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(源)なにわタクシーさんが50ケース買ってくれるって!
(萬平)その50ケースは本当に求められて売れたまんぷくヌードルだ。
(神部)はい。将来につながる 50ケースだぞ。
(福子)いや ほんまに よかった 萬平さん。
ああ。
♪「丸まってる背中に もらい泣き」
♪「恥じだって一緒に」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「飛行機雲ぼんやり眺む」
♪「心ここに在らず」
♪「年間トータル もししたら」
♪「付き合うあたしすごい?」
♪「とぼけてる眉毛に もらい笑い」
♪「照れだってなんだって」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「もらい泣き もらい笑い もらい怒り」
♪「もらいっ恥じ どんと来い!」
♪「晴天も曇天も霹靂も」
♪「さあ あなたとトゥラッタッタ♪」
営業部と開発部が一緒になってよく売ってくれてる。
特販ルートでの売り上げは上々だ。
どこでも まんぷくヌードルの評判はすごくいいって源が言うてました。
(鈴)それやのにスーパーでは売らないの?
まだ無理ですね。
今は まんぷくヌードルの価値を分かってくれてる人に届けてるから100円で売れてるけどスーパーや小売店ではそういうわけにはいかないのよ。ごちそうさま。
今 お茶を。ああ ありがとう。
今だけ値引きして売れたら 100円に戻したら?
いっぺん安く出したものをそう簡単に高くはできません。
そうよねえ。幸は まだ起きてこないのか。
今日は 2限目からなんですって。
はあ… ゆうべも遅かったんだろ。
ええやない 若いんやから。
最近 幸は 何かにつけて反抗的だ。
いつか厳しく言っておかなきゃな。
やめてよ 私のかわいい孫に。
そういう溺愛は よくありませんよお義母さん。
正すべきところは ビシッと正さないと。
社会に出たらいつまでも甘えてはいられないんです。
真夜中に働いてる人だってたくさんいるんですから。
さっちゃんにそんな仕事はさせられません。
夜中に働けっていうの?萬平さん。
いや ホテルに就職したらそうなるかもしれません。
さっちゃんは ホテルで働きたいって言うてるの? 福子。
夜中に働いてる人…。
萬平さんは さっちゃんとそんな話 したことないでしょ。
どうやの 福子。
一晩中やってるお店があればまんぷくヌードルは 100円で売れるかも。
えっ?ん?
夜中に働いてる人がまんぷくヌードルを買えるお店です。
そんなお店が どこにあるのよ。
あったとしても 1軒か2軒じゃ売り上げは たかが知れてるしな。
せやけどいつまでも源や岡さんたちを一晩中 営業させるわけにはいかないでしょう。
うん まあ それはそうだが。
すみません 余計なこと言うて。
怒ってらっしゃるんですか。
夜中にやってる店…。
そうだ!
ありがとう 福子。 行ってくる。
(ドアの開閉音)へっ?
あ~あ 何が ありがとうなんやろ。 幸。
(幸)おはよう。今 起きてきたのよ。
何 お父さんと顔合わせたくなかったの?
そやかて うるさいんやもん。さっちゃん 卵焼きでいいわよね。
ありがとう おばあちゃん。
大学は ちゃんと卒業するし就職もします。
少しくらい帰りが遅いからってそんなの放っておいてほしいわ。
いざとなって まんぷく食品に入りたいって言うたって…。
入りません。就職先は自分で探すから大丈夫。
私は 自立した女になるの。あっ! ウーマンリブ。
そう。私には よう分からへんわ。
価値観が違うのよ。
お父さんやお母さんの世代と私たちの世代は。
そしたら 私は どうなるの。
おばあちゃんのことは好きよ。
本当に?うん 大好き。
う~ん そしたら ええわ。
(幸)ありがとう。
せやけど さっちゃんには できたらはよう結婚してほしいわ。
私は 長生きできないかもしれないから。また おばあちゃん。
お母さんは 病気も治ってすっかり元気になったんでしょ。
全然 老け込んでないよ。せやから もう そんな話はやめて。
そやけどね…。
自立したいいう気持ちは立派やと思うわよ。
せやけど…。夢で 咲が…。
お父さんと お兄ちゃん今は大変な時なんやから。
分かってる。こっちに おいでって。
咲姉ちゃんそんなこと言うわけないでしょう。
(世良)自動販売機?ええ そうです。
自動販売機なら 夜中でもまんぷくヌードルを売ることができます。
しかも 100円という値段を変えずに。
(真一)なるほど。その手があったか。
確かに ええ考えや。ええと思います 自動販売機。
(岡)わしも大賛成です。(森本)だったら お湯が出てその場で食べられる自動販売機にした方がいいですね。
箸もつけてな。あっ いや 箸は駄目です。何でや。
消費者からまんぷくヌードルを箸で食べたら底に穴が開いたという苦情が来てます。それは カップの構造上の問題やないか。
ああ カップの底は既に改良しました。
そもそも 箸よりも フォークの方がええという意見もあります。
自動販売機につけるんやったら 短めのプラスチックのフォークの方がええと思います。
分かった。 じゃあ フォークにしよう。
せやけど 自動販売機を置くとなったら相当な数 作らなあかんど。
といっても 地方の町に置いても補充する社員がいませんからね。
まずは 大阪に1,000台東京に2,000台設置しよう。
それから2週間がたちました。
(アキラ)なるほど。自動販売機っちゅうのは ええ手やな。
(しのぶ)うまいこと考えたわ。
もうすぐ試作品が完成するそうです。
(敏子)自動販売機が 自分でまんぷくヌードルにお湯を入れてくれるの?
