第2話「D-兵器」


 異星の戦闘機と、そのパイロットの情報が、1兵士であるゴウの耳にまで届くはずがなかった。
 それでも、グリプス3守備隊の間を、様々な噂、憶測が飛び交っていた。
  (敵から逃亡したんだと思うぜ)
 (バルマーなぞ知らないと言い張っているらしいぞ)
 (翻訳機なしで共通語をしゃべったっていうぜ)
 メカニックのレオの持ってきた確定情報というのも、パイロットの名が「マリン=レイガン」、戦闘機の名が「パルサバーン」、そして・・・。
ゴウ 「亜空間航行?」
レオ 「ああ、超空間航法、いわゆるワープは、地球も実験段階は成功している。
    しかし、あのパルサバーンに装備されている装置は、
    もっと短時間のチャージで、かなりのショートレンジでの亜空間航行を
    可能としている」
ゴウ 「つまり?」
レオ 「戦闘中に亜空間を通って、いきなり敵の背後を取る。
    または、防衛網に触れることなく敵中枢を強襲することも出来る」
ゴウ 「そいつはスゴい!とか言っている場合じゃないな・・・」
レオ 「まあ、亜空間航行は莫大なエネルギーを使用するため、
    そう簡単には戦術応用は不可能だとは思うが・・・」
 2人の会話は、敵接近の警戒警報によって遮られた。
   「敵機、接近!出撃できる機体から順次発進しろ!」

 グリプス3でまともに戦えるのはゴウのRーO「ゼロサス」だけであった。
 先の戦闘の結果、戦時特例ながらRーOは防衛軍の登録機体となり、ゴウはパイロットに、レオは専任メカニックに任命されていた。
ゴウ 「さて、謎の異星人か?バルマーか?」
 しかし、迫る機体は明らかに地球製の機動兵器であった。
ゴウ 「ギガノス!」
 ギガノスは、多くの軍需産業を傘下にもつ巨大な月面軍事都市であった。
 かねてから地球連邦の体制を批判していたギガノスは、バルマー襲来を機に、「ギガノス帝国」の独立を宣言、同時に地球連邦へ宣戦布告をしていた。
 ギガノスの戦術特性は、機動兵器MA(メタルアーマー)の使用にあった。
 傘下の兵器産業が開発したMAは、防衛軍の正式採用機体であるMSをしのぐ戦闘力を有していた。兵力差を高性能兵器の投入で補うわけである。
 さらにギガノスの戦略展開は迅速を究めた。
 宣戦布告と同時に、月面のマスドライバー基地を占拠。現在では、マスドライバーで地球を恫喝しつつ、戦況をうかがっている。
ゴウ 「何だって、こんな僻地のコロニーを?」
 迫り来るMA「ダイン」「ゲバイ」を迎撃するゼロサス。
 しかし、別部隊がグリプス3に取りつこうとしていた。

ケーン「いったい何だってギガノスのヤツら、
    こんな僻地のコロニーに攻めてくるんだよ!?」
タップ「俺が知るわけないだろ!」
ライト「まあまあ、お2人さん、まずは脱出を考えましょう」
 ケーン=ワカバ、タップ=オセアノ、ライト=ニューマンの3人は、学校の「落ちこぼれ」仲間である。彼等はギガノスの攻撃にパニックに陥った街から避難しようとしていた。
タップ「っとと、道に迷っちまったみたいだ」
ケーン「ん?ここは何だ?」
ライト「宇宙港の傍の廃棄ドッグじゃないか?」
 3人はいつの間にか、軍の正式採用から外れた機体が ストックしてあるドッグに来ていた。
ケーン「おもしれぇ!ここにある武器で、ヤツらに一泡吹かせてやろうぜ!」
タップ「おいおい大丈夫か?」
ライト「ま、MSのシミュレーションもやってるし、何とかなるでしょ」
 1つの部隊として揃えられたらしい3機の機動兵器に乗り込む3人。
ライト「うん?何だ、この登録システムって?」
ケーン「構うもんか!俺はイクぜ!」

