾樹は、亡き母・俊江が好きで幼い頃よく連れて来てくれた思い出の場所、一本桜を見に夏美とやってくる。そこで夏美は、女将の激務に体を壊して亡くなった柾樹の母のことを知る。
そこへ、大女将としてバリバリ働いていたカツノが倒れたと柾樹に連絡が。カツノは病床で、柾樹に旅館を継いで欲しいと頼む。
「君のような男に大事な娘はやれない。
こっちからお断りする。
出ていけ!」
―啓吾
柾樹の後を追いかける夏美。柾樹と離れたくない思いから、女将になると宣言する。
ひとりぼっちの旅立ち
エピソード02
加賀美屋では柾樹が帰ってくると聞いて、大女将・カツノと女将・環の嫁姑の対立が表立ってくる。
夏美は、両親に柾樹と一緒に盛岡へ行きたいともう一度訴える。母・房子は、自分の人生は自分で決めるの、と夏美の決意を後押しする。
柾樹ともう一度話し合いたいとアパートへ行った夏見は、風邪で寝込んだ柾樹を看病する。そして、柾樹が結婚をやめようと言ったのは女将の苦労を夏美にさせたくないからだと知り、覚悟を決める。
柾樹に知らせず加賀美屋に向った夏美。夏美は加賀美屋で修業させて欲しいと頼み込む。
横浜から慌てて駆けつける柾樹。柾樹の心の一本桜になりたいと真剣に訴える夏美の愛情に強く胸を打たれる。
家族の愛
エピソード04
夏美の仲居修業が始まる。環から夏美を厳しくするよう言いつけられた仲居頭の小野時江の指導は、イジメとも思えるほど厳しく、細かいほこりにまで目を光らせる。
柾樹が仕事のために盛岡に戻れなくなったと知ってショックを受けていた夏美を、柾樹が横浜から突然やって来て元気付ける。
そして柾樹と入れ替わりに、夏美のことが心配な横浜の家族が盛岡にやって来る。
夏美が一人で泥まみれになって働く姿を見て心配する両親。さらに伸一や時江が旅館の経営状態が思わしくないとか、女将の仕事がきつくて柾樹の母親が亡くなったなどと吹聴して不安がらせる。
「お父さんもお母さんもこんなこと言うために
わざわざここへ来たの?
もしそうなら何もわざわざ来てくれなくてよかったのよ!
私の邪魔しに来ただけじゃない!」
―夏美
カツノは夏美の父・啓吾になぜ夏美を女将にしようとしたかを話し、自分の残りの人生を夏美に賭けてみたいと伝える。納得した啓吾はカツノに夏美を任せる決断をして横浜に帰る。
「手をかけるのだけが愛情ではない。
かえって弱らせることもある」
―平治
夏美は庭木の手入れも任されるがうまく育たない。
そんな時、南部鉄器職人の平治から大切なアドバイスを忠告される。
庭木を育てるうちに、両親がどれほど自分のことを愛してくれていたかに気づいた夏美は、感謝の手紙を書いて送っていた。
女将修業、断念
エピソード05
夏美は時江に付いて客室係りの見習いを始める。夏美が初めて受け持つ客は東京から来た経済評論家の斎藤愛子と息子の翼。
仕事の忙しい愛子に代わって夏美は翼を盛岡観光に連れて行ったり、夕食の相手をしたり親身に世話をする。
ある日、母親と"さんさ踊り"を見に行くはずの翼だったが、母は仕事が忙しく帰ってこない。落胆しながらもけなげに耐える翼を見て、夏美はとっさに祭りに行こうと連れ出す。
旅館に帰ろうとしたその時、突然苦しみ倒れる翼。翼がそばアレルギーだと知っている夏美は十分に注意したつもりだったが、翼が食べたまんじゅうにそば粉が入っていたのだ。
「こちらとしては
