第1話「始動」



<プロローグ>
 統合歴0153年、圧倒的な未知の力の前に、地球はかつてない危機に瀕していた。
 火星コロニー群に突如現れた異星人艦隊。地球側のファーストコンタクトに対し、異星人艦隊の答えは宣戦布告無き無差別攻撃であった。
 コロニー群は守備隊と共に壊滅。生存者は絶望的である。
 パニックを恐れた地球連邦政府は、情報の隠蔽に努めた。
 「バルマー」
 火星での通信に何度も登場してくる異星の言葉は彼らの名であると推測された。
 彼らの正体は?目的は?その全ては謎であった。

 「バルマー」の地球圏襲来は意外な形であった。
 火星同様に突如姿を現した艦隊は、広域砲撃ではなく機動兵器を用いた戦術を展開した。
 そして要所のコロニーを制圧すると、大気圏に部隊の一部を降下させた。
 無論、その戦略の意図するところは不明である。
 コロニーの時間稼ぎを期待した連邦政府高官は、早々に地下に身を隠し、実りのない議論に時を費やしている。
 かくして地球全土において、指揮系統の混乱した地球防衛軍は各個でバルマーを迎え撃つことなった。

 忘れられたコロニー「グリプス3」。
 かつては軍事用コロニーとして様々な兵器の開発、実験の場であったここも、今では主要研究ラインから外れ、民間とも軍事ともつかない中途半端な立場となっている。
 当時の名残は宇宙港周辺の大規模ドッグだけであった。
 しかし、このグリプス3にも未知なる敵の侵攻が迫ろうとしていた。


兵士  「隊長!前方の空間に未知のエネルギー反応!」
隊長  「なに!こんなコロニーにもバルマーが!?
     とにかく守備隊各機を発進させろ!」
 完全に軍の拠点から外れたとはいえ、グリプス3にも小規模ながら守備隊が駐屯していた。
 地球防衛軍主力兵器であるMS「ジェガン」隊が発進する。
兵士  「よう、新入り。
     お前もツいてないな。初陣が正体不明の相手とは」
ゴウ  「まあ、これも任務ですから」
兵士  「聞けばお前さん、士官学校のトップクラスだったんだって?
     何でまた、こんな僻地のコロニー守備隊なんぞに?」
ゴウ  「問題児だったんですよ。それも、すこぶるつきの」
兵士  「・・・何か、やらかしたのか?」
ゴウ  「ちょいと、防衛軍大将殿の『士官学校生へのメッセージ』テープを細工して
     セクハラ教官共の悪事を暴露しましてね」
兵士  「ははっ、そりゃいいや!
     新入り、死ぬなよ!」
ゴウ  「先輩も、ご武運を!」
 今や前方の空間に渦巻くエネルギーは肉眼でも確認できるまでになっていた。
 兵士  「空間が!空間が歪む!」
 その兵士の言葉通り、エネルギーの集中した空間がたわむ。
 そして、ついに空間は裂けた。
 そこから現れたのは、1機の精悍なイメージの大型戦闘機であった。
 各MSのコンピュータにも記録されていない全く未知の機種である。
 戦闘機はコントロールを失っているらしく、慣性のままにグリプス3に向かってくる。
 数機のジェガンが、隊長の指示でMSよりも巨大な戦闘機を押さえる。
 そのコクピットには1人の男がいた。どうやら気を失っているらしい。
 戦闘機は取りあえずグリプス3に運び込まれることとなった。
兵士  「前方にさらにエネルギー反応!
     先ほどとは比べものにならないほど巨大です!」
 再び空間が裂ける。
 そこから出現したものは全長20キロを越す巨大な「要塞」であった。
 要塞から小型の円盤が発進する。
 透明な外殻を持った円盤群は、状況をつかめない守備隊にいきなり攻撃を仕掛けてきた。
 不意をつかれ編隊を崩しながらも、応戦するMS部隊。しかし、数が違い過ぎた。
 ゴウも初陣ながら奮戦するが、乗機ジェガンはついに被弾する。
ゴウ  「ゴウ=ムゲン機、被弾!一時、後退します。」
 損傷したジェガンを取り合えず宇宙港に向かわせるゴウ。その胸には、いきなり戦闘を仕掛けてきた正体不明の敵への怒りがあった。
 宇宙港にジェガンを乗り捨てたゴウは、手つかずになっている軍の大型ドッグを目指す。
ゴウ  「ここになら、きっと何かMSがある!」
 ドッグに乗り込んだゴウが目にしたのは、所狭しと並べられた各種機体であった。
 どうやら軍の正式採用ラインから外れた試作機の保管場所でもあるらしく、全てが時代遅れの代物というわけではないようである。
ゴウ  「メカニックが入り込んで好き放題やっているというのも
     噂だけではないようだな・・・」
 中でも比較的新しい機体がゴウの視界に入る。
ゴウ  「こいつはイケそうだ・・・」

