ついにブルーフィクサー隊は、オペレーション・サーカスの最終目的地であるラサに達しようとしていた。 ゴウ 「思ったよりもヨーロッパの守りは薄かったな」 レオ 「うむ、ザンスカール帝国の侵攻部隊は大空魔竜隊によって壊滅し、 さらにバルマーのヨーロッパ方面指揮官が交代したとの噂だからな」 サハラ砂漠を抜け、ヨーロッパを横断したブルーフィクサー隊は、戦局が徐々に地球に傾きつつあることを感じていた。 各所でわき上がるバルマーへの抵抗運動、超兵器による逆転勝利、その他続々と報告される地球側の反撃。 有史以来の未曾有の危機に覆われた地球は、今、まさに人々の心が結集しつつあるようであった。 ケーン 「しかし、面白くねぇな。 俺達やゲリラに戦わせて、連邦のお偉方は地下でのんびりか」 ナオト 「ぼやくな、ぼやくな。 腐敗しても高官は高官。 アイツらの護衛は一般大衆の仕事」 ダン 「2人とも口が過ぎるぞ」 付近一帯のバルマーは既に撤退したとの報告もあり、比較的くつろいだムードの中で、ブルーフィクサー隊はラサを目指し進んでいた。 その時、ライトのD3が高速で移動する機影をとらえる。 ライト 「この識別信号は・・・、 ガンダムです!ウイングガンダムがラサに向かっています!」 地球連邦に敵対する翼をもったガンダム、通称「ウイングガンダム」はアデレードにてバルマーの基地攻略に参加している。しかし、これまでの破壊行動の記録を見る限り、地球連邦の協力者とは思えなかった。 そして、今、そのウイングガンダムはラサに向かっている。いかなる手段を用いてかは不明であるが、ラサに連邦政府高官が避難しているのを知っての行動であろう。 ダン 「このコースなら先回りが出来る。 各機、ウイングガンダムの進路を阻むぞ」 ゴウ 「気がすすまないが・・・了解!」 ラサから数10キロの地点で、ブルーフィクサー隊はウイングガンダムと遭遇する。 ダン 「ガンダムのパイロット。 抵抗をやめてこちらの指示に従ってもらおう」 ヒイロ 「・・・」 ダン 「こちらの指示に従わない場合は、発砲もやむなしとする」 ミカ 「キャプテン・ダン! 防衛軍極東支部司令の岡長官からの極秘緊急通信です!」 ダン 「通信をこちらに回してくれ。 こちらブルーフィクサー隊隊長、キャプテン・ダン。 ・・・・・・・はい・・・・・・・何ですと!? ・・・・・・・・・了解しました」 ウイングガンダムとブルーフィクサー隊の緊張は限界に達していた。 ヒイロ 「任務遂行障害。・・・破壊する」 猛然とブルーフィクサー隊に突っ込む飛行体型のウイングガンダム。 マリン 「やる気か!?」 雷太 「おもしれぇ!思い知らせてやろうぜ!」 ダン 「待て! 各機、手出しをせずウイングガンダムの進路を空けるんだ」 突然のダンの指示にとまどいながらも陣形を崩す各機。 その隙間をウイングガンダムは抜け、やがてヒマラヤの山々に消えていった。 タクマ 「なぜ、ヤツを行かせたんです?」 ダン 「極東支部の岡長官の指示だ。 それよりも現在、ラサに向けてコロニーが落下しようとしている。 ロンド=ベル隊が落下阻止に出ているが、 万一に備え、地上では大空魔竜隊が政府高官の保護に向かっている。 我々も大空魔竜隊の援護として退路の確保、ならびに周辺住民の避難誘導を行う」 バルマーの作戦行動に衝撃を受けるブルーフィクサー隊。 マリン 「この美しい地球を汚すとは・・・」 しかし、敵の行動はその時間さえ与えてくれなかった。 ライト 「敵機、多数接近!」 ケンジ 「どうやら俺達も含めて、ラサから逃がさないつもりらしいな」 タケル 「ぐずぐずしている暇はない! 