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著名なセキュリティーリサーチャーのpiyokango氏が注目するシステムトラブルをピックアップ。今週の注目ネタは…。
2019年3月初めの注目ニュースは3件。最初は、機密情報を持ち出した従業員が書類送検された事件を取り上げる。
退職する従業員のパソコンから機密情報持ち出しの痕跡(3月8日)
臨床検査機器メーカーのアークレイの元従業員が、同社の機密情報を社外に持ち出した容疑で書類送検された。同社は、その従業員が使っていたパソコンを調査したことで痕跡を見つけたという。
2018年5月に退職届を提出した元従業員は、機密情報を取り扱う立場にいた。同社の機密情報とは、技術や営業の資料、患者や医療従事者の個人情報などである。
同社によると、元従業員が使っていたパソコンを調べたところ、患者885人分および医療従事者2603人分の個人情報や、同社の技術・営業資料が外部メモリーなどに書き出されたログを発見したという。
ログを基に本人に確認すると、USBメモリーを使って私物のパソコンに機密情報のデータをコピーしたことを認めたとしている。
さらに同社は、元従業員の私物パソコンを調査した。そのパソコンからデータを外部に書き出したログは見つかっていない。同社は元従業員を2018年7月に刑事告訴し、同月末に懲戒解雇した。
転職先で自分の立場を有利にするために、職場から機密情報を持ち出す事件はたびたび起きている。今回のケースでは、退職前にパソコンを調査したおかげで、大きな被害に発展せずに済んだ。
http://www.arkray.co.jp/japanese/news/press/release20190308_jp_jp.html