亜空間突入装置の整備は完成した。 ゴウ達は基地を母艦にアルデバロン軍との決戦のために宇宙へと上がる。 浮上のための最終準備に入るブルーフィクサー基地。 その最中、クインシュタイン博士は一行にある事実を告げる。 マリン 「バカな!S1星は未来の地球の姿だって!?」 ケーン 「ちょっと待ってくれよ。 マリンがここにいるってことは、えーとえーと・・・」 レオ 「彼は未来から来たってことか」 ケーン 「そう、それだ! ってことは、マリンも地球人ってことか?」 タクマ 「博士、俺達にも理解出来るように説明してくれませんか」 マリンの乗ってきたパルサバーンを解析したクインシュタイン博士は、その機体構造、各システム理論が地球の技術の延長線上にあることに気付く。短期間でのバルディオスの完成、各地への対亜空間戦術装備の配備は、この近しい技術の応用があってこそ可能だったのである。 マリン 「しかし、俺は宇宙から地球を見たが、 S1星とは地形も違っていた。 S1星の自然は汚染され、地球とは似ても似つかない」 クイン 「表現を変えます。 S1星は地球の最悪の未来の姿です」 ブルーフィクサー隊とPLFの活躍によって阻止された人工太陽作戦。もし、その作戦が実施されていれば、増加した水位は陸地を飲み込み、地形は大幅に変化していたはずである。 クインシュタイン博士はコンピュータが予測した水位上昇後の地球の姿をモニターに映し出す。その地形はまさにS1星のものであった。 このまま戦いが続けば、その影響で地球の自然は加速度的に汚染されていくことが予想された。 クインシュタイン博士は言葉を続ける。 S1星を旅立ったアルデバロン軍とマリン達は亜空間にて次元渦に巻き込まれた。その結果、ごく近距離の絶対座標のズレのみで時間軸をさかのぼることとなったのである。 この仮設が正しければ、PLFのメンバーさえ知らないS1星、マリンの共通語の謎等の全てが説明される。 マリン 「バカな・・・。 S1星と地球は同じ星の子孫と先祖が戦っていたのか・・・。 そして、この美しい星の未来がS1星とは・・・」 クイン 「マリン、悲しんでいる時間はありません。 人工太陽作戦を阻止したことで、地球の未来は、 あなた達の地球の歩んできた歴史と異なる道を進むはずです」 タケル 「過去はともかく、未来はまだ変えることが出来る!」 ジェミー「そうよ、マリン! 私たちは明日を救うことが出来るはずよ!」 タップ 「くよくよしてる暇はねぇな」 ライト 「そういうこと」 クイン 「そうです。 私たちの戦いは未来の地球を救うことです」 マリン 「そのためにも、ガットラーを叩く!」 クイン 「いいえ、マリン。 アルデバロンを倒せば終わりというわけではありません。 彼らの存在も、1つの事象に過ぎないのです。 この戦いが続いていく限り、いつか地球の未来は破滅へと通じていきます」 レオ 「怒りと憎しみがつながっていき、より大きな争いを生む・・・。 これもT-LINKの力なのだろうか・・・」 ゴウ 「そうだったとしても、それを止めるためにみんなの力が集まるのも T-LINKだろ? だったら、俺はそっちに賭ける」 鉄也 「そういう未来を俺も信じたいな」 衝撃の事実に立ち向かう覚悟が決まった頃、ブルーフィクサー基地の発進準備が整う。 月影 「本艦に搭乗してくれた諸君に告ぐ。 本艦はこれより、かつて人類が体験したことのない未知の戦いに出発する。 これまでも繰り返してきたように、帰還の保証のない戦いである。 しかし、その先に地球と宇宙の未来があること、 そして諸君らが必ずそれを成し遂げてくれることを私は信じている」 艦内にわき上がる歓声。 その渦の中、月影長官は力強く告げる。 月影 「ブルーフィクサー基地発進!」 ついに浮上するブルーフィクサー基地の巨体。 しかし、その船体に遠距離からの強烈なビームが突き刺さる。 リンダ 「3時の方向より攻撃! 戦艦、巨大な戦艦です!」 姿を現す巨大戦艦。 そして、基地のモニターに通信が進入する。 ドップラ「ご苦労である、諸君」 タクマ 「ドップラー!」 ドップラ「地球、そして宇宙は選ばれた人間のものだ。 貴様達のような矮小な虫ケラが、我々の崇高な目的を邪魔するのは許されない」 ダン 「相変わらず勝手なことを!」 ドップラーの通信に合わせて巨大戦艦「プラネスター」からメカサタン軍団、MA部隊が出撃する。 ローズ 「長官、大変です! さっきの攻撃でエンジンの一部が壊れちゃいました!!」 月影 「着陸して修理している時間はない! ブルーフィクサー隊出撃、応急処理の時間を稼ぐんだ! パワーアップしたバルディオスを中心に迎撃するブルーフィクサー隊。 戦闘の最中、マイヨのファルゲンと対峙するケーンのD1。 マイヨ 「腕を上げたな!ドラグナー!」 ケーン 「へっ!