コスモクラッシャーチームの案内により、ゴウ達は敵勢力圏内を超えて、無事にブルーフィクサー基地に到着した。 ブルーフィクサーは、特殊な戦略、戦術を研究する防衛軍直轄の機関であると同時に、それらを応用した実戦部隊でもあった。 現在は、謎の異星人「S1星人」の亜空間を用いた戦術の研究と対処を第1任務としていた。 長官の月影が一行を迎える。 その傍らには、アイダホの民間人、リンダ達とダグラス中尉、軍曹の姿もあった。 リンダらは人手不足もあり当面、協力者という形でブルーフィクサー隊を手伝い、ダグラスらは隊に編入されたのである。 再会を喜ぶケーン達をよそに、謎のロボット「ガイヤー」出現によるタケルとコスモクラッシャーチームのわだかまりは依然として続いていた。 状況の報告を受けていた月影長官は判断を下す。 月影 「タケル君、君自身も状況の説明がつかないのなら、 このまま様子を見るしかないだろう。 各自もこの件について、勝手な憶測と発言は慎むように」 タケル 「じゃあ、せめて父さんに連絡を取らせてください」 通信担当のジェミー星野が、それに答える。 ジェミー「残念ですが、それは無理です。 ここブルーフィクサー基地の存在は、防衛軍内でも トップシークレット扱いです。 こちらからの通信は非常事態の場合しか、認められません」 釈然としないナオト達であったが、長官である月影の言葉に従うよりなかった。 次に月影長官はケーン達を呼ぶ。 月影 「ケーン君、タップ君、ライト君、君たちの除隊を今日をもって認めよう。 この基地のコンピュータを使えば、登録システムの解除も可能だ」 タップ 「やったね、これで自由の身だ!」 ライト 「でも、いいんですか?」 月影 「本来なら機密保持のためにも除隊は認められない。 しかし、ケーン君のお父上の働きかけもあって特例だ」 ケーン 「親父だって!?」 タップ 「ケーンの親父さんてそんなにエラいのか?」 月影 「このブルーフィクサー隊は第2海洋戦域軍に属する。 よって、作戦参謀のワカバ少将の耳に君達の話が届いたのだろう」 ケーン 「おい、俺は軍に残るぜ!」 タップ 「おいおい、ケーン!」 ケーン 「あの男の世話になってたまるか! 俺と母さんを放り出し、都合のいい時だけ父親ヅラかよ!」 月影 「過程はどうあれ、その言葉は君の意志ととって構わないのだな?」 ケーン 「ああ、勿論だ!」 ライト 「なら、俺も残るよ」 タップ 「そうだな、他にいくとこもないし・・・」 月影 「では、Dチームもブルーフィクサー隊に正式に編入させよう。 隊員が揃ったところで、君達の指揮官、ブルーフィクサー隊の隊長を紹介しよう」 月影長官の言葉に合わせて、作戦室に2人の人間が入室する。 月影 「紹介しよう、ブルーフィクサー隊隊長のキャプテン・ダン。 それとパイロットの一文字タクマだ」 キャプテン・ダンと紹介された男は、金属製の異様な仮面を装着していた。 その姿に、静かなどよめきが広がる。 ダン 「キャプテン・ダンだ」 仮面の奥の瞳と、その一言の裏に潜む迫力に威圧され、一行は沈黙する。 しかし、沈黙はゴウの一声で破られる。 ゴウ 「パイロットの一文字! アンタ、一文字断鉄の息子か!?」 ケーン 「あの味方殺しの狂人パイロットの一文字断鉄か?」 一文字断鉄は伝説のパイロットの1人として、今なお人々の心に、不可解な謎と共に記憶されている。 今から10年前、連邦の1大プロジェクト外宇宙探索隊として選ばれた一文字断鉄。彼は、探索隊発足記念式典の探索機デモンストレーション飛行の際、突如同僚の機体を撃墜し、探索隊の基地を破壊したのである。 防衛軍によって、断鉄機も撃墜され、彼の乱心は謎に包まれたままである。 タクマ 「そうだ。 俺は狂人パイロット、一文字断鉄の息子だ。 だが、もう一度、そのことを言ってみろ。 その時は、覚悟しろ!」 オリバー「何だ、コイツ?」 雷太 「あんまり意気がるんじゃねぇぞ、てめぇ」 険悪な空気を今度はダンが破る。 ダン 「くだらないことを言っている時か考えろ。 顔合わせが済んだら、早速訓練に入る」 有無を言わせぬ口調でダンは一行に命じる。 