訴訟を起こすつもりですから。」
―愛子
誰もが夏美をクビにするべきと考えるなか、環が下した結論は夏美の教育係・時江の解雇だった。夏美は自分のせいだから時江には責任がないとカツノに訴えるが取り合ってもらえない。
「人を蹴落としてまで人を蹴落としてまで
柾樹と旅館継ぎたいのか!」
―伸一
失意のどん底の夏美は、盛岡を去ることに。
中途半端じゃ
終われない
エピソード06
加賀美屋での修業を諦めて盛岡を飛び出した夏美は横浜に戻る。しかし、家に帰ることもできず港の公園で一人打ちひしがれている。
どこにも帰れずにいた夏美を見つけた柾樹は優しくアパートに迎え入れ慰める。
柾樹は夏美の一件に話をつけようと盛岡に向う。そして環たちに、夏美が女将修業を辞めたいのなら自分も加賀美屋を継ぐのをやめると話し、さらにカツノにも夏美を幸せにするために盛岡には戻れないと謝る。
その頃、伸一は恵美子を女将にするべく無理強いするが、女将になりたくないと恵美子が言い放ち、夫婦仲がこじれてしまうことに。
夏美の元に、翼から謝罪の手紙が送られてくる。
愛子は自分の留守中に夏美が翼を訪ねていたことを知り、夏美を呼び出す。夏美を責めたてる愛子に我慢できなくなった翼は、母親に怒りをぶつける。翼が初めて反抗したことに愛子はショックを受ける。
そんな時、カツノが謝罪しようと東京の愛子の家を訪ねて来る。愛子はカツノに、最高のおもてなしをしていただいたことに気付かされ、訴訟は取り下げると告げる。
カツノと再会した夏美は、女将修業を途中で投げ出したことを後悔している自分に気づく。
女将修業の
再挑戦は
認められるか
エピソード07
伸一は加賀美屋の茶会で使う茶釜を平治の工房に取りに行ったが、平治が作った茶釜ではなく、弟子の聡が作った方を気に入り持ち帰る。
平治がへそを曲げると手をつけられないことを知っている加賀美屋の面々が困っているところに、夏美が現われる。もう一度修業をさせて欲しいと願うが受け入れてもらえない。そこで夏美はある条件を出す。
それは、もし平治の茶釜をもらって来たら修業を認めてくれるというもの。さっそく夏美は平治の工房に向った。
しかし、修業を途中で放り出した奴は気に入らんと相手にされない。そこで夏美は受け入れてくれるまで工房の玄関に座り込む。夜になり雨が降るなか座り込みを続ける夏美に根負けした平治は家に入れてやる。
「俺も女将じゃねえけど、
そろそろ引退しねばな。
うまくいかねえ物なんか
そ作りたくねえもんな。」
―平治
そんな平治に、見た目が不恰好でも平治さんが心を込めて作った作品には味があると、夏美は励ます。勇気付けられた平治は、茶釜を作る情熱を取り戻す。
再び茶釜づくりに没頭する平治。そこで出来上がった茶釜は久しぶりに平治にとって満足の行くものであった。夏美はそれを持って加賀美屋に戻る。
「大女将や女将さんの様な、
心からのおもてなしができる
女将になりたいんです」
―夏美
約束を果たした夏美は、柾樹の結婚相手としてではなく一人の仲居として修業させて欲しいと頼み込む。
カツノは環の反対を押し切って夏美が再び修業することを認めることに。
しかし、環は決して修業を認めたわけではないと夏美に冷たく言い放つ。
ライバル登場
エピソード08
夏美の修業再開を認めたカツノが、年に一度開かれる茶会で大女将が引退し、環が加賀美屋を取り仕切ることを発表する。