いや~ そこまでは…。(ハナ)まんぷくヌードルを買うて自分で蓋を開けてお湯の注ぎ口みたいな所に置くんでしょ。
多分 そうやと思う。寒い冬の夜にはあったかい まんぷくヌードルをすするっちゅうのは最高やで。
100円の価値は 十分にある。
それにや 自動販売機で あったかいもんが食べれるっちゅうのも こら画期的やで。
ほんまに どこでも食べられるんやね。すごい商品やわ。
ありがとう マスター ママさん。せやけど…。
そやけど 何?自動販売機を置いても正直ね 工場を建ててまで作ったほどは売れないと思うの。
確かに そやね。せやから 私 もう ず~っと考えてるんよ。
食器いらずで 手軽でどこでも食べられる。
それは 確かに画期的なことやけどほかに何かないんかて。
ほかに何か?
それは お客さんに訴えかけるキャッチフレーズみたいなもん?
いや~ そういうもんでもないような…。
そやから 何?いや せやから それが分からへんのよ。
スーパーでね 売り込んでみたり外を こう まんぷくヌードルをこう食べながら… 歩いてみたり。
食べながら!?せやけどただただ恥ずかしかっただけやった。
ん~ 福ちゃんに分からんのやったら僕らには分からんな。
ごめんなさい 変なこと言って。
コーヒー 下さい。
あっ 私も。そしたら 私も。
よかった。コーヒー 頼んでくれたで。
助かるわ。 まんぷくヌードルだけやったらうち 儲けないねん。
コーヒー スリー!
ユー ユー ユー アー コーヒー。オッケー。
せやけど 無理してわざわざ この まんぷくヌードルをメニューに加えんでもいいんですよマスター。
いや そういうわけにはいかんで。私らも宣伝に 一役買いたいんよ。
なんて ええ人たちやの。商売上手やとは言えんけど。
ありがたいわ。
(恵)まんぷくヌードル大好き。
(牧)あれは うまいよ 福ちゃん。
ありがとう。(野呂)悔しいけど 僕でも作れん味や。
(好美)あれがお湯を注ぐだけで出来るんやから私 萬平さんは天才やと思うわ。いや 天才やなんて…。
苦労して作ったんよ ほんまに。
しかし あれが売れないとはな。
確かに 100円は安くはないけど。
ねえ おいしさと手軽さ以外に何があると思う? まんぷくヌードルには。
何が?何がって何?
せやから 魅力いうか 新しさいうか。
十分 新しいやない。新しすぎるよ。
うちの患者さんで まんぷくヌードルをそのまま お湯の中に入れて煮込んだ人がいた。
3分たって蓋を開けてもかたいままやって怒ってた。
ああ… え~。それは その人が おかしいわ。
お年寄りなんやないですか。確かに そのとおり。
僕が言いたいのは古い世代には理解できん人がおるほどまんぷくヌードルは 新しいいうことです。
そんな答えで どうでしょう 福ちゃん。えっ。
何の解決にもなっとらん。そうよ。
いや~… いやいや いやいや…古い世代…。
(克子)アピール言われても。
いろんな人に聞いて回ってるのよ。
食器いらずで 手軽でどこでも食べられる以外のアピールよ。
(忠彦)それは もう萬平君が 十分 考えたんやないか。
せやけど 作った当事者やないからこそ見えるものがあるかもしれないでしょう。
(吉乃)アピール…。うん アピール。
おいしい。当たり前や!
(タカ)便利。それも もうある。
まんぷくヌードルやけどこれだけやったら満腹にはならん。
それは アピールにはなってない。
何かあると思うのよ。 萬平さんが作ったこの まんぷくヌードルには作った本人も気付いてない底知れない魅力があると思うの。
ただいま。
あれ?
お母さん。
お母さん。 何してるの。
さっき ウトウトしてたらね咲が夢枕に立ったの。
また?
今度は どんな話をしたの。
それがね…。
(咲)お母さん… お母さん…。
何してるの 咲。
(咲)お料理。 お母さんの好きなお煮しめ作ってるの。
咲… そんな姿見せられたら私 泣けてくるわ。
どうしてよ。
私には 分かってるの。あなたは もういないって。
(鈴)あんなに早くに亡くなってしまってたくさん 悔いが残ってるでしょう。
そんなことないわよ。
最後に みんなに…ありがとうって 言えたもの。
♪~
咲…。
そう。 後悔はないって言うたのね咲姉ちゃん。
最後に みんなにありがとうって言えたからって。
ありがとう…。
私 決めた!
お葬式を挙げます。
はっ?前に 新聞で読んだの。
死ぬ前に 自分でお葬式を挙げた人がいたって。
ちょ ちょ… ちょっと待って お母さん。
生きているうちに みんなにありがとうって言いたいのよ。
えっ えっ… え~。


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