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【ドラニュース】

今年のドラゴンズはまさか5位!? AIと井上一樹さん順位予想対決

2019年3月27日 紙面から

予想順位を示す本紙評論家・井上一樹さん(右)とグラッドキューブの金島弘樹社長=大阪市中央区で(川北真三撮影)

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 29日に開幕するプロ野球。新生・与田竜の戦いがいよいよ始まります。新たな船出に際し、恒例の順位予想にも新機軸。巷(ちまた)で話題の人工知能(AI)を初めて投入しました。導かれた中日の予想は…昨年と同じ5位。これには、巻き返しを期待する本紙評論家が黙っていません。井上一樹さんがAI予想の運営元を直撃しました。  (構成・古居宣寿)

 井上さんが訪ねたのは、大阪市中央区にあるITベンチャーのグラッドキューブ(金島弘樹社長)。スポーツサイト「SPAIA(スパイア)」を運営し、プロ野球やJリーグのAI予想を配信しています。

 井上「スマホや車のナビにも使われているAI。最近よく耳にしますが、この最先端技術を使ってプロ野球の結果を予想している、とうかがいました」

 金島「はい、スポーツの新たな見方や魅力を探るといった狙いから、独自に開発したAIを使って試合の勝利予想をしています。過去2年間の経験を踏まえて、ことしは初めて順位予想に挑戦してみました」

 井上「私たち評論家が毎年頭を悩ませる順位予想。それをコンピューターでやる時代がついに来ましたか…。順位も気になるところですが、まずは仕組み。一体、どうやって予想するんですか?」

 金島「今回、私たちが使っているのは時系列のAIです。毎日のように試合のあるプロ野球では、その時々で好調な選手もいれば、不調になっていく選手もいる。球場や天候によっても、さまざまな偏りがある。そうしたデータを積み上げて、AIに学習させていきます」

 井上「その選手がどれだけ頑張れるか、チームになった時にはどうか、という感じですか? ただ、それぞれの選手は持っている能力は違いますよね」

 金島「もちろん、実績にかかわる面は重要です。WAR(=勝利貢献度)など野球統計学に基づく評価や分析のデータを入れ、今春のオープン戦の内容も活用しています。面白いところでは、推定年俸もデータとして入れてみました。例えば前年から上がっていれば、それだけ力もつけてきている、という見方です。さらに1年間のスケジュールを踏まえて、投手や野手の先発をつくってみました。選手にとって故障はつきものですが、そのあたりも過去のデータから傾向などを反映しています」

 井上「カギになるのは、やはり先発投手ですか?」

 金島「あくまでAIの考えることですが、おそらくかなりのウエートを占めていると思います」

 井上「で、出てきた順位は?」

 金島「正直、私自身が結果を見て驚いたんですが、阪神が4位でした(笑)。中日は5位。AIは広島の4連覇を予想しました」

 井上「そうなんですよ、評論家の予想では阪神と中日は低めで…。でも、私はちょっと違います。優勝は巨人で、以下は広島、中日、DeNA、阪神、ヤクルトの順。中日は3位です」

 金島「7年ぶりのAクラスですね!」

 井上「正直、3位か4位か迷ったんですが(笑)。与田監督になって、生まれ変わったチームには頑張ってほしい。そんな期待値もプラスしました。でも、やっぱりセンターラインが弱いかな。ショートの京田、センターの大島は守っても、打つ方でも働いてくれると思うんですが、キャッチャー、セカンドはどうか。投手陣にしてもかつての王国からは久しく遠ざかって、一気に改善するとは思えません。広島などに比べると選手層も厳しいですし、全体として不安材料は多いです」

 金島「AIは本拠地・ナゴヤドームのデータにも注目しているようです。広くて本塁打が出にくいということは、打率が高い選手が複数いても点にはつながりにくい。首位打者のビシエド選手を筆頭にアルモンテ選手、平田選手、さらに昨年飛躍した高橋選手と期待できる野手はいるんですが、連打はそうそう望めません」

 

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