「これが加賀美屋の全て。あとは自分で考えるように。」
―カツノ
そんな時、浩司が交際している彩華を家族に紹介する。早速、環は次男・浩司の恋人を仲居として働かせることに。
元一流料亭の娘の彩華は、客への応対だけでなくお茶やお花の心得もあり、環たちは感心する。
「板場は神聖な場所なの。
そういうしきたりを大切にするというのは、
つまりは心からのおもてなしをするためなのよ。」
―彩華
またも事件が発生する。夏美が預かった組合費が目を離したすきに無くなってしまう。夏美は彩華がそばにいたことを思い出し、彩華に帳場で誰か見かけなかったかと尋ねる。
組合費が紛失した一件で、夏美が彩華を犯人扱いしたと浩司が猛抗議する。他の従業員や環たちからも非難を受け、孤立する夏美。
その夜、浩司は彩華が組合費の袋を懐にしまうのを偶然目撃してしまう。浩司は彩華に問いただすが、母の入院費のためと聞かされ、一肌脱いで金の工面をしてやることに。
競い合いの決着
エピソード09
「浩二さんと結婚することを前提として、
私にも女将修業させて下さい」
―彩華
彩華は環に、このまま仲居として働かせて欲しい、そして、浩司との結婚を前提に女将修業をさせて欲しいと願い出る。
柾樹がついに加賀美屋を継ぐことを決意し、盛岡へ戻って来る。長かった遠距離恋愛を経てようやく人生の足並みをそろえる二人は、思い出の一本桜の前で新たな決意をする。
ある日、旅行ガイドブックの調査員が加賀美屋の格付けをするために来ることになる。そこで環は、夏美と彩華のどちらが若女将にふさわしいか、この調査員の評価をもとに白黒をつけようと考える。
川端という男が宿泊に訪れる。伸一は男が調査員だと勝手に判断し、彩華を強引に担当につけて、女将競争で有利になるよう計らう。彩華はそつなく接客し、川端に好印象を与える。
一方、夏美は雑用をこなしていたが、裏庭にいた怪しげな男・田辺を泥棒と勘違いして一騒動起こす。予約なしで来た田辺は無理を言って宿泊するが、岩手山の見える部屋に変えてくれと夏美を困らせる。
彩華が担当した客はガイドブックの調査員ではなく、夏美が担当した怪しい客の方が調査員と判明する。雑誌記事で、夏美のサービスや態度が賞賛されていることに、驚き戸惑う環たち。
家族全員一丸
エピソード10
ある日、彩華を訪ねて男たちがやって来る。そこで男たちは、彩華の借金の返済を強引に迫るが、浩司と柾樹が捨て身で彼女を守る。
彩華は女将になることでしか満たされない寂しい心の内を夏美に吐露する。自分に無くて、夏美にあるものがやっと分かった彩華は、素直に負けを認める。
そして、彩華は加賀美屋を去って行く。
一方、柾樹は加賀美屋の改革に乗り出すことに。まずは板長の篠田が長年続けてきた仕入れ方法を見直して、食材費の赤字を削減しようとする。
柾樹が仕入れ先を勝手に変えたため、馴染みの業者から魚をもらえないと篠田が怒鳴り込んでくる。そこで柾樹は、篠田が業者から裏金をもらっていると批判する。怒った篠田は板長を辞めることに。
女将の決断
エピソード11
観光協会の取材で夏美は民話のふるさと、遠野を訪れる。夏美は河童が出るという川に誤って落ち、偶然通りがかった政良に助けられる。びしょ濡れの夏美は政良の家に案内される。 突然、柾樹が夏美を迎えに現れる。政良は20年前に捨てた息子・柾樹を見て驚く。
「父さん・・・」