 異空間から現れた正体不明の敵の攻撃により、守備隊はほぼ壊滅していた。
 なおも迫り来る透明円盤の一画に強烈なビームの束が叩き込まれる。
 その一撃はゴウの機体「R-O」から発せられたものであった。
ゴウ  「すげえ!こいつはイカす!!」
 R-Oの運動性と機動性、武装は、ジェガンとは比較にならないほど強力であった。そして、ゴウのパイロット技能は、それを十二分に使いこなしていた。
 R-Oが一気に円盤群を蹴散らそうとするその時、新たな機動兵器群が出現する。
 それは、地球圏に飛来したバルマーの戦闘部隊であった。
 巨大な要塞はその状況を確認すると、円盤群を後退させ、再び異空間に姿を消した。
ゴウ  「何機来ようとも、今の俺には無駄だぜっ!」
 ゴウの叫びに呼応するかのようにR-Oが異様なフィールドに包まれる。
 次の瞬間、背面に装備されたキャノンから、高出力のビームが敵機を貫く。
 R-Oとゴウの戦闘力は、現れたバルマーの機動兵器群をも打ち破るのであった。

 グリプス3に帰還したゴウを待っていたのは勝利の歓声ではなく、守備隊壊滅のパニックであった。
 そのゴウに1人の若いメカニックが近寄る。
レオ  「R-Oを起動させたのは、お前か?」
ゴウ  「アンタは?」
レオン 「俺はレオン=エスター。あのPT(パーソナルトルーパー)を整備したものだ」
 そのメカニック、レオはドッグに忍び込み、廃棄状態にあったR-Oを独自に整備したのであった。
レオン 「R-Oの整備は完璧だったはずだが、今まで起動に成功したことはなかった・・・」
ゴウ  「ま、メカが俺を選んだってことさ。
     さ~て、愛機には名前をつけてやらなくちゃ・・・
」 ゴウ  「ゼロサス!決めた、コイツのコードはR-O「ゼロサス」だ!」
 異空間から現れた謎の戦闘機、謎の要塞。
 混沌の中、ゴウ=ムゲンとR-O「ゼロサス」の戦いが始まろうとしていた。
                                      続く