少しでも早く敵を片づけて、住民を避難させなくては!」 ダン 「レオ、輸送機を使って付近の住民を退避させろ。 残りの各機は敵をせん滅する。 タイムリミットは7分だ!」 押し寄せる敵機の群をけちらすブルーフィクサー隊。 レオ 「周辺住民の退避完了しました!」 しかし、岡長官からの次の通信は絶望を告げるものであった。 ダン 「・・・・コロニーは阻止限界点を突破し、大気圏に突入したとのことだ」 タップ 「ロンド=ベル隊は!?連邦軍最強の部隊でもダメだったのか!?」 ダン 「ロンド=ベル隊は壊滅した・・・。 これよりブルーフィクサー隊は全速でこの空域を離脱する」 混乱と恐怖と不安の渦の中、ラサから遠ざかるブルーフィクサー隊。 ついにコロニーの巨大な影は、肉眼でも確認できるところまで来ていた。 ダン 「総員、対ショック体勢!」 そして、地上は閃光に包まれた。 続く ◆ゲーム進行 ・冒頭、会話でアフリカからヨーロッパを抜けてきたことが語られる。 ・ヨーロッパの情勢を語るゴウとレオ。 ・地球側の反撃を語る一行。 ・政府高官に文句を言うケーンとナオト。 ・ウイングガンダムをキャッチするD3。 ・タイトル後、マップ上で対峙するウイングガンダム(バードモード)とブルーフィクサー隊。 ブルーフィクサー隊に半ばまで接近するウイングガンダム。 ダンの指示に無言のヒイロ。 ・岡長官からの緊急通信。 ヒイロを見逃す指示を与えるダン。 ブルーフィクサー隊を突き抜け、マップ外へ消えるウイングガンダム。 ・コロニー落下を伝えるダン。 出現するバルマー機動部隊とメカサタン。 全て無人機でパイロットはAI改。 ・周辺住民退避の指示を受けるレオ。 勝利条件は「7ターン以内の敵の全滅」 ・戦闘終了後、再び岡長官からの通信。 コロニーの落下とロンド=ベル壊滅の報。 ダンの離脱指示。 ・コロニーの落下。 轟音と共に画面真っ白にフラッシュアウト。 ◆解説 地上編では27・28話にあたるコロニー落下です。 大空魔竜隊が躍起になっている裏で、ブルーフィクサー隊も戦っていたのです。 ボリューションプロテクトのような防衛策を持たないブルーフィクサー隊としては、 落下前に離脱するしかないですが。 ウイングガンダムの行動については、 地上編27話をご覧ください。 岡長官は彼に真実を告げるために、あえてブルーフィクサー隊を退かせたのです。 管轄の違う司令の言葉にキャプテン・ダンが素直に従ったのは、 ジャスダムの大江戸博士を含めて、岡長官とは旧知の間柄だったと推測してください。 冒頭の「ヨーロッパ指揮官の交代」というのは、 暗黒ホラー軍団のアシモフとデスモントがハイネルに呼ばれたためです。 それだけ大空魔竜隊の方が、バルマーの重要な戦略と戦っていたわけです。 アルデバロンのガットラー総統とギガノスのギストール元帥は、 このコロニー落下作戦に(影ながら)反対していました。 しかし、逆にドップラーはこの作戦を「面白い!」と言い放ち、 メカサタンを提供したのです。 長期作戦行動の最終目的地が壊滅したことで、 中途半端ながらオペレーション・サーカスは終了しました。 次回からは新展開となります。 しかし、同じことは3度はやりません。 ◆次回予告 事実上、崩壊した地球連邦。 そして、その焼け野に降り立つ脅威の戦闘兵器「ズフィルード」。 逆転勝利のために、バルマー司令を狙うブルーフィクサー隊。 しかし、バルマーの力はあまりに強大であった。 新SRW改side-B 第18話「ゴッツォ強襲」 お楽しみに |
励ましのお便り(笑)はこちらへrag@angel.ne.jp