―柾樹
「父さんと呼んでくれるのか?」
―政良
その話を聞いたカツノは、自分は許すことは出来ないと政良に会うことを頑なに拒絶する。その直後、カツノは倒れ病床に伏せる。
カツノの死期が近いと感じた環は、夏美と柾樹の結納を近々行うと言い出す。急な話に夏美の両親は戸惑うが、横浜で行われた結納は無事に終わる。
「夏美さんには、
若女将になってもらいます」
―環
そのあと開かれた両家の会食も和やかに進んでいたのだが、加賀美屋の跡継ぎの話になって列席者の雰囲気が悪くなる。
しかしその時、環が夏美を若女将にし、そして柾樹がゆくゆくは加賀美屋を継ぐことも公表する。
盛岡に戻った伸一は、柾樹が旅館を継ぐと、環が宣言したことに、ショックを隠せずにいる。
結婚、
そしてお別れ
エピソード12
バラバラになりかけた家族を救ったのは病床のカツノだった。伸一に自分の持つ加賀美屋の50%の株券すべてを手渡し、お前の力がなければ家族は団結できないと訴える。
夕食の後、伸一は旅館は柾樹が継ぐことに納得し、家族全員で加賀美屋のために協力すると言う。
夏美と柾樹の結婚式が、当日を迎える。
そんな中、カツノの容態が急変する。そこへ突然、政良が現れ、カツノと親子の再会を果たす。カツノの大きな心残りを察しての平治の計らいであった。
「今日から若女将として、
この加賀美屋の名に恥じないように
精いっぱい務めさせて頂くつもりです。
よろしくお願いいたします。」
―夏美
環に加賀美屋女将に代々伝わる玉手箱の秘密を語るカツノ。玉手箱の中にマニュアルや秘伝書などが一切ないのは、いかなる問題が起きても、それは女将自身で道を切り開くべきとの教えであった。
披露宴が終わり、カツノの元にやって来る夏美と柾樹。しかし、カツノは平治と政良に看取られて既に息を引き取っていた。
ハゲタカに狙われる老舗旅館
エピソード13
カツノが亡くなった悲しみを乗り越え、若女将として夏美は毎日仕事に励んでいた。
伸一は加賀美家を柾樹に譲ったとはいえ、次々と成果をあげる柾樹に負い目を感じ酒に溺れる。そして、酒場で馴れ馴れしく近づいて来た秋山という男と意気投合する。
「俺はこの秋山さんと一緒に、
加賀美屋の将来のために、
やっぱりこの加賀美屋を俺の思い描いていた
高級リゾートホテルに建て替えたいんだ。」
―伸一
柾樹は秋山が乗っ取り屋だということを調べ上げ、環は融資を断れと伸一に命じるが時すでに遅く、加賀美家の株は秋山に渡ってしまっていた。
「加賀美屋は一番大事なものは
失ってはいません。
180年もの間伝えられた、
この加賀美屋のおもてなしの心です」
―夏美
伸一は謝るが、納得できないで落ち込む家族たち。
そこで夏美は、互いを思いやる気持ちが家族にある限り大丈夫だと鼓舞する。
夏美や環は窮状を訴えて説得を試みるが、仲居や板前たちは条件の良い職場に移ると言って加賀美屋を去る。
この危機を家族一丸となって、加賀美屋を守り、困難を乗り切ろうとみんなを鼓舞する環。
そのころ万策尽きた加賀美屋では、環が秋山の提案を受け入れようとしていた、まさにその時、夏美が加賀美屋に戻って来る。一週間あれば加賀美屋を立て直してみせると言って秋山に猶予をもらう。
新たな出発
エピソード14
さまざまな危機が加賀美家を襲う中、彩華らが助っ人として駆けつけ、さらに常連客が応援を買って出る。ところが突然、秋山の部下たちが現れて営業の即刻中止を宣告する。
