ハリー・ポッターと祈りの聖杯   作:塚山知良
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ずっと待っていた―――。それは月だけが知る邂逅、“運命の夜”。


賢者の石編
一章『運命の夜』


 イングランド南部ウィルトシャー州の鬱蒼と樹々が多い茂る森の中に、その屋敷はひっそりと佇んでいた。かつては風格ある豪奢な造りをしていたことを思わせる屋敷は、今は見る影もなく至る箇所が傷みきり古びた外装が曝け出されている。

 一見するばお化け屋敷と見紛うような場所に、ひとりの少女が住んでいた。少女の名はコレット・ルベインアンツ。ベッドとサイドチェスト、クローゼットしか配置されていない簡素な一室を自室としている彼女は、太陽が中天に昇りつつあるにも関わらず今も尚ベッドの上で夢の世界を旅していた。

 窓側に寝返りを打ったコレットの顔に日光が差し掛かった。眩しさに眉間に皺を寄せるものの、唸り声を小さくあげるだけで覚醒には至らなかった。

 もう一度寝返りを打ち、最も心地よいベストポジションを確保する。ミノムシのように毛布に包まったところで、コレットは絶叫した。

 

 「あああああああ!」

 

 先ほどまでの寝汚さはどこへやら、コレットは勢いよくベッドから飛び起きると、ぼさぼさの髪や見事な皺を飾り付けた寝間着のワンピースなど気にすることなく走り出した。

 

 「ちょっとセイバー!なんで起こして―――」

 

 食堂に辿り着いたコレットは、そこを第二の根城としている人物―――セイバーに抗議の声を上げる―――筈だった。しかしそこにはセイバーはいない。代わりに視界に飛び込んできたのは、染み一つないまっさらなテーブルクロスが掛けられたロングテーブルの端にちょこんと配膳された出来立ての朝食であった。

 トマトソースのかかったふわふわのオムレツに、こんがりと焼けた2本のソーセージ。それにミニトマトやレタスなど瑞々しい野菜が盛り付けられている。極めつけに焼きたてらしいバケットの香ばしい香りがコレットの鼻腔を擽り、腹の虫を鳴かせたところで食堂と調理場を繋ぐドアが開かれた。

 

 「やあ、おはよう―――いや、もうこんにちはの時間かな?”随分とお早い起床”じゃないか」

 

 にこやかな笑みを顔に張り付けて、セイバーはコレットを出迎えた。白のYシャツに黒のベストを卒なく着こなしている彼はその腰に黒のロングエプロンを巻いている。その様相から、テーブルに置いてある朝食は彼が用意したことが伺えた。

 セイバーが懐から取り出した白い杖を調理場に向けてひょいと振ると、ティーポットとティーカップ、ミルクに角砂糖が宙を浮きながら列をなしてやってきた。テーブルの上に音を立てず静かに着地すると、ポットはカップに紅茶を注ぎだし、それが終われば今度はコレットの好み通りの匙加減で砂糖とミルクが混ざり合っていく。

 セイバーは着席を促すように椅子を引いた。無言の圧力を肌にひしひしと感じながらコレットは椅子に腰かけ、紅茶が注がれたカップを両手で持つとちびちびと飲み始めた。

 乾いた喉を熱い紅茶で潤し、次に綺麗に磨かれた銀製のスプーンとナイフを手に持つとオムレツの端を切り取り口に運ぶ。半熟に焼けた柔らかいオムレツに酸味のあるトマトソースがよくあっており、コレットは思わず「うま・・・」と声を零した。

 「口に合ったようで何よりだよ」セイバーは皮肉気に笑うと空になったカップに紅茶を注ぎ直す。その甲斐甲斐しさに、Saber(剣士)というよりButler(執事)だなとコレットは内心毒づいた。口に出さないのは、その悪口が100倍になって自身へ帰ってくることをこの一ヵ月の生活の中で身に染みて学んだからである。

 

 「(初めて会ったときは、こんな嫌味なヤツとは思わなかったのにっ・・・!)」

 

 ぼさぼさの髪と皺が寄った寝間着に、「僕、君のこと女の子と思ってたんだけど、とんだ勘違いだったみたいだ」と皮肉を零すセイバーを横目でじとりと睨みながら、コレットは一ヵ月前の出来事を思い出した。

 

 

 

 

 

 一ヵ月前のことである。コレットの曽祖父であり唯一の肉親であったエドワード・ルベインアンツがこの世を去った。

 暗雲が立ち込める陰鬱な日に、葬儀はひっそりと執り行われた。ルベインアンツ家は古い歴史や格式が存在するが他の魔法族との交流は非常に少ない。そんな中、ルベインアンツ家と懇意にあった数少ない魔法使いや魔女たちは幼いコレットに慰めの言葉を投げかけていたが、当のコレットは

