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【社会】

小学英語教科書、初の検定 文科省 早期教育が本格化

 文部科学省は二十六日、二〇二〇年度から使用される小学校の教科書の検定結果を公表した。一七年に告示された新学習指導要領に基づく初めての検定。五、六年生で英語が正式な教科となり、初めての教科書ができる。グローバル化に対応する人材を育てるとして「話す」「聞く」を重視した早期からの英語教育が本格化する。 

 文科省によると、英語教科書は七社から七点(十五冊)申請され、すべて合格した。検定意見は計百四十三件付き、中でも「学習指導要領に合っていない」との意見は三十三件で、全教科で最多。新指導要領は「聞く、読む、話す(やりとり、発表)、書く」の四技能五領域を学ばせるよう定めており、検定では、各単元がどの技能の習得を目指すのか、教科書に明示するよう求める意見が多くあった。

 正確な発音やリスニング力を付けるため、全点がスマートフォンやタブレット端末などで音声や画像につながるQRコードを掲載。子どもが家庭でも音声を聞いて、発音を確認できるようにした。

 社会では、新指導要領に、小学校としては初めて北方領土、竹島(島根県)、尖閣諸島(沖縄県)を日本の「固有の領土」と教えることが定められたのを受け、五、六年用の教科書と地図帳の計八点全てが明記した。

 一八年に前倒しで教科化された道徳の教科書では、二年前の検定で、郷土愛を学ぶには不十分と意見が付いて設定を「パン屋」から「和菓子屋」に修正し、話題となった題材が姿を消した。著名人では、卓球の平野美宇選手や競泳の池江璃花子選手、将棋の藤井聡太七段らが登場。池江選手は英語でも取り上げられた。

 全体的に教科書のサイズが大型化。前回検定時は大学ノートサイズ(B5判)が六割超だったが、幅が約三センチ広いAB判が最多に。さらに縦が四センチ長いA4判も増えた。

 今回の検定では、十一教科百六十四点の申請があり、全て合格した。

 

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