そんな時、茶番劇はこれまでだと秋山が割り込み、自分が持つ加賀美屋株5%があれば環たちの経営権は剥奪できないと、一転、加賀美屋の味方につく。
事態が好転する可能性を感じた柾樹は買収を仕掛ける外資グループと交渉をはじめ、ついに加賀美屋乗っ取りの危機は回避されることに。
環は、加賀美屋の名に恥じないよう誠心誠意務めに励むことを、夏美たちと一緒に誓う。
亡き母の思い出の場所、一本桜にやって来る夏美と柾樹。夏美の女将修業はまだまだ始まったばかり。
浅倉夏美(柾樹の婚約者)
比嘉愛未
浅倉啓吾(夏美の父、パティシエ)
大杉漣
加賀美柾樹(夏美の婚約者)
内田朝陽
加賀美カツノ(加賀美屋七代目大女将、柾樹の祖母)
草笛光子
加賀美環(加賀美屋九代目女将、柾樹の叔母)
宮本信子
加賀美伸一(環の長男)
東幹久
岩本裕二郎(喫茶店マスター兼下宿屋の大家)
吹越満
佐々木平治(南部鉄器職人)
長門裕之
加賀美恵美子(伸一の妻)
雛形あきこ
田辺雅宏(旅行雑誌の調査員)
温水洋一
石川政良(柾樹の父)
奥田瑛二
秋山譲二(外資系の乗っ取り屋)
石原良純
浅倉房子(夏美の母)
森昌子
浅倉智也(夏美の弟)
神木隆之介
加賀美俊江(加賀美屋八代目女将、柾樹の母親)
中江有里
加賀美久則(加賀美屋社長、環の夫、カツノの次男)
鈴木正幸
小野時江(仲居頭)
あき竹城
吉田松太郎(加賀美屋の常連客)
山本圭
斎藤愛子(経済評論家)
とよた真帆
斎藤翼(愛子の息子)
川口翔平
岸本聡(平治の弟子)
渡邉邦門
加賀美浩司(板前、環の次男)
蟹江一平
原田彩華(仲居、女将候補、浩司の交際相手)
白石美帆
篠田誠(板長)
草見潤平
喜寿の宴席の仰々しさに面食らう夏美
総集編 第1部 わたし女将(おかみ)になります
夏美に結婚は無かったことと切り出す柾樹
総集編 第1部 わたし女将(おかみ)になります
夏美の仲居修業を認めるカツノ
総集編 第1部 わたし女将(おかみ)になります
夏美に感謝する吉田
総集編 第1部 わたし女将(おかみ)になります
ラジオ局のマイクに向かって語りかけるジュンソ
総集編 第1部 わたし女将(おかみ)になります
両親の説得
総集編 第1部 わたし女将(おかみ)になります
夏美を責める愛子
総集編 第1部 わたし女将(おかみ)になります
処分もない夏美は仲居たちに責められる
総集編 第1部 わたし女将(おかみ)になります
一心不乱にケーキを作る夏美
総集編 第2部 中途半端じゃ終われない
ブルーベリー入りのケーキを作る
総集編 第2部 中途半端じゃ終われない
代々女将が引き継ぐ玉手箱を環に渡すカツノ
総集編 第2部 中途半端じゃ終われない
板場のしきたりを破った夏美
総集編 第2部 中途半端じゃ終われない
夏美、田辺に岩手山の美しさを語る
総集編 第2部 中途半端じゃ終われない
家族全員で加賀美屋の危機を乗り切る
総集編 第2部 中途半端じゃ終われない
父と和解する柾樹
総集編 第3部 家族の和
結婚式が厳かに始まる
総集編 第3部 家族の和
伸一、秋山と契約を結ぶ
総集編 第3部 家族の和
脳梗塞で啓吾が倒れる
総集編 第3部 家族の和
今日一日だけの猶予を乞う環
総集編 第3部 家族の和
新生“賀美屋”
総集編 第3部 家族の和
連続テレビ小説『どんど晴れ』に主演!