 

 「あぁ、やっと死んだんだな」

 

 と、人知れず感慨にも似た感情を覚えていた。

 何故なら、エドワードはコレットに才能がない魔女としてぞんざいに扱い、死の間際まで”スクイブ”や”出来損ない”と罵り続けるほど嫌っていたからである。

 エドワードは日々没落の一途を辿るルベインアンツ家を憂う人物だった。ルベインアンツ家といえば、過去には錬金術を極めた名家として魔法界にその名を轟かせるほど有名な一族であった。

 ルベインアンツこそ錬金術の源泉であるとさえ豪語されるほど力ある家系であったが、いつの頃からか一族の血からは衰えを見せ始め、現代では魔法界の歴史の片隅に追いやられ”落ちぶれた錬金術師の一族”と笑われるようになったのである。

 それが我慢ならなかったエドワードは、唯一の後継者であるコレットを厳しく躾けようと躍起になった。だが、肝心のコレットには魔法の才能は皆無だったのである。

 コレットは初歩的な魔法でさえ発動させることが容易ではなかった。いくらエドワードが粘り強く指導しても上達の兆しは一向に見えず、寧ろ杖から発動した魔法が爆発する事故の方が多発するようになっていく始末であった。才能がないと断定したのは魔法を教え始めて一ヵ月も経たない頃で、エドワードは怒りをぶつけるようにコレットを罵倒し、狭い小部屋に押し込め、ひたすら分厚くかび臭い本と向き合わせ羽ペンを握らせた。

 唯一の救いだったのは、ルベインアンツ家に唯一仕える屋敷しもべ妖精のメントが陰ながらコレットを守っていたことである。メントはエドワードの隙をついてコレットを小部屋から連れ出しては森で遊ばせ、時には町でこっそり買ったお菓子を与えた。メントの存在がなければコレットの心は死んでいたに違いないだろう。

 メントに救われていたとはいえ、やはりコレットは自分の歩んできた人生は不遇と言えるものだった。だからこそエドワードがベッドの上で息を引き取った時には解放感が満ち溢れたし、葬儀の時には「早く終わればいい」とずっと思っていた。

 葬儀が終わった日の夜のことである。コレットはその日、人生で初めてふかふかの広いベッドで横になっていたせいか異様に目が冴えていた。何度寝返りを打っても枕に顔を埋めても睡魔が襲ってこない。ふと時計を見れば、午前0時20分を指し示していた。

 

 「(そうだ、展望台に行ってみよう)」

 

 単なる思い付きだったが、いざ真剣に考えてみるととてもわくわくすることだった。コレットは今まで自由に屋敷を歩いたことがない。中でも展望台は幼い頃から一度行ってみたいと思っていたのだが、エドワードが研究室代わりに使用していることもあり、扉に近づくことさえできなかったのである。

 ベッドの下に置いていた靴を履き、サイドチェストに置いていたランタンに明かりをつけて手に持つ。コレットはいそいそと展望台に向かった。

 ランタンの光はぼんやりと明るい光を放つものの、不気味なほどの静寂が横たわる長い廊下は今にもランタンの光を呑み込みそうなほど夜の闇で満ちていた。

 

 「屋敷内を勝手に出歩くなど恥を知れ!」

 

 廊下の壁に飾ってある絵画から声がした。顔を見ずともコレットにはその声の主がすぐに分かった。肖像画となったエドワードである。

 エドワードはコレットが屋敷の中を自由に出歩くことが気に入らないのか、絵画の中を次から次へと移動しながら罵声を浴びせた。

 

 「この”スクイブ”め!貴様が自由に出歩いて良い場所などここにはありはしないぞ!」

 「くそジジイこそ黙ったら?あんまり煩いと肖像画を屋根裏部屋に放り込むよ」

 

 生前ならいざ知らず、絵画から出られないエドワードなど怖くない。かの傍若無人な男が生きていた頃には言えなかった悪口をようやく言えたコレットは少しだけ気分がよくなった。

 展望台に続く階段を上る頃には、エドワードは諦めたのかついてこなくなっていた。コレットが重厚な両扉の片方を力いっぱい押すと、ギイ、と音を立てながら子供ひとりが通れる程度の隙間ができる。コレットはするりと部屋の内部へと入り込んだ。

 

 「すごい・・・」

 

 コレットは、頭上に広がる美しい景色をもっと鮮明に見るために手に持っていたランタンの明かりを消す。

 ドーム状に設計されたガラス張りの天井の向こう側には、コレットの想像を優に超えた星空が広がっていた。光を小さく砕いて散りばめたような星々は、黒一色の夜空を濃紺色に染め上げるほど明るく瞬いている。中央に鎮座する満月は月を溶かし込んだような黄金色を放ち、いっそう夜の空に際立っていた。