ダン 「R-O、Dチーム、無様に撃墜をくらったコスモクラッシャー3号機! そして、タクマ! 3分以内に出撃準備を整えろ」 オリバー「ま、プロの俺達は、訓練は不要ってことさ」 雷太 「せいぜいシゴかれてこい、ヒヨッ子共」 ダン 「勘違いするな。 お前達2人のメカはこれから改修作業をするだけだ。 残りのメンバーはトレーニングルームでシミュレーションだ」 それだけを言い残しダンも格納庫へと向かった。 ブルーフィクサー基地を飛び立ったダン達は、手頃な区域で訓練を開始する。 ダン 「ゴウ、勝手に先走るな!味方機と連携を保て!」 ダン 「ケーン、周囲に気を配れ!遅れているぞ、タップ、ライト! せっかくのD兵器が泣くぞ!」 ダン 「タケル、小手先のテクニックに頼るな。 もっと戦場の空気を感じろ!」 ダン 「タクマ、そんな調子では宇宙に出ることは出来んぞ!」 タクマ 「くそぉ!負けるか!」 ダンの過酷な特訓は続く。 その頃、オリバーと雷太は、ブルフィクサー隊の技術顧問であるクインシュタイン博士に詰め寄っていた。 オリバー「博士、改修とはどういうことです?」 雷太 「新しい武装が追加されるんですか?」 クイン 「よく聞きなさい、オリバー、雷太。 あなた達2人のメカは改修を経て、 異星人マリンの戦闘機パルサバーンと合体します」 オリバー「何だって!?」 クイン 「そして、合体メカ『バルディオス』のパイロットはマリンにやってもらいます」 雷太 「どういうことです! 返答次第では博士と言えども、黙っちゃいませんぜ!」 予想通りいきり立つ2人の耳に警戒警報が飛び込む。 リンダ 「基地から20キロの地点で、戦闘確認。 どうやら、キャプテン・ダン達と交戦中の模様です」 ブルーフィクサー基地の推測通り、ダン達は交戦状態に入っていた。 タクマ 「くそ、何だ、コイツらは!?」 ライト 「該当機種は見あたりません!」 タップ 「ということはバルマーか!?」 混乱しながらも敵の巨大ロボットに応戦するゴウ達。 各機にダンからの通信が入る。 ダン 「落ちつけ! こいつらはドップラー軍団のメカサタンだ」 タクマ 「ドップラー軍団?」 ダン 「連邦の影で着々と組織固めをしてきた選民思想のテロ集団だ。 各機、訓練の成果を見せるぞ」 ダンの力強い指示は、浮足だった各自の心を一気に戦闘に集中させる。 コスモクラッシャーチームも救援に現れ、戦闘は熾烈を極める。 しかし、明らかに戦闘力で劣るコスモクラッシャー3号機はついに被弾する。 その時、タケルは謎の声を聞く。 声 「マーズ、ガイヤーはお前が望めば力を貸してくれる」 その声は、先日「ガイヤー」の中で聞いた声とは別物であったが、不思議な懐かしさでタケルを包んだ。 タケルは迷うことなく叫んでいた。 タケル 「ガイヤー!」 先日と同様、急接近した光球が3号機と接触した時、そこにガイヤーが現れる。 しかし、タケルの心はガイヤーが自分のコントロール下にある確信に満ちていた。 ダンの超絶的な操縦技術も併せ、各期は特訓の成果でドップラー軍団のメカサタンを打ち破るのであった。 戦闘終了後、タケルはガイヤーのコントロールを会得した旨を月影長官に報告する。 月影長官とコスモクラッシャーチームは、そのタケルの言葉を信じ、ガイヤーの運用をタケルに一任する。 そして、ゴウ達も命を懸けて共に戦うタケルを信頼するのであった。 その一行に、ダンと月影長官はドップラー軍団を説明する。 ドップラー軍団は、総統ドップラーを頂点に、自らをエリートとする人間達が結成した選民思想集団である。その最終目的は、愚かな民の住む地球やコロニーを捨てて、自分達だけの新しい星を所有することであった。そして、目的の達成のためには手段を選ばない構えであった。 異星からの侵略者が現れた今こそ、ドップラーは地球を捨てる絶好の好機と見たのだろう。 月影長官は、近い内にドップラー軍団の本格的な侵攻が始まることを予想する。 そして、ダンは衝撃の事実をタクマに告げる。 ダン 「第一期外宇宙探索隊壊滅はドップラーの差し金によるものだ。 お前の父、断鉄は奴らに操られていたのだ」 父の汚名の真相を知り、涙するタクマ。その涙は怒りとなって打倒ドップラー軍団への闘志となって燃え上がる。 父の敵に燃えるタクマの姿に、ゴウはアイダホの船内で会った異星人マリンを思い出していた。 