比嘉愛未さんが当時の心境やNHK出演作品での思い出を語る
オーディションを受けたのがハタチでオンエアが始まったのが21歳のときでした。芝居のオーディションは沖縄にいたときに一度だけ受けさせていただきましたが、モデルをしていたので、上京してからお芝居のオーディションを受けることは初めてでした。上京する際に親から、女優として芽が出るまでに一年だけ猶予をもらえたので、「これが決まらなかったら帰らなきゃ」と願いを込めて受けたんです。でもすごく力んで受けたわけではなく、むしろ東京でこんな大きなオーディションの機会をいただけたことが嬉しかった。お芝居もほぼ未経験で、なにも知らないからこそ、突進することができたのだと思います。あとから『どんど晴れ』のプロデューサーの方にお聞きしたのは、私があまりにも沖縄なまり全開であっけらかんとしていて新鮮だったということでした。それが傍から見ると夏美にリンクするところがあったそうです。なにも知らない女の子が女性として一人前に成長していくことを見守るのが“朝ドラ”のルーツだともおっしゃっていただきました。本作で知り合った監督さんやスタッフの方々は今も仲良くさせていただいていて、私をこの世界に導いてくださった恩人だと思っています。
加賀美屋を初めて訪れた夏美は素手で鶏を捕まえ、周囲を驚かせる
当時は役作りなんて考えられないくらい、その場に立ってセリフを言うことだけで精一杯でした。でも一番大変だったことは体調管理です。私が倒れたらすべてがストップするという責任感、重圧感がありました。食堂で食べるだけでは栄養が偏ってしまうので、自分で野菜スープを大量に作って持参していました。当時は“朝ドラ”のヒロインには楽屋がなかったので、私は皆さんが見えるカウンターの角を陣取って、スープを入れたポットを置いて、台本を5冊くらい広げて毎朝「おはよう」と、前を通る皆さんにあいさつをしていました。あえて共演者やスタッフの皆さんと離れないように楽屋がなかったのでしょうね。いつも誰かが気にかけてくれる距離感でもあり、スタジオの前室からは少し離れているので、ひとりにもなれる絶妙な場所で、皆さんが見守ってくれていることをいつも感じていました。
岩手ロケはたくさん思い出があるのですが、一本桜のある小岩井農場の景色は本当に一枚の絵のようで、嘘みたいに綺麗でした。物語の終盤、岩手で行われる“さんさ祭り”という大きなお祭りに加賀美屋の皆さんと参加するシーンがあるのですが、この撮影が一番印象に残っています。さんさ祭りは岩手の皆さんが大通りでさんさ踊りを踊るんです。そのときに地元の皆さんにはなにも言わずに加賀美屋のみんなでギリギリまで隠れていて、「今だ!」と言って途中から加わって撮影をしたんです。一発本番だったので、事前に踊りを練習して臨みましたが、皆さんがどう反応してくださるのか心配でした。でも地元の皆さん全員が盛り上がって迎えてくださって、岩手の方たちと一体になれた感じがしました。物語も後半でしたし、加賀美屋もひとつになって絆が深くなり、それをまた岩手の皆さんが包んでくださって、なんともいえない高揚感がありました。岩手が舞台で本当に良かった。撮影後にはうるま市・盛岡市友好大使としてご縁をいただけたのでとても幸せです。今も岩手に行くたびに「ただいま」と言いたくなる場所です。
小岩井農場 夏の一本桜
出演者たちがサプライズ参加した“さんさ踊り”
加賀美屋の大女将役の草笛光子さんとは親しくさせていただいて、二年前の初舞台も観に来てくださいました。お食事にも連れていってくださって、女優として大事なことを教わっています。草笛さんは周りには見せないですが努力家ですし、常に探究心があって前を向かれている方なので、本当にその生き方にあこがれています。私も草笛さんのような女優さんになりたい。長門裕之さんも大好きなので、亡くなられたときはショックでした。岩手では長門さんが行かれていた焼肉屋さんによく連れていっていただきました。長門さんが亡くなられてからそのお店に行ったときに大将が「長門さんが比嘉さんのことを褒めていてね。“あいつは大丈夫だ”と言っていたよ」とお聞きしたんです。私の前ではそんなことを言わない方だったので、よけいに気持ちが込み上げてきて泣いてしまいました。そういう素敵な先輩たちと出会えたこともあり、本当に『どんど晴れ』は私の宝物のような作品です。
