Antiphona -Die Apokalypse fur Helden-

 

―Vorspiel―

 

 

 

1939年9月1日、かつての大戦における痛烈な敗北により臥薪嘗胆の日々を強いられるも虎視眈々と復活の時を待ち侘びていた大ドイツ帝国は、満を持してポーランドへと侵攻を開始。

有史以来人類史上最大かつ最悪の戦火を引き起こすこととなる第二の大戦、ここにその幕が上がった。

 

事の起こりを語るならばどこまで遡ろうと限がない。

しかし直近の出来事にのみ絞るならばまずは要因その一、初の世界大戦におけるドイツ国の敗北が挙げられるだろう。

そしてそこから派生する第二の要因、すなわちアドルフ・ヒトラーの台頭である。

1920年、国家社会主義ドイツ労働者党の設立を機に、彼はドイツ国の権力を掌握し始める。

紆余曲折を経た後、1933年には政権を獲得。

以降、ドイツ国が耐え忍んできた雪辱を晴らすべく世界に覇を唱えんと攻勢に出る――かのように思われた。

1938年、大規模なクーデター及び総統兼首相アドルフ・ヒトラー暗殺事件発生。後に鮮血の噴水事件と呼ばれることとなる出来事である。

事件の首謀者は貴族でありユーゲントの主席卒業生にして弱冠18歳の少女。

その容貌は良くも悪くも18歳には見えない12歳前後のそれであるが、靡く金髪は見る者を魅了し、透き通る蒼の瞳は見る者を射竦める。

纏う雰囲気は一見幼気な容姿に反し、耳順を迎えているようにさえ思わせる。

まるで神話の1ページから飛び出してきたかのような存在感は、神秘的と表現することに一切の躊躇いは要らない。

アドルフ・ヒトラーを弁舌のカリスマと称すならば、少女はカリスマ。つまるところ小手先の技に頼ることなく人々を惹きつけ跪かせる生粋の巨星である。

ユーゲントを主席で卒業するだけの頭脳と技能、強靭な精神力、貴族という家柄、現し世の者とは思えぬ美貌、それらより付随する強烈なカリスマ性。

身も蓋もない言い方をすれば怪物。魔術と科学の過渡期、混沌の時代に生誕した魔性の傑物。

ヒトラーよりもむしろ彼女に惹かれた存在は数多く、その傾向は彼女が正式にナチスに入党した後により顕著となる。

地位に甘んじることなく彼女はそれらの条件を活かし、個人的な親交、家柄を用い多方面へパイプを構築。

これらを疎んじたヒトラーは彼女の暗殺、ないし失敗したらば国家反逆などの罪をなすりつけゲシュタポへの収監を企てる。

そして計画は実行に移され、少女への暗殺未遂事件が発生。鮮血の噴水事件の前日のことである。

ヒトラーの企てを知りながらあえて見過ごしていた少女は、同胞たる党首の裏切りにより殺されかけたという大義名分を掲げ、前々より画策していたクーデターを発動。瞬く間に権力、指揮系統の簒奪に成功。

難なく総統兼首相の椅子に腰を掛ける。

以後は己の信奉者やパイプを駆使しつつ、組織の再編を図るとともにクーデターによる総統の代替わりという大騒動による民衆の混乱を治めることに奔走する。

新総統として表舞台に立った彼女は存在感としてのカリスマだけでなく、弁舌すらも先代総統に何ら一切劣ることなく発揮され、波乱も束の間、ヒトラーをも上回る爆発的支持率を瞬時に獲得する。これによりアドルフ・ヒトラーは過去の人となる。

だが表はそのような輝かしいものであろうと、帝都の暗部では多くの人間の思惑が絡み合い、権謀術数が渦巻いていた。

少女はそこで己に逆らう者達、さらには己の支持者であろうとも、帝国の害となる不穏分子を容赦なく粛清し、軍内部の腐敗を徹底して取り除いた。

また、旧体制から多くの制度を改革したもののナチズムのイデオロギーである民族主義……すなわちアーリア人至上主義、そこから生じる人種差別主義を継承しており、国家に纏わりつく寄生虫としてユダヤ人始め劣等の烙印を押した人種を迫害している。

しかし情状酌量の余地も設けており、人種は違えど名誉アーリア人として国家のために懸命に生きようとしている人間ならばユダヤ人であろうとアーリア人種に次いで活躍の機会を与える。

