第8話「バルディオス飛翔」



 ブルーフィクサー隊の当面の任務は、S1星人の戦略・戦術分析と、その迎撃である。
 これまでの戦況を隊員に説明する月影長官とクインシュタイン博士。
 S1星人は現在のところ、小規模な局地戦により特定の施設の破壊や占拠、撹乱を主な戦略にしている。実際、その目的は不明瞭であり、「S1星人」の名も異星人捕虜マリンの口から出たものであった。
 そのマリンが月影長官の指示で作戦室に入室する。
 手錠、拘束衣等の束縛はなく、その姿はオリバー、雷太と同様にブルーフィクサー隊の正規ユニフォームであった。
クイン 「彼マリンにもブルーフィクサー隊の一員として、
     S1星人との戦闘に参加してもらいます」
オリバー「この前もはっきり言いましたが、反対です」
雷太  「どうせ、こいつはS1星人とやらのスパイに決まっている!」
マリン 「違う!俺は父さんの仇、アルデバロン軍司令のガットラーをこの手で倒したいだけだ!」
 マリンの必死の叫びも、オリバーと雷太には届かない。
 マリンのパルサバーンとの合体機構が装備されたバルディプライズとキャタレンジャー。しかし、合体メカ「バルディオス」のメインパイロットはマリンである。その決定も手伝い、猛然とクインシュタインに反対する2人。
 他の隊員は、オリバーと雷太の激しい剣幕に気圧されていた。
 あくまで冷静に言葉を続けるクインシュタイン。
クイン 「彼のパルサバーンを研究することで、対亜空間戦術の装備も整いつつあります。
     その1つである小型亜空間レーダーは既に各機への取付は完了しています」
雷太  「とにかく俺は反対です!
     俺達の同胞を殺した敵異星人を仲間とは認められません!」
オリバー「俺も雷太に同じです」
ゴウ  「どう思う?」
ケーン 「分かんねぇな。
     でも、いいんじゃないの。
     地球人だってロクでもないヤツはいるし」
タクマ 「同感だ。
     今は少しでも戦力が欲しいな」
タケル 「・・・」
ダン  「月影長官、それで今回の任務は?」
月影  「うむ、第2海洋戦域所属のレーダー観測基地を対亜空間用に改修した。
     このレーダーの完成により、太平洋全域のアルデバロン軍の行動も
     探知することが出来るようになるだろう。
     明日より運用が開始されるが、恐らく敵はそこを狙ってくる。
     君達の任務はレーダー基地の防衛だ」
ダン  「了解しました」
月影  「クインシュタイン博士、今回はマリンは基地待機とします」
 キャプテン・ダンの指揮の下、ブルーフィクサー隊は出撃する。

 太平洋に面したレーダー基地にて迎撃態勢を取るブルーフィクサー隊。
 陸上からゼロサスとDチーム、キャタレンジャー、空中ではダン、タクマ、バルディプライズ、コスモクラッシャーチームが敵の襲撃に備える。
 D3のレーダーが敵機接近をキャッチする。
ライト 「敵機接近!この識別信号は・・・バルマーです!」
 同時に、新装備亜空間レーダーが反応する。
ライト 「亜空間レーダーに反応!アルデバロン軍も来ます!」
ダン  「S1星人もバルマーに組みしたということか!?」
 出現するバルマー機動部隊と、アルデバロンの透明円盤群。
 基地を守り、迎撃するブルーフィクサー隊。
 タケルもガイヤーを召還する。
 その最中、再び各機の亜空間レーダーが機影をとらえる。
オリバー「デカいぞ!このサイズは透明円盤ではない!」
 その機体はドッグ停泊中の戦艦の1隻を破壊する。
ダン  「全機、レーダー基地周辺に集結!
     ヤツを基地周辺に出現させるな!」
 しかし、透明円盤以上の戦闘力をもった亜空間戦闘メカの襲撃に、防衛ラインが破られるのは時間の問題であった。
 その時、1機の大型戦闘機が飛来する。その戦闘機こそ、クインシュタイン博士が改造を施したマリンの「ニューパルサバーン」であった。
 同時に、バルディプライズとキャタレンジャーに通信が入る。
マリン 「オリバー、雷太、合体だ!」
雷太  「誰がお前の指示なんぞ受けるか!」
オリバー「くっ、しかし、このままでは・・・」
ゴウ  「ゴチャゴチャ言ってないで早くしてくださいよ!
     まだ、俺は死にたくないんですよ!」
マリン 「迷っている時間はない!
     いくぞ!バルディオス、チャージアップ!!」
 マリンのニューパルサバーンを中心にフォーメーションを組む3機。巨大ロボットの両脚に変形したバルディプライズとキャタレンジャーは、上半身となったニューパルサバーンに合体する。
 完成する巨大ロボット。それこそが、地球とS1星の科学力の結晶、「バルディオス」であった。
マリン 「2人とも覚悟はいいか?
     人類初の亜空間戦闘だ!」
 亜空間に突入し、アルデバロンの戦闘メカ「ビックオクト」に攻撃を加えるバルディオス。
マリン 「パルサーベル!!」
 機関の1部を破損し、通常空間に姿を現すビックオクト。
ゴウ  「姿を現せば、こっちのもんだぜ!」
 バルディオスを含めたブルーフィクサー隊の攻撃により、バルマー、アルデバロン軍は撃破されるのであった。

 戦闘終了後、ブルーフィクサー基地に帰還したオリバーと雷太はマリンと対峙する。
オリバー「さっきはすまなかったな」
雷太  「・・・俺はまだ認めたわけじゃねぇぞ・・・」
 2人の微妙な変化に微笑むマリン。
マリン 「これからもよろしくな」
 少しずつであるが彼らは歩み寄ろうとしていた。
 その姿に満足するクインシュタイン博士。
 アルデバロン軍とバルマーの共闘に不安を感じながら、ブルーフィクサー隊の戦いは続く。
                                           続く