加賀美屋の大女将・カツノ役の草笛光子さん
長門裕之さんは頑固な南部鉄器職人・平治を演じた
今考えても夏美は私だったと思います。頭で考えるのではなく、感じたままに心のままに動いてしまう。そんなところがすごく似ているなと。夏美役でなかったら私は選ばれていなかったでしょうし、夏美はほかの人に演じてほしくないほど思い入れが強いんです。運命の引き寄せなのか、夏美がいたからこそ私の役者人生がスタートしたと思っています。今も心が折れそうになったときやパワーがほしいときは『どんど晴れ』を見返して「ここから頑張ってきたんだ。私はもっとやれる!」と思うようにしています。『どんど晴れ』はこの先一生、くじけそうになったときに必ず立ち返る作品ですし、私の原点だと思っています。
夏美は柾樹と結婚、若女将として加賀美屋を支えてゆく
上杉景勝に仕えた上杉家の家老・直江兼続。“愛”の兜で知られる兼続の生涯を描いた作品。比嘉さんは、北村一輝さん演じる上杉景勝の正室・菊姫を演じた。
大河ドラマは格式がありますし、出演されている方が皆さん主役クラスで、とても緊張しました。菊姫については実在された方なので、しっかり調べて、本人に失礼がないように芯を持って演じないといけないと思いました。お墓にも行かせていただき、勉強もして、準備をしっかりしてから挑みました。それでも撮影に入ると独特の緊張感に押しつぶされそうで毎回、手が震えていました。菊姫は殿の正室なので、妻夫木聡さんや常盤貴子さん、周りの皆さんが「ははーっ」とひれふすような役なんです。ひれふされるたびに「ウソでしょ?」と思って恐れ多かったですね。でも皆さんすごく優しくて、不慣れな私をケアしてくださいました。心強かったのは『どんど晴れ』のカメラマンさんや照明さん、プロデューサーさん、脚本家の方も同じで、まさに“朝ドラチーム”だったんです。そんな気心知れた方たちがいらしたからこそ、大河ドラマという作品にも思い切って踏み込めたのだと思います。
武田信玄の娘・菊姫にとって上杉は宿敵
兼続(妻夫木聡さん)らの優しさにふれ、心を開いてゆく
心晴れ晴れ、老舗旅館の女将修業
文/ペリー荻野
横浜育ちの見習いパティシエ夏美(比嘉愛未)は婚約者の柾樹(内田朝陽)に「あたし、女将になる!」と宣言。彼の実家である盛岡の老舗旅館「加賀美屋」でともに働く決意をする。しかし、女将への道は苦難の連続。しかも、柾樹の叔母で女将の環(宮本信子)は若女将候補彩華(白石美帆)をたてて対抗する。そんなとき、旅館の取材調査員が宿泊するとの情報が。調査員の評価で夏美と彩華の勝負に決着がつくのか?
前向きで明るいヒロイン、強力なライバル、個性的なゲスト、さまざまな事件、ほろりとくる解決と、朝ドラの王道要素たっぷり。ひたむきな比嘉の演技は夏美そのもの。凛として美しい大女将(草笛光子)、南部鉄器の熟練職人(長門裕之)、夏美の両親(大杉漣、森昌子)らベテラン陣が、夏美にむけるまなざしもとても優しい。
皆の心がひとつになった加賀美屋だが、なんと外資系企業に乗っ取られる大ピンチに。その危機を救うカギは、本物のおもてなしの心だった。「どんど晴れ」とは、めでたしめでたしの意味。四季折々美しい岩手山の景色とともに心晴れ晴れ、まさに“どんど晴れ”なドラマである。
横浜にある実家のケーキ屋でパティシエ見習いをしていたヒロイン・夏美(比嘉愛未)が、婚約者・柾樹(内田朝陽)の生家で盛岡の老舗旅館「加賀美屋」に飛び込み、女将修業をしながら伝統と格式のなかで成長する姿を描いた。
ドラマの舞台となった岩手県。物語にはその魅力が随所にちりばめられていた。登場人物たちがヒロインと重ねて見ることになる“座敷童”は、民話に伝わる人々に幸福をもたらす存在。また、タイトルの『どんど晴れ』は遠野の民話の最後を締めくくる言葉と、岩手の晴れ渡った空をかけたものだった。
ドラマでは、岩手出身の作家・宮沢賢治ファンのマスターが営む喫茶店「イーハトーブ」や、宮沢作品を絡めたエピソードも登場。伝統工芸品として知られる南部鉄器の工房が描かれるなど、岩手の魅力が満載!
