具体的な調査方法の流れ
最初の目標は自分の高祖父母(ひいひいおじいさんおばあさん)を全員(16人)探す事です。
次はその上(32人)を探します。頑張れば32人のうち、半分位は分かります。
ご先祖様の中に古い旧家がある場合は突出して遡れます。
1 戸籍・除籍謄本入手 | 6 親戚の紹介で寺の過去帳を見せてもらう |
2 死亡記載除籍謄本入手 | 7 付き合いの無い遠縁親戚に手紙を出す |
3 家系図作成 | 8 遠縁親戚宅で過去帳、墓石調査 |
4 旧土地台帳調査 | 9 遠縁親戚紹介で寺の過去帳見せてもらう |
5 親しい親戚宅で過去帳、位牌、墓石調査 | 10 図書館など |
1戸籍・除籍謄本入手~2死亡記載除籍謄本入手
戸籍には明治以降の自分の先祖の名前、生年月日、死亡年月日、両親の名前、など記載されております。
要するに、戸籍という公文書を入手するだけで、江戸末期~明治初期までの先祖を遡れます。
だいたい3代~6代位前の先祖が判明させることができます。まずは戸籍を入手しましょう。
★プライバシー保護のため、戸籍は正当な理由がないと請求が出来ない場合があります。
特に自分と苗字の違う母系などの場合は、自分との繋がりを証明できるよう自分からの全ての戸籍を必ず持って行きましょう。
「これが私の戸籍で、私の母がこれで、母の母がこれで・・・」と説明できます。調査の際は全ての戸籍謄本を携行しましょう。また、役場の方とはいえ人間です。最低限の礼儀はわきまえ、短気は起こさず丁寧に応対しましょう。戸籍謄本は信頼性の高い公文書だという事を肝に銘じておいて下さい。管理はしっかりと行いましょう。
○直系、傍系について
直系とは自分の親、祖父母と倍々に増えていく全員(養子がいれば養父母、実父母の両方)で、その全員が請求できます。傍系はその直系の兄弟や甥、姪など直接血が繋がっていない方々で、通常、戸籍請求は出来ません。
戸籍請求の際の「直系」と「伊達政宗直系の子孫」の「直系」とは意味合いが違うので、認識しておいて下さい。
○戸籍について
現行戸籍(1948~)では「筆頭者」、それ以前は「戸主」と記載してあります。意味は大体同じです。戸籍請求の際は「戸籍の筆頭者」か「戸主」の名前で請求をします。「戸籍の筆頭者または戸主」=「父」と考えてください。母や祖母の名前で請求しても、ほぼ受理されません。それは、母や祖母は戸籍の筆頭者(戸主)ではない事が多いからです。(父や祖父の戸籍の中に母や祖母が入っています)
例えば、婿養子として祖父が入って来て家を継ぎ、戸主が祖父になりました。が、その後離婚、祖父が籍から抜けてからは戸主が祖母であり、祖母が戸主の戸籍になります。こういった戸籍は実際あることはありますが、きわめて稀、気にしないでよいでしょう。
戸籍には最初に本籍と筆頭者(大体が父)が記載されています。つぎにその筆頭者、妻、子供の順で記載されています。戦前の戸籍では戸主の父母、祖父母や兄弟、甥、姪、孫も一つの戸籍に入っていた為、調査が複雑になる事もあります。
家系図を調べる時に、自分の家だけ調べるということがあります。(例えば、田中さんなら「田中家」だけを調査)
しかし折角ですから、もっと深く掘り下げてみる事をお勧めします。(母方を調べる事を「女系じょけい)を調べる」といいます)
現在の自分が存在しているのは両親がいるからですね?祖父母がいます。さらに曽祖父母がいます。さらに・・・。そういう事を考え合わせると、自分のルーツ全てを調べてみたくなりませんか?WEBで「家系図」「家系」「家系図調査」を検索してみて下さい。結構な件数がヒットするのではないでしょうか。また、家系図調査・作成を請け負うビジネスもあります。それだけ、家系図に興味をもっておられる方が多いという事です。困った時は、インターネットが役立つ時代です。積極的に活用しましょう。
所で、自分のルーツに興味があるのは日本人だけではありません。英語で家系図の事をファミリー・ツリー(family tree或いはgenealogical tree)と言い、欧米では家系図調査を個人の趣味としている方が結構います。家系図調査の事を「系譜学(genealogy)」と呼び、学問として成立しています。
