月面のギガノス軍本部。 ギガノスを率いる元帥ギルトールと前線指揮官であるドルチェノフは、地球より帰還したマイヨから作戦報告を直接聞いていた。 マイヨ 「・・・以上がアルデバロン軍、ドップラー軍団、 ならびにバルマー帝国の動向についての報告です」 ギルトー「分かった。 任務、ご苦労であった」 マイヨ=プラートはD兵器追討と同時に、反地球連邦組織調査という勅命任務を負っていた。 無論、この調査は地球連邦のためのものではない。打倒地球連邦を掲げるギガノスではあったが、テロ組織と協力するつもりはなかった。マイヨの報告はギガノスの明日を占う重要な決定の資料なのである。 ギルトー「・・・マイヨ。 ワシは時期を誤ったのかもしれん」 マイヨ 「と言いますと?」 ギルトー「お前の父親ラング博士の開発したMAと、この月からのマスドライバーで、 確かに地球を恫喝することは成功した。 しかし、月の多くはザンスカールの勢力下におかれ、 我らギガノスはあくまで1月面都市の域を出ることはなかった」 ドルチェ「それは閣下が軍を慎重にお運びなったうえのことで、 ザンスカール亡き今、ご命令1つで1週間で月を占拠してみせます!」 ギルトー「確かにギガノスは戦力を温存させてきた。 しかし、今、強行に進軍することに利と大義はあるか?」 マイヨ 「・・・」 ギルトー「今、地球は危機に瀕している。 地球連邦ではない。我らが愛する『地球』がだ。 かような事態に、我らがすべきことはなんであろうかと、 ワシはずっと考えてきた」 マイヨ 「では・・・」 ギルトー「地球自体までも滅ぼすような狂信集団や異星人に協力しながら、 我らの理想を体現することは出来ない。 これよりギガノスは連邦に停戦、暫定的ではあるが協力を申し出る」 マイヨ 「分かりました。 このマイヨ、閣下のお考えに従うのみです」 ドルチェ「閣下!それではこれまでの戦いが全て水の泡に!」 ギルトー「ドルチェノフ、今、成すべきことをよく考えてみるのだ」 ドルチェ「・・・分かりました。 現在、地球連邦は中枢が混乱した状態にあります。 幸い、マイヨ殿もお詳しいブルーフィクサー隊が月面付近まで来ています。 私から、かの部隊にコンタクトを取りましょう」 停戦会談準備のために退室するドルチェノフ。その目には暗い影が宿っていた。 ドルチェ(ギルトールめ、臆病風に吹かれおったか!) ブルーフィクサー基地にギガノスから停戦申し込みの通信が入る。 現在、ブルーフィクサー基地は亜空間突入装置の整備を終え、作戦開始に向けての最終準備に入っていた。 ライト 「何か臭うな」 ケーン 「ま、ヤツらもいいかげん負けを認めたってことだ」 オリバー「それは考えられんな。 ギガノスはまだかなりの戦力を温存しているはずだ」 マリン 「長官。亜空間突入作戦の開始はいつなんです?」 クイン 「現在、宇宙ではロンド=ベル隊がバルマー本隊の駐留宙域を発見し、 最終侵攻の準備を進めています」 月影 「我々の亜空間突入もそれに合わせての一斉攻撃と決まった。 決行は5日後。 ロンド=ベルとバルマー本隊の決戦の際、 アルデバロンからの援護は絶対に阻止せねばならない」 タクマ 「では、ギガノスの申し出に応じるのですか?」 月影 「うむ。確かにワナかもしれないが、 無視するわけにはいかないだろう」 ブルーフィクサー基地は指定された地点に進路を取る。 会談の場は既に廃棄が決定したコロニーであった。 用意された一室に通される月影長官とクインシュタイン博士。そして、宿敵「ギガノスの蒼き鷹」を一目見るために強引にケーン達ドラグナーチームとゴウも護衛として付いてきていた。 ケーン (こいつが「ギガノスの蒼き鷹」か・・・) ギルトール元帥の言葉によって、会談は始まった。 そして、正式に停戦が締結されようとした時、傍らに控えていたドルチェノフが口を開く。 ドルチェ「閣下、そろそろご冗談は止めていただきたい」 ギルトー「ドルチェノフ、いまさら何を言う」 ドルチェ「ギガノスを・・・、ギガノスを率いるのはこのワシだ!」 ズギューン! ギルトー「ぐわっ!」 マイヨ 「閣下! ドルチェノフ!貴様、気でも狂ったか!?」 ドルチェ「・・・狂ったのは貴様なのだよ、マイヨ=プラート。 非常事態発生! マイヨ=プラートが地球連邦と結託して閣下を暗殺したぞ!」 ケーン 「な、なに~!」 ゴウ 「ケーン、ここはひとまず脱出するんだ!」 