「加賀美屋」のセットにも、南部鉄器と並ぶ岩手の郷土品・岩谷堂たんすが調度品として置かれていたほか、旅館と母屋をつなぐ渡り廊下には、地域色を出すために岩手でよく見られるなまこ壁も取り入れられていた。
大女将・カツノ(草笛光子さん)は夏美に“座敷童”の姿を見る
“座敷童”は家に富と幸福をもたらすと伝えられる
南部鉄器職人・平治(長門裕之さん)
老舗旅館 加賀美屋
なまこ壁
岩手を代表する観光地や景勝地でもロケが行われた。夏美と柾樹が幾度となく訪れる思い出の一本桜は、県外からも多くの人々が訪れる観光スポット。岩手山をバックに咲くその凜とした姿はドラマのオープニング映像でも見ることができた。
また、民話の郷・遠野も舞台地として登場。5月末から6月初旬に行われたロケでは、美しい風景のなか、夏美がカッパ淵に落ちるシーンなどが撮影された。ロケ中は東京に比べて気温も低く、そんな中で唇を紫にしながら体当たりの演技を見せた比嘉さん。演出を担当した木村隆文ディレクター(当時)は、「彼女は海と山に囲まれた沖縄の自然のなかで育った方ということもあり、ロケ先ではどこかホッとしたような表情をされていますね。やはり、自然の風景はパワーが大きいですから、役者としても違う面が出せるのではないかと思います」と彼女の様子を語っていた。
ドラマのクライマックスでは、毎年8月に開かれるご当地のお祭り「盛岡さんさ踊り」も200人のエキストラで再現された。撮影は10月に行われたため、気温10度を下回るなか、ヒロインをはじめとする登場人物たちが揃いの浴衣姿で参加した。
遠野を訪ねた夏美はカッパ淵に落ちて…
夏美と柾樹を見守る“一本桜”
夏美が心をこめてもてなした「加賀美屋」のお客さまたち。彼らを演じたのは、豪華なゲスト出演者だった。なかでも話題となったのは、韓流スターのジュンソを演じたリュ・シウォンさんの出演。収録現場では出演者の誰もがリュさんの優しい笑顔と気づかいに魅了されることに! とくに共演した女優さんたちは、少女のように頬を赤くしながらリュさんと接していた。
リュさんご本人はといえば、『どんど晴れ』が日本の連続ドラマ初出演作。セリフの大半が日本語だったために苦労もしたという。しかし「実はセリフを覚えるのが大変だった」と言いつつも「普段の生活のなかで時間を見つけては日本語を勉強していることもあり、今では日本語で話されることの70%ほどの意味を理解できるようになっています」と明かしている。また、ヒロインの夏美については「韓国の女性とは感情表現も人との接し方も違うが、純粋で澄んだ魅力の持ち主」とその印象を語っていた。
前の5件へ
次の5件へ
アカイ
投稿日:2017年5月16日
4884
trmtg
投稿日:2016年12月8日
4478
草笛光子
投稿日:2015年7月11日
2783
前の5件へ
次の5件へ
NHKネットクラブにログイン
初めての方はこちら NHKアーカイブスポータル会員特典ページ
閉じる