てめぇらみてぇな悪党に負けるかよ!」 マイヨ 「我らの遠大な目的のためなら、敢えて悪にもなろう!」 ケーン 「つまんねぇこと言ってるんじゃねぇ!」 そして、プラネスターにとりつくダンガードA。巨大なプラネスターの船体からはドップラーの歪んだ悪意が放射されているかのようであった。 タクマ 「父さんの仇、いや地球の敵、ドップラー!!」 ドップラ「くくく、ライオンに挑むアリに何が出来る」 ダン 「貴様の野望、ここで終わりにしてくれる」 ドップラ「その声はキャプテン=ダンか。 面白い、私への復讐のために生き延びたか」 ダン 「タクマ! 全力で機関部を狙え!」 闘志をむき出しにするキャプテン=ダンの声に押され、攻撃を加えるタクマ。パルサーカノンの一撃がプラネスターの装甲版を貫く。 ドップラ「すでに目的は達した。 全軍戻れ!我々は星のステージへと上る!」 残存部隊を収容して後退しようとするプラネスター。 タクマ 「逃がすか!」 ダン 「待て!深追いす・・・ウッ!」 突如、うめき声をあげキャプテン=ダンからの通信が途切れる。 意識を失ったダンのためもあり、帰還するブルーフィクサー隊。 キャプテン=ダンはそのまま集中治療室へと収容される。 そして、予定を大幅に遅らせながらブルーフィクサー基地も大気圏を離脱する。 破滅の未来とそれに立ち向かう希望の未来。 2つの未来が交差する戦場へ向けて、ブルーフィクサー隊は進む。 続く ◆ゲーム進行 ・冒頭、「S1星=地球の未来」を説明される一行。 ショックを受けながらも、未来のために戦う決意を固める。 ・タイトル後、月影長官の演説の後、浮上するブルーフィクサー基地。 マップ上にプラネスター出現。 マップ上のイベント戦闘で、ブルーフィクサー基地破損。 ・ドップラーの宣戦布告の後、メカサタン軍団、 マイヨ、プラクティーズを含むMA部隊出現。 迎撃するブルーフィクサー隊。 ・バルディオスのパワーアップを説明するクインシュタイン博士。 ●バルディオス(パワーアップ版:各改造は引継) HP:4500 EN:220 タイプ:空陸 移動力:7 装甲:500 運動性:45 合体・分離、亜空間移動 武装 バルディクラスター 1~2(P) 600 バルディミサイル 1~4 800 バルディカッター 1 (P) 1200 レーザーボウガン 1~5 1400 弾数 8 ショルダーキャノン 1~4 1600 弾数 6 パルサーベル 1 (P) 1800 ベルドリンガー 1 (P) 2000 パルサーベルドリンギング 1 (P) 2200 亜空間ビーム 1 (P) 2400 EN30 スリーディバルディ 1 (P) 2800 EN40 サンダーフラッシュ 1 (P) 3500 EN60 必要戦意130 ・ブルーフィクサー基地は行動不能。 プラネスターは後方待機。 ・ケーンとマイヨが戦闘すると会話イベント発生。 ケーン、ライト、タップがプラクティーズと戦闘すると会話イベント発生。 理屈で理想を遠そうとするギガノス側に対して、 素直にそれを否定するドラグナーチーム。 ・ダンガードAとプラネスターが戦闘すると会話イベント発生。 ・8ターン経過、またはプラネスターのHPが20%以上減少すると全軍撤退。 後を追おうとするタクマを制す最中、意識を失うキャプテンダン。 ・戦闘終了後、集中治療室に運び込まれるキャプテンダン。 宇宙へとあがるブルーフィクサー基地。 ◆解説 「バルディオス」の最大の存在意義である「未来の地球」話です。 原作のバルディオスでは、地球の自然環境は汚染されてしまいます。 改は「if」の世界であるため、そういった悲劇を回避していきますが、 常に「このままでは地球は破滅・・・」のリアリティとしてS1星は存在します。 これに(同じ星の)人間が憎み合うこと意味が加わり、 バルデイオスの物語は昇華されていきます(そのはずです)。 しかし、考えてみれば、純粋な異星人はタケルだけでした。 バルディオスのパワーアップは、さらにもう1段階ありますが、 それは「改2」まで持ち越しです。 理想に縛られるマイヨと奔放なケーン、 未来を独占しようとするドップラーとそれに立ち向かう一文字父子のドラマも そろそろクライマックスです。 この2作品は、「side-B」がいわば前編で、「改2」が後編となります。 どちらもドラマ的に重要な転機が訪れる今後をお楽しみください。 ◆次回予告 宇宙を進むブルーフィクサー隊に再びプラネスターが迫る。 壮絶な死闘の中、明らかになるキャプテン=ダンの過去。 未来を賭けての戦いに勝利するのは果たして? そして、真実に向き合うタクマは? 新SRW改:side-B 第23話「希望を継ぐ者達」 |
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