しかしそうでない者は家財没収の上強制的に国外追放処分、これに逆らうならば投獄となる。

ある種潔癖とも言える少女であるが奇怪な点もあり、それは彼女は必ず自ら殺した者の血を啜るということである。

加えてその有様は残酷な様相を呈していると言うよりむしろ死を悼み、同時に祝福をするかのような神聖な儀式にさえ見える。

事実少女に憤怒や愉悦の表情はなく、哀れみながらも一切の躊躇や後悔を懐かぬ静謐な覚悟を思わせる信念が見て取れる。

そのような彼女を知る者らによりつけられた渾名が吸血姫《カーミラ》。

その名はこれから先、彼女自身の行動を通じて市井にも広く知られるようになり、やがて世界に波及し彼女の代名詞、ひいては国家のイメージにまで至らしめる。

叛逆の鉤十字に加え、数多の犠牲に血塗られた逆十字……それが新生ドイツ第三帝国のシンボルマークにして魔の刻印。

一夜にして伝説の域にまで上り詰めた稀代の美少女総統閣下……彼女の名は――

『ヴェロニカ・クラリッサ・フォン・エンゲルハルト』

何より国民を愛し、国民に愛され、世界を愛憎し、世界に憎まれた少女のその名は如何な形で歴史に刻まれるのか――

今はまだ、誰にも分からない。

 

 

1938年、帝都ベルリン。

大規模な軍事クーデター、通称鮮血の噴水事件の後、新総統による軍の再編成が行われていた。

先に行われた第一の大戦で痛烈な疵痕を負ったドイツ帝国が再び世界を敵に回すにあたり、腐敗と混乱入り交じる組織の適正化こそが目下最重要項目である。

ゆえに各々の将兵の適性を厳格に測り直し、采配する必要があった。

前体制では男尊女卑を旨としており、女は士官であれども決して風当たりは良いとは言えなかった。

しかし新総統が女性である以上その気風を通すことは難しい。

当の少女総統は社会を効率良く機能させる上で男尊女卑の形態こそ最良であると述べてはいるものの、以前と比較すれば実力至上主義であり、また“強い女”の台頭を妨げることはできなくなっていた。

そんな中、必然であろう、一人の少女が頭角を現す。

彼女の名は『ヘルミーネ・ファーレンホルスト』

年齢17歳、身長170cm、武装親衛隊・第1SS装甲師団《Vanargand(ヴァナルガンド)》所属。

切り揃えられた黒のセミロングヘアに獣を思わせる赤い瞳、かと言って顔立ちは粗暴ではなく怜悧に整っている。

端正な白い肌にはそれと相反するように大小様々な疵痕が残っている。

中でも眉間から頬にかけての一筋の斬疵、それに重なるように右頬に一文字、さながら斜めにかけられた逆十字は何より目立ち、一目見て注視しないでいられる者など存在しないだろう。

彼女は貧民窟《スラム》の出身であり、日々喧嘩……否、生存闘争を繰り返していた。

その脅威は表にも知れ渡り、秘密国家警察《ゲシュタポ》に目をつけられ、15歳のクリスマス、治安擾乱の罪として逮捕される。

だが通常死刑となるところを戦闘・生存能力に価値を見出され、死か軍属となるかの二択を迫られ今日に至る。

それは当人にとっては苦渋の選択ではなく、むしろ僥倖であった。

彼女は見てきた。パンの一切れを得るために、文字通り物理的に身を削って生きる者達を。

生きるために自らを死へ追い込む二律背反。

光の当たらぬ端の底、今日を生きるために身を売り、時には何の対価なく理不尽に辱めを受ける者達。

抵抗力を失った身体は怪我を治癒できず傷口を化膿させ、薬がないために処置もできず、包帯もないために生傷は保護できないどころか日々拡大していく。

身体の端々はだんだんと腐り始め、動けぬ身であるのをいいことに鼠や虫螻が肉体を齧り取ってゆく。

血涙と血反吐を垂れ流し蹲る姿はもはや内傷外傷感染症……いずれによる末路か判別はできないしきっと総てなのだろう。

そんな者らに天の救いが訪れることはない。

内臓の損傷か空腹か懐胎に依るものかさえ分からぬ肥大した腹部を抱えながら、人語ともそうでないとも解せる獣の慟哭を漏らし、大量の蝿と蛆に祝福され、血と腐肉と排泄物とその他諸々誰のものとも知れぬ体液で構成された汚泥に沈む。

