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【ゴルフ】

桃子、指の痛みこらえ14度目V 「化粧もせずにコースへ来た」

2019年3月25日 紙面から

通算6アンダーで優勝し、仲間たちからフラワーシャワーで祝福される上田桃子(中央)=茨木国際GCで(神代雅夫撮影)

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◇Tポイント×ENEOS<最終日>

 ▽24日、大阪府茨木市・茨木国際GC(6219ヤード、パー71)▽曇り、10・1度、西3メートル▽賞金総額1億円、優勝1800万円▽60選手(うちアマ2人)▽観衆4435人

 1打差2位からスタートした上田桃子(32)=かんぽ生命=が5バーディー、3ボギーの69で回り、通算6アンダーで逆転の今季初優勝を飾った。2017年10月のマスターズGCレディース以来、1年5カ月ぶりのツアー通算14勝目。日本選手のツアー開幕3連勝は06年以来13年ぶりとなった。初日から首位を走った申ジエ(韓国)は後半失速、勝みなみ(20)=明治安田生命=とともに2打差の4アンダーで2位。2週連続&大会2連覇を目指した鈴木愛(24)=セールスフォース=は2アンダーで9位だった。

 このところ韓国勢を中心とした外国人選手にやられっ放しだったツアー序盤で、比嘉真美子、鈴木愛からのバトンをつないだのは桃子だった。

 「いや、もう、本当にまさか、まさかの優勝でした。何の前触れもなく突然、昨日の夜中に右手の中指がズッキーンと痛くなって目が覚めて。何か毒のある虫に刺されたのかと思った」

 早朝6時。家族やマネジャー、トレーナーなど“チーム桃子”のグループLINEに「今日、プレーできないかも」とSOS発信。「化粧もせずにコースに来た。車中からずっとマッサージやハリ治療、テーピングを施してもらったけど痛みは取れなかった」。朝食も取らず、練習はわずか20球だけでコースへ出た。

 「第2関節を曲げると痛いので、中指は浮かせてグリップ。私はもともと下半身で打つ、ということを心掛けてきたし、コーチにも『“スイングに右手はいらない”と証明して来い、おなかに力を入れて』と言われて、スタートしたんです」

 鎮痛剤を服用しても痛みは消えなかったが、思いの外ショットに影響は少なく、11番のバーディーからスイッチが入った。14番で6メートルのフックラインを沈め、16番ではショットをピンそば1メートルに絡ませ奪首。申ジエが15番をダブルボギーとしたこともあり、最後は2打差をつけた。

 「無心でボールに向かうことの大事さを再認識したし、アクシデントもポジティブに捉えることができたのが大きかった。目標は心技体。その順番で整えて、去年勝てなかった分もたくさん優勝したい」。21歳で賞金女王になった桃子の32歳の春らんまんだ。 (月橋文美)

 

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