アメリカ、ユタ州ソルトレイクシティのモルモン教教会には、世界最大級の家系図図書館(Family History Library)があり、またインターネットでも公開し誰でも検索が出来るようになっています。(冬季オリンピックソルトレイク誘致の際、オリンピック委員会幹部に数万ドルの家系図を贈賄した噂もあり、欧米でも家系図に価値が認められているという事ではないでしょうか)
アメリカやオランダなどでは、誰でも閲覧できる(日本で言う所の戸籍の)データベースで、先祖を簡単に調査出来るようです。欧米と日本ではルーツ探しに対する感覚が違うようです。家系図から各国の歴史や国民性について調べてみるのも一興です。
話を日本の戸籍に戻します。戸籍請求で何回も役場に通うと担当者と仲良くなり傍系の戸籍を出してくれることもあります。
一つの役場で自分の戸籍からどんどん遡って請求している場合、戸籍係にも熱意が伝わり(主旨がわかり信用されて)請求困難な戸籍(不正ではないが直系尊属が父親欄にのみ記載されているような戸籍)をだして貰えるという事もあります。
ごくごくたまに戸籍係の方が大変に好意的で「あれも出しましょうか、これも出しましょうか」と言ってくれる場合もあります。(これも直系尊属が戸籍の片隅に記載されているような戸籍)その場合は何から何まで、全部、一つ残らず、出して頂きましょう。
その時は「必要ないよ」と思っても、調査を進めるにつれ「やっぱり必要だった」という事に気付きます。気付いた時に請求しても手遅れの場合があります。年々規制が厳しくなっている為、こういう事は滅多にありませんが、事例として心に留めておいて下さい。
極端な言い方をすれば、今日と明日、同じ戸籍を請求して、今日は請求受理され出してくれたとしても、明日は請求受理されるかどうかは分からない、というのが現状です。一期一会の精神で請求しましょう。
事前準備のポイント
○自分の戸籍を手に入れておく(先祖探しができない)
○除籍謄本請求は一日も早く行う(破棄される)
○戸籍請求に行く時は役場開場同時に到着する(先祖の戸籍がどこにあるか予想がつかない)
ポイントの解説&事前準備の流れ
両親に先祖の事を聞く→1自分または親の戸籍謄本入手→2両親の出身地役場調査→3休日の設定→調査行
調査の前に両親や祖父母などから先祖の事を聞いておくと良いでしょう。「先祖がどこの出身か」「管轄役場はどこになるか」は調査しておきましょう。尚、冠婚葬祭は親戚が集まるので先祖の事を調べるチャンスです。積極参加し、先祖や家系図についてどんどん聞いてみましょう。
また、「うちは旧家で明治以降は墓も過去帳もあるからとらなくてもいい」という方も中にはいらっしゃるでしょう。
しかし、詳細な事まで判るので必ず入手しましょう。
まず自分(または親)の戸籍謄本を請求(450円)しましょう。自分(または親)の本籍地を調べ、管轄の役場に印鑑と運転免許証を持参して、請求に行きましょう。(本籍地は運転免許証に記載されています。本籍地が分からない場合は親に聞いてみるか、住民票を見れば(取れば)わかります。住民票は住所地の役所で取れます。)
この戸籍謄本を請求しておかないと、今後の調査が出来ません。まずは請求して、大切に保管しておきましょう。
この(自分または親の)戸籍謄本は以降の調査行でずっと携行します。
戸籍謄本で自分の両親の本籍地を調べ、本籍地管轄の役場がどこか調べます。次はそこへ戸籍謄本を請求に行きます。役場の場所、どうやって行くか、費用、時間、両親が別々の出身地なら同じ日に請求に行けるのか検討しましょう。訪ねる役場の電話番号、住所、開いている時間、その他時刻表などは、メモを作っておきましょう。
適当な休日(土、日、祝、年末、年始以外→要するに平日)を作ります。月曜と金曜は役場が混み合うので避けたい所ですが、無理なら平日いつでも構いません。友人と一緒に行く場合は、事前に予定を合わせておき、交通費負担等の打ち合わせもついでにしっかりやっておきましょう。
請求の当日は、役場の開場時間に到着しましょう。その為にはいつ出発したら良いか十分な検討が必要です。