◆ゲーム進行
・テキストによるプロローグ表示後、主人公キャラクターメイキング。
 手順は「第4次」系と同様で、性格も4種から選択する。
 最後に「スーパー・リアル」の代わりに「格闘系」「射撃系」かを選択する。
 (ここでは便宜上、僕のキャラクターを使用して話は進みます。)
   主人公「ゴウ=ムゲン」(愛称 ゴウ)・男性
   性格 「理論家だけど異性好き」
   系統 「射撃系」
・冒頭、エネルギー反応観測の報告。守備隊出撃命令。
・タイトル後、マップ上にジェガン隊出現。
 先輩兵士とゴウの会話。キャラクターの性格、性別毎に内容は異なる。
・ジェガン隊の前方のマップ歪んだ後に、戦闘機「パルサバーン」出現。
 (パルサバーンは「バルディオス」のコクピット部の機体)
 パイロット(マリン=レーガン)気絶確認後、ジェガン2機はパルサバーンを抱えて後退。
・再びマップ歪み、要塞「アルゴル」(バルディオスより)出現。
 アルゴルはコロニー同様にマップ上の建造物扱い。
 ガットラー司令(バルディオスの敵S-1星人司令)の指示で透明円盤発進。
  透明円盤 タイプ:空   移動力:5  HP:1000 EN:80
       装甲 :130 運動性:25 特殊能力:無し
       レーザー砲: 攻撃力800 射程1~5(P)
・ゴウ以外のジェガン(2機)はNPC。
・ゴウ以外のジェガン隊全滅か、ゴウがダメージを受けると、
 メッセージの後、ゴウはコロニーまで強制的に後退。
・ドッグでの「R-O」発見イベントの後、R-O発進CGデモ。
 宇宙港の暗い通路を進み、カメラアイ点灯の後、一気に宇宙空間に飛び出す。
  R-O   タイプ:陸   移動力:8  HP:2600 EN:160
  (射撃系) 装甲 :300 運動性:40 特殊能力:ビームコートL4
        バルカン: 攻撃力330 射程1(P)
        小型ミサイル: 攻撃力900 射程1~5
        ビームソード: 攻撃力1000 射程1(P)
        マグナ・ビームライフル: 攻撃力1700 射程1~7
        T-LINKキャノン: 攻撃力2800 射程2~8 戦意110 EN40
  R-O   タイプ:陸   移動力:8  HP:2800 EN:160
  (格闘系) 装甲 :350 運動性:40 特殊能力:ビームコートL4         バルカン: 攻撃力330 射程1(P)
        小型ミサイル: 攻撃力900 射程1~5
        ビームライフル: 攻撃力1200 射程1~6
        メタルブレード: 攻撃力1700 射程1(P)
        T-LINKスラッシュ: 攻撃力2500 射程1(P) 戦意110 EN30
・ジェガン部隊は既に全滅。
 R-O、透明円盤は改めて配置。
 ゴウの戦意は130以上。
・透明円盤全滅、または数ターン経過後、バルマー増援出現。
 アルゴルはガットラーのセリフ後に亜空間(=異空間)に後退。
・バルマーが出現すると、ゴウのセリフが入りT-LINK武装が使用可能になる。
・戦闘終了後、相棒のメカニック出現。
 相棒の名前もプレイヤーが決定出来るが、性別は同性、性格は主人公と対になる。
 (僕の場合だと・・・)
  相棒「レオン=エスター」(愛称 レオ)・男性
  性格「クールでニヒル」
 レオによるR-Oの起動の疑問。
 ゴウはR-Oに愛称をつける。(ここでは「ゼロサス」)

◆次回予告
 異空間から出現した戦闘機は異星のメカであった
 戦闘機「パルサバーン」と異星人「マリン=レーガン」
 地球への移送任務を受けるゴウに迫る新たな敵
 コロニーの危機に、3人の青年は走る
 新SRW改 side:B 第2話「D-兵器」     お楽しみに

◆独り言
 はい、ついに始まりました「新SRW改 side:B」。
 末永くおつき合いをお願いします。

 「改B」の特徴は「主人公システム」を採用していることです。
 これはRシリーズを登場させないと、
 「改」の世界の根幹を成しているT-LINKが出せないためです。
 制作者の設定したオリジナルキャラを使用しないのは
 今後も続く「新SRW改プロジェクト」の一環のためです。
 詳しくは、そのうちに発表します。

 そして、その乗機「R-O」は、ネタバレになってしまいますが、
 「R-0(ゼロ)」ではなく、「R-O(オー)」です。
 もっとも、ゴウ達は「ゼロ」だと思いこんでいますが・・・。
 「R-O」の「O」は「Outer(規格外)」の意味です。
 「R-O」は「SRX」と別のコンセプトで開発されていたT-LINK兵器です。
 詳細については、シナリオの進行と共に明らかになっていきます。

 「改B」のもう一つの特徴は、同性の「相棒システム」です。
 これは、全部のメカを説明、修理してしまうメカニックが欲しかったのと、
 主人公との恋愛抜きの漫才(笑)をやりたかったからです。
 ゲーム上でも主人公との掛け合いが随所に登場します。

 マリンとパルサバーンは当分、活躍の機会はありません。
 バルディオスファンの皆様は、もう少しお待ちください。
 なお、透明円盤のデータはリンクページ「SRC」に投稿されていたものを、
 参考にさせてもらいました。
 (PSYさん、ありがとう♪)

 さて、次回は予告を見ての通り「ドラグナー」登場です。
 しかし、ドラグナーのデータはリンクページの「SRC」にも投稿されていません。
 というわけで、僕も頑張ってデータを作成するつもりですが、
 どなたかの援護を期待します。

 では、次回は来週になりますが、気長にお待ちください。
 それでは、お楽しみに。

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