 

 「(わたし、こんな綺麗な星空を見ないで暮らしてたんだ・・・)」

 

 まるで今までの自分は世界と隔絶されて育っていたのだと暗に言われているような錯覚を覚えつつも、コレットは引き込まれるように星空を見続けた。すると、ふと足元に違和感を感じ視線をやる。そこには複雑な文様が刻まれており、月明りによってぼんやりとその姿を見せていた。

 

 「何これ・・・?」

 

 コレットは手に持っていたランタンの火を灯し直し、それを確認した。赤いペンキか何かで描かれたそれ―――魔法陣は、見たことのない文字や文様を複雑に組み合わせて構築されており、不気味な雰囲気を醸し出している。

 どこか引き寄せられるように、コレットはその場に膝をついておずおずと魔法陣に手を伸ばしてみる。

 ―――瞬間、魔法陣は禍々しい赤い閃光を迸らせ、強烈な突風を生み出した。

 

 「な、なにこれぇえええええ!?」

 

 閃光は稲妻のように部屋中を駆け巡り、突風はコレットの叫びをかき消すほどの轟音を放つ。コレットが手に持っていたランタンのガラスをいとも簡単に粉砕した風は、出口を求めるように天井へと上昇し続け、ついには天井のガラスを突き破った。

 耳を劈くような衝撃音に思わず耳をふさぐコレット。だが、彼女を襲ったのはそれだけではなかった。

 砕け散ったガラスのほとんどは細かく砕け散り大粒の雨のように降り注いでいた。しかし、いくつかのガラスはある程度の大きさを保ったまま砕けていたのだ。そしてそのガラスの一つが、今まさにコレットめがけて落下してきたのである。

 ガラスの破片が目に入らないよう薄く目を開けて天井を見上げていたコレットは、自身の置かれた状況を理解する。

 

 「(わたし、死ぬの?)」

 

 それを理解した途端、コレットの身体にある穴という穴から冷や汗が噴き出た。恐怖で足が竦み、その場から動けなくなる。迫り来るガラス片が、死神の鎌のように思えた。

 エドワードによって軟禁生活を強いられ人生を悲観していたコレットにとって、死とは逃げ道として常に存在していた選択肢であった。だが、死が眼前に降りかかろうとしてる今、それはコレットの中で今まで感じた子もないような途方もない恐怖に変化していた。

 

 「(誰か、助けて―――!)」

 

 助けを求める声が喉に張り付き、喘ぎ声だけが漏れる。コレットはせめてもの抵抗に瞼を強く瞑った。迫り来る死が何かの奇跡で来ないことを必死に願った。

 

 「やれやれ、とんだ出迎え方だね」

 「(え―――?)」

 

 どこからともなく聞こえてきた男の声に、コレットは半ば反射的に目を開いた。コレットの目に映ったのは、魔法陣の中央で杖を振り上げた男の姿だった。杖から噴射されるように放たれるそれは、コレットと男の頭上で薄い膜のように広がり降り注ぐガラス片を跡形もなく霧散させていた。

 霧散したガラス片は水飛沫のように床に降り積もり、月の光を受けて床を淡く輝かせる。死の恐怖から一変した幻想的な光景に、コレットは呆然とするしかなかった。

 男は右手に持っていた杖を懐にしまうと、ゆっくりとコレットの方へ視線を向けた。後ろに撫でつけられた黒髪に、銀の装飾を施した黒のチェスターコート。腰には細身の剣を指している。夜の闇に溶け込むようなその出で立ちとは裏腹に、コレットを見据える両眼だけは鈍い銀色を放っていた。

 

 「サーヴァント”セイバー”、召喚に応じ参上した」

 

 声は、静寂に突き刺さるように凛と響いた。

 

 「問おう。君が僕のマスターか」

 

 ―――問いかけに似た是非を許さないその言葉は、どこか騎士の誓いにも似ているようで。

 中天に昇る満月から降り立つようにやって来たセイバーに、コレットは柄にもなくこう思った。「きっとこの人は、わたしの願いを聞き届けて守ってくれた騎士なのだ」と。

 

 

 

 

 

 「ねえ、聞いてるのかい?君の頭の両脇についてるそれ、実は飾り物なんじゃないの?」

 「(あの時のわたしの感動を返せっ・・・!)」

 

