マカの効果は？｜大地の恵みを男の自信に―インカ帝国で愛された根菜―

マカとは？

マカは、南米ペルー中部、アンデス山脈の高地に生息するアブラナ科の植物である。大根やカブ、ブロッコリーなどの仲間で、マカ根、レピディウム・ペルビアヌム、ペルーニンジンなどとも呼ばれている［1-3］。

マカは土壌成分を吸い取って成長し、栄養価が高い

マカは「収穫した後8年間は栽培できない」といわれるほど、土壌成分を吸い取ってしまう根菜である。そのためか、マカの根には必須脂肪酸（リノレン酸）、必須アミノ酸、鉄、カルシウム、銅などが豊富に含まれており、栄養価が高いと評されている。

インカ帝国で愛されたマカ

ペルーでは3千年前よりマカを栽培してきた。栄養価が高いため、インカ帝国の時代には特別な野菜として扱われ、神への供物とされてきた。1980年代になって、マカを食べているアンデス高地の高齢者は快活であることが知られ、海外から注目されるようになった。現在でもマカの栄養や効果に関する研究が進められている。

マカを摂るならサプリが手軽

そんなに栄養豊富なら、マカを日々の食卓に取り入れたいと考える方がいるかもしれない。生のマカはすりおろして薬味のようにして使うと、ピリッとした辛味で牛肉や青魚などとよくマッチすると言う。

しかし、現実的にはマカを生鮮食品として入手することは簡単ではない。現在、ペルーでは種の持ち出しを禁止しており、日本での栽培数は非常に限られているからだ。日常的に摂取するなら、天日乾燥したマカの粉末を用いたサプリメントを使うのが手軽だろう。

マカのサプリは多くの種類が流通しているので、配合成分や配合量などを参考に、お気に入りの商品を見つけてみてほしい。サプリを選ぶ際のポイントを『男性用サプリメントの選び方｜失敗したくない・誰にもバレずに解決したい！』にまとめたので併せてご覧いただきたい。

マカは男性機能にどのくらい効く？

男性にとってマカは「性欲亢進、滋養強壮、精力回復、精子の質の向上などの効果があり、男性ホルモン（テストステロン）の分泌を高め、抗酸化作用により身体を若々しく保つ」と一般的にいわれている。現在のところ、これらの効果がすべて科学的に証明されているわけではないので、「マカは男性機能を高める」と断言することはできない。

しかし、有効性が示唆される研究結果がいくつか出てきているので、以下で紹介しよう。

マカの効果に関する研究（1）イタリアでの研究［4］

50人の軽度ED（勃起不全）患者（平均年齢36歳）を対象にした研究で、このうち25人にはマカ（1日あたり2400mg）を、25人には偽の錠剤（プラセボ）を12週間にわたり飲ませた。その結果、国際勃起機能スコア（IIEF5）の点数がマカを飲んだ人は1.6、プラセボは0.5増え、EDの症状が改善した。

しかし、このスコアはEDなしで22～25点、軽症EDで17～21点なので、今回得られた1.6点の増加はそこまで大きな改善ではないと解釈するのが妥当だろう。

マカの効果に関する研究（2）ペルーでの研究［5］

57人の成人男性（21～56歳）を対象にした研究で、30人にはマカ（1日あたり1500mg）、15人にはマカ（3000mg）、12人にはプラセボを12週間にわたり飲ませた。その結果、心理検査（ハミルトン評価尺度）の性的関心（セックスに対する関心）のスコアが、プラセボ群よりも、マカを飲んだ群でスコアが1.64改善した。

このスコアは0（なし）～2（重度）までの幅なので、性欲を失っていた人の性欲が回復したと考えられるのではないだろうか。

この他にも、マカが精液の質や精子の運動性を改善したと言う報告がある［6］。いずれの研究も、研究としての質は高くない（被験者の数が不十分であったり、試験結果を左右するバイアスに影響を受けたりしている可能性がある）ため、まるきり信じ込むのではなく、一歩引いて参考程度に捉えていただきたい。

マカの安全性

最後に、マカの安全性について触れよう。食品として食べる分には問題ない。マカ粉末から作られたサプリメントの場合は、少なくとも1日に3000mgを3か月続けたくらいでは、これといった悪影響はないようだ［3］。

とはいえ、マカを含んだ製品を使って体調不良を起こした例もごくまれに報告されているようなので、万が一、体調が悪くなった際には製品を持って近くの内科クリニックなどを受診するようにしてほしい。