ゴウ (そういえば、あいつもこの基地にいるんだな・・・) 新たな敵の出現に、ブルーフィクサー隊の戦いが始まろうとしていた。 続く ◆ゲーム進行 ・冒頭、自己紹介と併せてブルーフィクサー隊を説明する月影長官。 ・リンダ達との再会を喜ぶケーン達。 ・タケルとガイヤーの件を月影長官に報告して、指示を請うケンジ。 様子見を指示する月影長官。 ・ケーン達に除隊を許可する月影長官。 父の差し金を知り、拒否するケーン。しかたなく従うタップとライト。 ・キャプテンダンとタクマ登場。 断鉄の事を指摘されナーバスになるタクマ。 険悪な雰囲気の中、訓練を指示するダン。 ・タイトル後、マップ上はゼロサス、D1、2、3、コスモクラッシャー3号機、 スカイアロー(タクマ)、ダン専用機(ダン)。 スカイアローとダン専用機は、合体したコスモクラッシャーより少し落ちる程度の性能。 ダンのレベルはかなり高い。 ■ダン 加速、集中、激励、鉄壁、手加減、威圧 (暫定) ■タクマ 根性、必中、ひらめき、熱血、幸運、気合(暫定) ・ダンの指示で、プレイヤーのコントロールによりダン機と戦闘する各機。 精神コマンドは使用できない。 ダンには攻撃はほぼ当たらない。当たったとしてもダメージ10。 ダンからの攻撃は100%当たるが、ダメージは10。 戦闘すると、欠点を指摘するダンのセリフ。 その後、命中に関わらず経験値250取得。 ・2ターン後、マップ切り替わりブルーフィクサー基地へ。 クインシュタイン博士に詰め寄るオリバーと雷太。 ・戦闘確認の報の後、画面、ダン達に切り替わる。 ・メカサタン「ジェットラー」(ダンガードA第1話登場)3体出現。 この時点で全員の戦意110になっている。 ・ドップラー軍団の名を出すダン。 ・メカサタン登場から2ターン後、コスモクラッシャー増援。 ・コスモクラッシャー3号機が被弾すると、タケルは謎の声を聞く。 (シルエットはマーグ) その後、ウインドが強制的に開き、個別コマンド「召還」が出現し、 自動的にガイヤーが召還される。 次回シナリオからガイヤーの出現状態は以下の通り。 タケルの戦意110で個別コマンド「召還」出現。 または、3号機のHPが20%を切る(または撃墜される)と自動的に召還。 なお、ガイヤーはHPは10で止まるため撃墜されることはないが、 その場合、強制的にマップから離脱してしまう。 ・戦闘終了後、確信を持ってガイヤーについて語るタケル。 その言葉を信じる月影長官、コスモクラッシャーチーム、その他。 ・ドップラー軍団について語るダンと月影博士。 父の敵に闘志を燃やすタクマ。 その姿にマリンを重ねるゴウ。 ◆解説 ダンガードAは出ませんが、キャプテン・ダンとタクマの登場です。 ダンガードを新SRW改の世界に登場させるにあたり、 ドップラー軍団の設定等、アレンジを加えざるをえません。 しかし、ダンガードの醍醐味は「特訓と父子ドラマ」にあると考え、 そこをメインに描いていくつもりです。 改Bも新SRWのシステムを踏襲しているため、 精神コマンド「努力」が存在しません。 そのため、タクマは仕方なく幸運を持たせています。 これについては、新SRW改2で検討したいと思います。 タイトルの「父と子」についてですが、 最初はダンとタクマの事を指していたのですが、 考えてみると、新SRW改Bのパイロットは父がらみのネタが多く、 結局はほぼ全員を指すことになってしまいました。 そのように欲張った結果、冒頭の会話イベントが長過ぎたかもしれません。 次回はいよいよバルディオスです。 なるべく早くアップさせるつもりなので、 お楽しみに。 ◆次回予告 着々と地球侵攻を進めるアルデバロン軍。 予測される敵の進軍を止めるべく迎撃態勢をとるブルーフィクサー隊。 しかし、亜空間を進む敵の姿をとらえることは出来ない。 憎しみと疑いを越え、今、バルディオスが飛ぶ。 新SRW改:side-B 第8話「バルディオス飛翔」 お楽しみに ◆今回の没ネタ(笑) ダン 「キャプテン・ダンだ」 タップ 「ダンダ?」 ダン 「ダン!」 ケーン 「ああ、段田男ね」(爆) ・・・お粗末(笑) |
励ましのお便り(笑)はこちらへrag@angel.ne.jp