◆ゲーム進行
・冒頭、アルデバロン軍の動向を説明する月影長官とクインシュタイン博士。
・入室するマリン。マリンの入隊を説明するクインシュタイン博士。
・猛然と反対するオリバーと雷太、比較的ニュートラルなその他の隊員。
・月影長官のレーダー基地防衛の指令。
 基地待機となるマリン。
・タイトル後、レーダー基地に配置される全ユニット。
 マップ端レーダー基地、港に戦艦(マップ上の建築物扱い)数鑑。
・敵接近の報の後、出現するバルマー。
 続いて、アルデバロン軍の透明円盤出現。
 アルデバロン軍とバルマーの共闘を疑うダン。
・勝利条件は「敵の全滅」。
 敗北条件は「味方の全滅」。
・3ターン目の敵フェイズ、アルデバロン戦闘メカ「ビックオクト」出現。
 ビックオクトは亜空間にいる。
 「亜空間」は「地中」と同様に見ることは出来るが、攻撃をしたり受けたりはできない。
 ビッグオクトは一気に戦艦に移動して、マップ上戦闘で1隻を撃破する。
・4ターン目の味方フェイズ、ニューパルサバーン増援。
 バルディオス合体イベント。(デモ有り)
 マリンの戦意は120。
  ●バルディオス
   HP:4200 EN:200 タイプ:空陸 移動力:7
   装甲:420  運動性:40 合体・分離、亜空間移動
   武装 バルディクラスター 1~2(P)  600
      バルディミサイル  1~4     800
      バルディカッター  1  (P) 1200
      レーザーボウガン  1~5    1400 弾数 8
      ショルダーキャノン 1~4    1600 弾数 6
      パルサーベル    1  (P) 1800
      亜空間ビーム    1  (P) 2400 EN30
      サンダーフラッシュ 1  (P) 3200 EN60 必要戦意130
 バルディオスは亜空間に入り、ビックオクト横まで強制移動した後、イベント戦闘。
 亜空間突入時はマップ上でエフェクト有り。
 その後、ビックオクトは通常空間に出現する。(ユニットタイプは「空陸」)
 この時点でキャタレンジャー、バルディプライズが撃破されていた場合、
 ビックオクト通常空間追い出しは、ニューパルサバーンが行う。
・戦闘終了後、ブルーフィクサー基地で少しだけ歩み寄るマリン、オリバー、雷太。
・アルデバロン軍とバルマーの共闘に不安を覚える月影長官。

◆解説
 ちまちまとバルディプライズ、キャタレンジャーで戦ってきた皆様、お待たせしました。
 バルディオス合体です。
 もう少し、マリンVSオリバー・雷太の対立を描きたかったのですが、
 「バルディオス」だけがブルーフィクサー隊の戦力でないため、
 必然的に「バルディオス」の重要度は薄くなり、
 結果として、捕虜マリンと一般隊員であるオリバー、雷太との接触が
 少なくなってしまいました。
 まあ、まだまだマリンは完全に信用されたわけではありませんが。
 ちなみにアフロディアの登場とガットラーの思惑は、次回の予定です。

 個人的なシュミの話になりますが、
 バルディオスの各メカの名前は、昔から「カッコイイ!」と思ってました。
 もし、これが「バルディジェット」「バルディボンバー」「バルディタンク」だったら
 僕のバルディオス好きも2割程度ダウンしたでしょう。

 バルディオスはパワーアップの予定もあるため、データは抑え目です。
 しかし、3人分の精神コマンドと個別コマンド「亜空間」により、
 使い勝手の良いユニットとなっているでしょう。
 データはSRCに投稿されていたPSYさんのデータを参考にしました。
 PSYさんありがとうございました。

 アルデバロンの戦闘メカ「ビックオクト」は、
 原作ではバルディプライズとキャタレンジャーを深海に引きずり込みましたが、
 それは表現しづらかったので、今回のような話になりました。
 さらに、ビックオクトは海中からそのまま亜空間に突入したので、
 本来は不明なのですが、通常空間戦闘を考慮してタイプを「空陸」としました。

 改Bをやっていて痛感するのは、
 スーパー系の敵メカの選択の難しさです。
 単純な格好良さではなく、
 印象に残る回に登場したメカを出そうと心がけているのですが、
 マイナー作品になればなるほど、「誰も覚えてない」率が高くなってしまいます。
 この件については、「オリジナルメカの1つ」と割り切ってしまえば楽なのですが・・・。

 改Bは全26話ですので、新メカの登場やパワーアップ、話の展開も急展開していきます。
 次回は地球ではイマイチ使いづらかったD兵器のパワーアップです。
 お楽しみに。

◆次回予告
 アルデバロン軍、ドップラー軍団、そしてバルマー。
 それぞれの思惑を秘めて地球連邦に敵対する各組織。
 そして、ついに地球に降下するギガノス。
 混沌の戦況にブルーフォクサー隊は立ち向かう。
 新SRW改:side-B 第9話「ギガノス降下」     お楽しみに

◆今回の没ネタ
マリン 「これからもよろしくな」
軍曹  「貴様ぁ!そのうっとうしい長髪は何だっ!!」
マリン 「え?」
軍曹  「ケーン!バリカン持ってこい!」
ケーン 「OK!」
マリン 「う、うわ!
     助けてくれ!オリバー、雷太!!」
雷太  「男だったら角刈りだ!」
オリバー「もしくはアフロだ」
     ・・・お粗末(笑)

   

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