そう。決まってそうだった。そんなものを少女は幾度となく見てきた。

少女には力があった。己に向けられる理不尽な暴力の嵐に呑まれず抗うだけの力が。

少女には力がなかった。ただ一人の弱者《たにん》に人知れず浴びせられる一発の拳を防ぐ力さえも。

スラムとは掃き溜めだ。それは警察権力すら及ばぬ闇の領域でもある。

警察は弱者中の弱者に対し味方をするどころか、むしろ塵は塵同士殺し合って数を減らせ俺達の手間を減らしてくれよと弱者と弱者の潰し合いを迎合する有様だ。

少女も“掃かれる”側ゆえに助けは乞えない。

同時に塵屑《スラム生まれ》は助ける側にも立てない。立てなかった。これまでは。

ゆえに軍の狗になるという選択は、願ってもない彼女の夢の第一歩であった。

この時点において少女は何の権威もないただの暴力装置でしかなかったが、いずれ伸し上がり権力を手にして遍く弱者を掬い上げるのだと誓いを胸に邁進する。

筆記試験を基準にするなら頭脳は下の上のレベルだが、これは掃き溜めの出身であるがゆえのことである。

読み書きを覚えるところから始め、一年程度で比較的エリートの多い軍において下の上に到達したことはむしろ称賛されて然るべきだろう。

そこから勘案すればむしろ頭の出来は最低でも上の下はあると言える。

ただ何よりも着目すべきは異常の域にある驚異的な身体能力、それより派生する戦闘能力。

まず、彼女はあらゆる兵科において極めて高いレベルの成績を叩き出している。これを俗に万能という。

中でも一際目を引くのが戦車乗りとしての才であった。

常に高い技量を要求されるのが車長、操縦手、砲手であるが、彼女はどれを取っても親衛隊《SS》を含めた全兵士の中で最上の結果を叩き出した。

このような者を、全兵の顔と名を記憶していると言われている帝都に名高い少女総統閣下が見逃すはずもなく、直々に召喚し親衛隊長、筆頭戦車長の任を与えるとともに少将の位を任命する。

同時に総統はこの少女が“常人”ではないことを看破しており、有事の際には人目を憚らず“全力”の発揮を許可している。

愛車はⅣ号戦車の特殊発展型重戦車『Wolf(ヴォルフ)』。

そのスペックは現行科学の領域を大きく逸脱しており、コスト云々の問題ではなく、データを見れば“物理的に製造不可能”と断ずるのが不文律である。

それを実現した本車輌は存在自体がオーバーテクノロジーと称されており、この時代のみならず数世代先においても実現できるものなのかと帝都の技術者・科学者を唸らせている。

可能性の未来において、ティーガーⅠという重戦車が存在するが、ヴォルフはティーガーⅠより車体が小さく中戦車のスケールに近い。

そうでありながら装甲はティーガーⅠより遥かに強固であり、さらに主砲も前車と同口径、にも関わらず車体は揺らぐことなく破損もしない、また砲撃精度も前車を凌駕する。

機動性は言うに及ばず他の中戦車を上回り、燃料効率にも優れる。まさに埒外の存在であり、それこそオーバーテクノロジーたる所以。

このヴォルフは総統が個人の伝手で特注したもので、ヘルミーネ専用のワンオフ車輌となる。さながら一匹狼《アインザマーヴォルフ》。

絵空事を実現した魔の戦車輌を、いったい何処の異世界に発注したのかは総統以外誰も知らない。

1939年の開戦を以て、遂にキャタピラは回り始める。

凱旋を待ち侘びる民の希望を若く小さな双肩に背負い、鉄騎《ヴォルフ》を駆るヴァルキュリアは地獄を謳う。

英雄の選択と行動は如何な結末を生み出すのか――

今はまだ、誰にも分からない。

 

 

 

 

 