銃弾をかいくぐり脱出する月影長官とケーン達。 コロニーの外では既にブルーフィクサー基地にMA部隊が殺到していた。 意識不明の断鉄を欠き、苦戦するブルーフィクサー隊。 その時、ギガノスMA部隊へ側方より別部隊からの攻撃が加えられる。 ケーン 「あれは!?」 窮地を救ったのはマイヨとプラクティーズ達のMAであった。 ドルチェ「うぬぅ!どこまでもワシの邪魔を! 逆賊マイヨ=プラートを討て!」 マイヨ 「卑劣な! 聞け!ギガノスの兵達よ! 閣下暗殺はドルチェノフの仕業だ!」 カール 「ダメです、大尉! この部隊は全てドルチェノフ直属の兵です!」 そして、ついに被弾するマイヨのファルゲン。 マイヨ 「無念だ・・・。 しかし、ドルチェノフ! いつの日か閣下と閣下の理想の仇、貴様を必ず倒す!」 怒りと決意を胸にマイヨは、戦闘宙域より離脱する。 戦闘はブルーフィクサー隊の勝利に終わる。 しかし、混迷するギガノスが、新たな争いの火種となることは明らかであった。 亜空間の決戦を前に、迷走するギガノスの存在は、ブルーフィクサー隊に暗い影を落としていた。 続く ◆ゲーム進行 ・冒頭、ギルトールとドルチェノフに事態を報告するマイヨ。 停戦を決意するギルトール。 ・停戦の申し出を受ける月影長官。 亜空間突入作戦と同時に全体の戦況が説明される。 ・会談の護衛に強引に立候補するケーン。 護衛を任されるゴウとケーン達。 ・タイトル後、画面は中央にコロニーが配置された宇宙マップ。 コロニー内で始まる会談。 マイヨを意識するケーン。 ・ギルトールを暗殺し、その罪をマイヨ達に負わせるドルチェノフ。 脱出する月影とマイヨ達。 ・画面、宇宙マップに切り替わり。 出現するギガノスのヤクトゲルフ、ギルガザムネを含む精鋭MA部隊。 この回登場するギルガザムネはノーマルモード。 出撃するブルーフィクサー隊。 ダンガードAのパイロットはタクマ1人だけ。 ドラグナーチーム、ゼロサスは選択できない。 ・2ターン目の味方フェイズ。 コロニー付近にドラグナーチームとゼロサス登場。 同時に登場した輸送シャトル(月影達搭乗)はブルーフィクサー基地に収容される。 ・3ターン目の味方フェイズ。 マイヨとプラクティーズ登場。 ギガノス兵への呼びかけが無視された後、NPCでギガノス軍に攻撃。 マイヨのファルゲンのHPが50%以下になるか、 プラクティーズのゲルフが撃墜されると、マイヨ達はセリフを残して後退する。 ・戦闘終了後、状況を説明するライトとタップ。 ギガノスの状況に不安を覚える一行。 ◆解説 ギガノスの内乱の話です。 今後(といっても改2ですが)、ギガノスはより軍事国家の様相を強め、 地球に対して、より直接的に侵攻してきます。 といっても、どう見てもドルチェノフはSRWでボスをはる器ではないので、 彼には結構悲惨な末路が用意されています。 今回でマイヨはギガノスと事実上、袂を分かつわけですが、 安易にケーン達と共闘することにはなりません。 彼には「蒼き鷹」の名に相応しい場所を用意するつもりです。 宇宙にあがってから亜空間突入するまで随分と間が空いてしまいました。 これによって緊迫感がイマイチになってしまったのが残念です。 これについては、改稿時に修正するつもりです。 1つ疑問なのはバルディオスの原作(映画)において、 亜空間に船体を維持するだけのエネルギーを失ったアルデバロン軍は 土星(木星だっけ?)付近の通常空間に出現するわけですが、 三次元座標に左右されない亜空間なのだから、 もっと地球の近くに出現することも出来たのではないでしょうか? 逆に、亜空間に攻め込むブルーフィクサー隊も、 どこからでもアルデバロンに攻撃を加えることが出来るのではないでしょうか? つまり、改Bの中で宇宙に上がった理由づけがないのです。 これについては、改稿時に、 「発生する膨大なエネルギーの影響を考慮して宇宙に上がる」といった説明を 入れるつもりです。 さて、次回からはついに決戦に突入です。 ◆次回予告 ついに決行される亜空間突入作戦。 未知の戦場で繰り広げられるブルーフィクサー隊とアルデバロンの決戦。 そして、マリンは宿敵ガットラーと対峙する。 地球とS1星の運命は? 新SRW改:side-B 第25話「決戦!亜空間」 お楽しみに |
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