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2014.05.23 11:00  週刊ポスト

1999年の画期的な抗鬱剤の日本上陸が鬱病大発生させた原因か

「従来型の抗うつ薬は薬価(薬の価格)が安かった。だから、製薬会社にしてみれば“売ってもあまり儲からない”ということで、精神科医を営業の対象にはしていなかった。それが、従来の抗うつ薬に比べて3~5倍も値段が高いSSRIが認可されると、抗うつ薬市場は一気に製薬業界にとって“オイシイ”マーケットになって、精神科医は大のお得意様になった」

 前述した患者数と抗うつ剤市場のデータによると、患者数は2倍なのに、抗うつ薬の売り上げが8倍になっていることを、不思議に思わないだろうか。このデータは、単に患者が増えただけでなく、高額な薬を売ることで、製薬業界は大きな利益を上げたということを示しているのだ。

 それにしても、画期的な新薬が登場したのならば病人が減るのが普通だろう。本当にSSRIがきっかけでうつ病患者が増えたのか。

 実は、日本よりおよそ10年早くSSRIが承認された先進各国でも同様のことが起きている。前出の冨高氏によると、イギリスやアメリカでも、それまでは変化のなかったうつ病患者数が、SSRIが承認された年から10年足らずで2倍になった。さらに、現在の日本同様、休職率は悪化し、抗うつ薬市場が急成長するという現象が起きたという。

※週刊ポスト2014年5月30日号

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