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【大相撲】

貴景勝、大関決めた!電車道で10勝目 22歳、新時代は頂点目指す

2019年3月25日 紙面から

貴景勝(左)は栃ノ心を押し出しで破る=エディオンアリーナ大阪で(北村彰撮影)

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◇春場所<千秋楽>

 2場所越しとなった大関とりの歓喜のゴールは、やはり代名詞の電車道がよく似合う。貴景勝がかど番だった栃ノ心との“大関入れ替え戦”で、低い突進から一気に押し出して10勝目。ノルマとして課された2桁勝利を達成した。

 「小3から相撲をやってきて、小さい自分の体を何とか武器にしてきたことを思い出してやりました」

 原点を見つめ直し、相撲人生節目の白星をもぎ取った。相手が20センチほど高いのは当たり前。低く当たって、上体を起こす。そんな押し相撲を磨き続けてきた。

 武器を信じ切れなかったのが初場所の千秋楽。勝てば大関昇進が決まる一番で出足が鈍り、豪栄道にお株を奪われて完敗。昇進は見送られた。「このことを忘れちゃいけない」と胸に刻んだ悔しさを、そっくりの状況で晴らしてみせた。

 誰よりも晴れ姿を見てほしい人がいた。「親父、どこで見てました?」と支度部屋で報道陣に逆質問。今場所は、幼少期から二人三脚で歩んだ父親の佐藤一哉さん(57)が生観戦すると過去全敗だった。「情けない息子だったけど、最後に勝てて良かった」と一瞬、口元がほころんだ。

 取組直後、目元をぬぐったように見えたが「俺は絶対、泣かない。『人前で泣くな』って親父との約束やから」。昇進問題を預かる阿武松審判部長(元関脇益荒雄)が、昇進を諮る臨時理事会開催を八角理事長(元横綱北勝海)に要請し、了承された。27日、正式に大関貴景勝が誕生する。

 「そこ(大関)がゴールじゃないから泣く必要はない。さらに上を目指さないと」。平成最後の土俵で示した勢いのまま、新時代の頂点を目指す。 (志村拓)

 

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