一方、極東の島国――大日本帝国でも一つの動乱を迎えていた。

1926年12月25日、大正天皇崩御。

民衆は帝の早過ぎる死を嘆いたが、皇室ではその死を嘆くより前に急務に駆られていた。

次期天皇の選定である。

大正天皇は子宝に恵まれず、息女を一人残すのみであった。

第一の問題は嫡嗣が“女性”であるという点。男尊女卑の真っ只中である社会において、国の頂点に女を据えるのは非常に具合が悪いのである。

次いでその幼さ。齢3歳であり、彼女が幼女であるか否かなど今更論争するまでもない。

つまり分家から引っ張ってこない限り、幼女を天皇の位につけなければならない。

実際、大正天皇の在位中から分家を用いるのが最良であるとの声が大きかった。

しかし世界の近況を少しでも知る者ならば、大日本帝国も決して安全ではなくいつ諸外国との戦争の危機に晒されるか分からないということは理解できる。

そんな時勢において、分家筋を用いるという反則行為を行うのは縁起が悪いとの意見も出始める。

本来あるべき形を歪め、張りぼての天皇を据えるならば、歪であろうとも正統な天皇を据え、一本筋を立てるべきではないか……と。

言うまでもなくこのような論は当時からしても時代遅れの験担ぎそのものであるが、逆に言えば男性天皇に拘るという論も現実論に見えてやはりオカルトの範疇なのだ。

いずれを選択しても方々から批判が出るのは間違いなく、どちらにつきようもない袋小路な在り方は、混沌とした世界情勢における日本の立ち位置を象徴しているとも言えた。

頭が痛くなるような無駄な議論が続く中、遂に天秤は傾き始める。きっかけは大正天皇の忘れ形見たる幼女の逸話であった。

曰く、その娘は霊感に優れている。

曰く、その娘は秘術を使える。

曰く、その娘は神の御言葉を聞ける。

曰く、怪我や病に伏したことがない。

曰く曰く曰く――

どれだけのものが真実かは分からないが、議論のテーブルに着いている者は総てと言わないまでもそれぞれ幾つか心当たりがあった。実際に少女を知る者なら尚更である。

結論として曰く――御息女は卑弥呼の再来である、と――

この国は国政を神秘に委ねるほど旧時代的でないにしても、かと言って人智を超える領域を完全に否定できるほど物質世界を絶対視できるわけでもなかった。

つまるところ未知。

オカルトと言えばオカルト。しかしそんなオカルトに基づき、内実は傀儡ではあれども幼女天皇が即位することと相成った。

――時は流れて1939年。

知る者がかの少女を頭に浮かべるとき、そしてそれを一言で出力するならば浮世の者であろう。

日本人らしい艶めく黒髪は、絹よりも繊細で今まで見たどの女性のものより美しく、腰までさらりと流れている。

色白で小柄な顔の上には、丸くぱっちりとした目。西洋人のような鼻の高さはないものの、トゲのないなだらかなそれは日本女性の奥ゆかしさを表現し切っている。

唇はやや小さく桜色に煌めき、見る者を蠱惑した。

率直に言って、誰もが想像して、しかし存在し得ないような大和撫子だろう。

しかしそれと相反するように徹底して箱入りで育てられた少女は、16歳のハリのある身体を持ちながら精神年齢が酷く停滞しており、振る舞いは10歳前後の幼子のものである。

そのアンバランスさが醸し出す雰囲気は、もはや幻想が具現化した存在としか思えない。

然れども大日本帝国の頭として不足はなく、その浮世めいた美しさに酔った民衆の支持は絶大であり、奇しくも験を担いだ結果、日ノ本は順風満帆に事を運んでいるように見えた。

少女の名は『神楽宮 世櫻《かぐらのみや よざくら》』

元号は『神世《しんせい》』

『神世天皇』――それが少女、ひいては大日本帝国を象徴する名であった。

彼女の治世は神の世の到来を齎すのか、あるいは神の世を終わりを告げるのか――

今はまだ、誰にも分からない。

 

 