 そして、今に至る。

 あの運命のような夜を明かしベッドからひと度起きだしてみると、既にセイバーは”コレットを守った騎士”ではなく”コレットを罵る使い魔”としてそこに存在していた。

 セイバーには記憶がない。彼曰く”正当な手順を踏んで召喚されるべきところを、突発的な事故のような形で呼び出された”らしく、その反動で自身の記憶のほとんどが消失してしまったというのだ。覚えていることといえば”セイバーのクラスに属するサーヴァント”ということぐらいで、その”セイバー”というのも名前ではなく役職のようなものであるらしく、コレットは便宜上彼を”セイバー”と呼ぶことにしている。

 何も知らぬまま魔法陣に触れたとはいえ、セイバーの記憶喪失の要因はコレットにある。その上命を救ってくれた恩義もあり、コレットはこの記憶を失った使い魔を保護することにした。

 ところがこの使い魔、あの夜に”主かどうか”を問うた割にはコレットを主として扱うことはなかった。主というより手のかかる子供として接しており、容赦なく毒舌を奮うのである。

 セイバーと暮らし始めて早一ヵ月。既にコレットは胃に穴が開きそうなほどの多大なストレスを受けていた。

 

 「大体女の子が寝起きのまま全力疾走するなんて常識ってものがないんじゃないの?思わず猪かなにか屋敷に紛れ込んだかと思ったよ」

 「うるっさいわねほんと!アンタは主を敬う敬意ってものがないの?!」

 「あるわけないでしょそんなもの。こんな手のかかる主なんて寧ろ願い下げだね。全くなんでこんな子供に召喚されたんだか、泣きたくなるよ」

 「こっちだってアンタみたいな口煩い使い魔なんてゴメンよ!」

 

 黙っていれば好青年、口を開けば毒舌家。その上セイバーの毒舌は全て的を射ており、コレットの反撃を許さない。二重の意味で屈辱であった。

 腹いせに反論にもならないような罵詈雑言をコレットはこれでもかというほど口にするが、セイバーはどこ吹く風と言わんばかりに聞き流し空いた食器を手早く片付けていく。

 

 「じゃあ、我儘な主の要望を叶えるために、口煩い使い魔は引っ込むとするよ」

 

 どこか意味ありげなニュアンスを含ませつつ、セイバーは調理場へと戻っていった。

 

 「っあー!もう!何なのよアイツ!」

 

 寝癖でぼさぼさになっている髪をさらにかき乱すコレット。彼女の心中は、一ヵ月前の自分を激しく後悔していた。

 ―――だが、コレットは一ヵ月前の自分より今の自分の姿を公開するべきだったと、後に思い知ることになる。

 

 「おいコレット!お前、今日の約束を忘れていないだろうな!」

 

 セイバーの嫌味よりももっと聞きたくなかった声がコレットの鼓膜を震わせた。そうだ、どうして今日は早起きしなければならなかったのか―――それを思い出す前に、食堂の扉は勢いよく開け放たれた。

 

 「お、お嬢さま!申し訳ございません!応接室にてお待ちいただけるようお願いしたのですが・・・」

 「屋敷しもべ妖精のくせに生意気だぞ!おいコレット、お前まだ―――」

 

 わが物顔で屋敷を闊歩してやってきた少年は顔をしかめた。反対に、コレットは石像の如く硬直した。

 少年の後方から今度は一組の男女がやってきた。品の良い服に身を包んでいるその男女は少年の両親であり、コレットの親戚にあたる―――いわば後見人のような存在である。

 

 「ドラコ、あまり大声を出すものではありませんよ―――あら」

 「母上、やっぱりコレットは覚えていませんでしたよ」

 

 ドラコと呼ばれた少年は、呆れたように鼻を鳴らした。対してその母親であるナルシッサは、「コレットはお寝坊さんね」と柔らかい笑顔を浮かべている。

 そしてナルシッサの横にいる男性―――ドラコの父であるルシウスは、溜め息をつく。

 

 「あー・・・コレット。レディとして、身嗜みには気を使ってはどうかね?」

 

 その一言を零すと、そのまま踵を返してしまった。

 

 「あーあ、父上が呆れて出て行かれた。お前、よくそんな恰好で屋敷内を歩けるな。僕だったら恥ずかしくて部屋から出られないね」

 「あまりコレットを虐めてはダメよ。コレット、私たちは広間で待っていますから、できるだけ早く支度なさい」

 

 ルシウスに続くようにドラコとナルシッサは食堂を後にした。食堂に残ったのは、石像と化したコレットと、マルフォイ一家を出向かるために早朝から屋敷内を掃除していたメントのみである。

 

 「お、お嬢さま・・・?」

 「・・・メント」

 「な、何でございましょう?」

 「わたし、死んでくる」

 「お、お嬢さま?!ダメでございます、ダメでございます!」

 

 コレットとメントによる押し問答は小一時間続き、その終止符を打ったのは「君、そんなことしてる暇があるなら着替えたら?迷惑極まりないよ」という、セイバーの止めの一言であった。



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