 眼前のMAと戦いながら、コロニーに取りついた敵を追撃しようとするゴウ。
 しかし、ギガノスの機動部隊は巧みな連携でゼロサスの進路を阻む。
 その時、グリプス3から3機の機動兵器が発進する。
 その機体こそが、ケーンの戦闘型MA「ドラグナー1、タップの攻撃型MA「ドラグナー2」、ライトの偵察型MA「ドラグナー3」であった。
 ぎこちない動きながら、ギガノスのMAを迎え撃つ3機。
 Dー3のECMによりセンサーが狂わされたところに、Dー2の大口径レールキャノンが叩きこまれる。そして、増加兵装「キャバリアー」を分離したDー1のツインレーザーソードが敵を両断する。
 完全にフォーメーションを崩されたギガノスは、ゼロサスとドラグナーによって撃破されるのであった。

 戦闘終了後、ゼロサスの誘導で守備隊に連行されるケーン達。
 ケーン達の搭乗した通称「Dー兵器」は、ギガノスから亡命した科学者によって設計された最新鋭のMAである。
 しかし、そのコスト高と現行機種との互換性から、防衛軍はMAの不採用を開発途中で決定したのであった。
 かくして、その性能データを計測されることもなく、Dー兵器はグリプス3のドッグに運び込まれていたのである。
 防衛軍上層部には伝わらなかったものの、Dー兵器の連携時の戦力は、同数のMAの3倍にも匹敵するものである。
 偶然とはいえ、ケーン達の手によりDー兵器はその力を見せつけることとなった。
 そして、機体の機密保持のために装備されていたパイロット登録システムの解除は、ここグリプス3では不可能であることが判明する。
レオ 「つまり、ドラグナーを扱えるのは、君達3人だけだということだ」
ケーン「へ?」
 結局、3人は「軍事物資の無断使用」を不問とすることと引き替えに、軍へ入隊することとなった。

 その頃、ギガノス軍ではグリプス3での戦闘が報告されていた。
上官 「・・・以上の報告通り、Dー兵器の戦闘力は、まさに脅威と言えよう。
    Dー兵器の量産は、我がギガノスにとって大いなる不利益である。
    プラート大尉、貴官に追討部隊の指揮を命ずる」
マイヨ「了解しました」
 「ギガノスの青き鷹」の通り名を持つエース、マイヨ=プラート大尉。
 そのマイヨ率いるD-兵器追討部隊が組織されていることを、ケーン達は知る由もなかった。
                                 続く

◆ゲーム進行
・冒頭、マリンに関しての兵士の間での噂。
・レオとゴウの会話で、マリンとパルサバーン、亜空間航行について語られる。
・敵接近の報。発進するゼロサス。
・タイトル後、出現するギガノスのMA「ダイン」「ゲバイ」(データ鋭意製作中)
 ゴウとレオの会話で、ギガノスのあらましが語られる。
・2ターン目の敵フェイズ、コロニー付近に敵増援出現。
 街を避難するケーン達のセリフ。
・3ターン目の味方フェイズ。
 登録イベントの後、ドラグナー搭乗、出撃。
 ●ドラグナー1(キャバリアー装備)
   HP:2000 EN:250 タイプ:宇宙 移動力:6
   装甲:300  運動性:40 分離・ビームコート
   武装 75ミリレールガン   1~6 1700  弾数10
      220ミリレールキャノン 2~7 2300 弾数6
 ●ドラグナー1
   HP:3200 EN:180 移動力:9
   装甲:270  運動性:48 ビームコート・シールド有
   武装 25ミリ機関砲 1(P)  100 弾数10
      アザルトナイフ 1(P) 1200
      レーザーソード 1(P) 1600
      グレネードランチャー 1~5 1500 弾数2
      75ミリレールガン 1~6 1700 弾数10
      対MA手榴弾    1~3(P) 1800 弾数2
      スローイングボム  1~4(P) 2000 弾数1
      ツインレーザーソード 1(P)  2200 戦意120
  ●ケーン=ワカバ 近攻撃系
    加速・根性・熱血・集中・覚醒・魂/切り払い・シールド防御
  ●ドラグナー2
    HP:3600 EN:180 移動力:8
    装甲:320  運動性:40 ビームコート
    武装 アザルトナイフ 1(P) 1200
       75ミリ2連装自動砲 2~4 1300 弾数8
       2連50ミリハンドガトリング弾 2~4(M) 1500 弾数2
        (前方1マス空けて底辺3マス、計6マスの3角形型の
         効果範囲のマップ兵器)
       88ミリレールガン 1~6  1800 弾数10
       280ミリレールキャノン 3~8 2400 弾数6
  ●タップ=オセアノ 遠攻撃系
    根性・信頼・必中・熱血・友情・魂
  ●ドラグナー3
    HP:3000 EN:180 移動力10
    装甲:250  運動性:45 ビームコート/ECM(個別コマンド)
     ECM:自機を中心とする5ヘックス内の味方機は、命中・回避+10%。
          発動ターンを含めて3ターン持続。
    武装 アザルトナイフ 1(P) 1200
       50ミリレールガン 1~6 1600 弾数10
   ●ライト=ニューマン 遠攻撃系
     偵察・探索・集中・熱血・ひらめき・撹乱
 3人のレベルは1で、戦意120。
 3人の能力値は、あまり高くない。
 この時、ケーンのグラフィックは「リーゼント」スタイル。
 戦闘BGMは(出来れば)「夢色チェイサー」。
・ドラグナー出撃時、ギガノス兵のセリフ。
・戦闘終了後、ケーン達の連行。
 レオによってD-兵器のあらましが語られる。
 ケーン達の強制入隊。
・マイヨの追討隊組織。

◆次回予告
 深刻なダメージを受けたグリプス3の破棄が決定した。
 輸送船アイダホの護衛任務を受けるゴウ達。
 そして、アイダホに積み込まれるパルサバーンとマリン。
 地球への航海に、強敵「ギガノスの青き鷹」が迫る。
 新SRW改:side-B 第3話「地球へ」     お楽しみに

◆独り言
 はい、地球製のリアルロボということで、
 いつSRWに出てきてもおかしくないと思われているドラグナーです。
 しかし、こうやって実際に参戦させてみると、未登場の理由がよく解ります。
 それは、MAの特徴の希薄さにあります。
 さらに言うならば、同じ地球製のMSとの差別化が難しいことにあります。
 MSを上回る性能(装甲、運動性、武装)ということにしていますが、
 「フィンファンネル」や「ハイメガキャノン」といった特徴的な武装がないため、
 フルチューン・リガズィのようになってしまうのが難点です。
 まあ、地上に舞台が移ればリフターを装備することで、
「飛行」という特性が出来ますが。
 3人の精神コマンドも含めて、今回作成のデータは全て暫定です。
 意見のある方は、修正案をお願いします。

 「改B」への参戦理由は、
 番組予告のライトの名セリフ「僕達、Bランクの青少年です」に由来します。(嘘)
 本当は、リアルロボット系が欲しかったことと、
 まったく普通の青年が、今回の地球の危機にどう感じるかを描きたかったからです。

 ドラグナー以外のMAのデータは順次組んでいくつもりですが、
 どなかた「俺に任せろ!」という方がいらっしゃるとありがたいです。
 気が向いた方は、作製をお願いします。
 (SRCでもOKです)

 今回の冒頭で、マリンについての噂話が出ていますが、
 結構重大なことを言っています。
 ちょっと注目してみてください。

 ケーンの髪形がリーゼントであることについては、
 次回をご期待ください。

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