“大和”――それは大日本帝国の旧国名を意味するワード。

同時に極秘に進められていた、とある計画のキーワードでもあった。

曰く世界最大最強の超々々弩級戦艦……などと子供の悪ふざけのような響きであるが、これを本当に建造しようという計画である。

当初は1937年の冬に起工、1940年の夏の進水を目標としていたが、とある超人の登場により計画は大きな転機を迎える。

その者の容貌は気質を体現したかのように整えられており、腰までまっすぐに伸ばされた漆黒の黒髪は線を引いたかのようにきっちりと切り揃えられている。

前髪も眉にかかったラインで切り揃えられ、胸元まで伸びた横髪もまた同様である。

切れ長の目には涅色の瞳。白い肌に繊細な輪郭は総じて美人のそれであり、現在日ノ本を治めている天皇の少女とは異なった趣の大和撫子だ。

大日本帝国海軍大将――『高天宮 無間《たかあまみや むげん》』

由緒正しき天皇家の近縁にあたる女である。

それと同時に、彼女の血筋は代々軍務に携わり多大な成果を上げてきた生粋の軍人家系。

長女として生まれた彼女であるが、男女の差異などお構いなしに幼少時より英才教育を施される。

しかしそれは彼女にとっても幸いなことであり、能力適性・性格共に資質に合致していた。

時を経て、士官学校を飛び級かつ主席で卒業する。

断言してそれは異常であった。もはや才能と研鑽の領域を超えており、真っ当な人類種にはありえないことだ。

人々は彼女に対し尊敬と畏怖を込め軍神と称した。

弱冠19歳の子女にして海軍大将という異例中の異例が罷り通っているのは、天皇が少女であることでも、由緒正しい家系であることでもなく、彼女が“高天宮無間”であるという一点に尽きるだろう。

閑話休題、件の戦艦大和建造計画を擁する通称③計画は1937年より始動する。

当時彼女は17歳であったが、その時点で日本の未来を担う高官であり、計画は当然彼女の耳にも入っていた。

その瞬間に彼女は決意する。我こそが大和《ひのもと》を率いて祖国に栄光を齎すのだと。

計画書に目を通した彼女は会議で一言。

『この大和《ていど》では生温い』

そして改良案を提言する。だがその内容は子供じみた机上の空論もいいところであり、人並みの艦の知識を持つ者には軍神にも子供らしいところもあるものだとの念を懐かせた。

が……それは即座に打ち砕かれる。

『元より他力には期待しておらん。計画は我が実現する。貴様らは黙して従え』

下々が呆気に取られたのも束の間、軍神も遂に気が触れたかと正気を疑われる。

彼女もそのような反応は承知のこと、自分が同じことを言われたら更に辛辣な反応を示すであろうことを弁えているゆえに言葉ではなく行動で示す。

すなわち“神の御業”。

人々の間でまことしやかに囁かれていたこと、天皇の血縁者は神通力を宿すことがある、と。

現に当代の天皇である神世天皇も、真偽はともかくとして超常の力の担い手として祀り上げられている。

彼女は今まで秘めていた神の力、その一端を現象として開示した。

その場に居合わせた者は、今度は己の正気を疑うことになる。

だが少女が手品などのペテンを弄した挙句、無理無茶無策の難題を強行するようなタマでないのは誰もが周知のことである。

何よりも、曰く神の御力が引き起こした非現実的な現象には、しかしそれを現実であると認識させる猛烈な説得力があった。

かくして改大和型戦艦建造計画は実行に移されたのである。

『大和』は予定よりも一年早い1939年8月8日に進水を迎える。

もはや戦艦ではない――その一言に尽きるだろう。

戦艦の枠に組み入れることさえ躊躇われるのだ。言うなれば戦艦が駆逐艦を自称しているようなもの。

ゆえに決戦艦《Decisive Battleship》。

全長340m、全幅45m、最大速力30ノット、航続距離8000/16kt、主砲51cm3連装砲4基搭載。

圧巻のスペックはさながら移動要塞。視認するだけで戦意喪失し卒倒しかねない魔物。

無論のこと装甲面は圧倒的であり、並の戦艦の主砲ならば直撃を受けても微塵も揺るがない。

華やかな大艦巨砲に慢心することなく最新鋭電探による索敵能力は勿論、対潜、対空設備も非常に強力であり、小物に呆気無く沈められる可能性を限りなく排除した。

また、自慢の51cm主砲も当たらなければ意味がないが、これも特大巨砲であるにも関わらず並の戦艦主砲水準の命中率を誇る。

無論のこと想定していた『大和』よりも大幅な出費を強いられたが、コストパフォーマンスを語るならば遥かに安価な仕上がりである。

あらゆる面において物理的にありえないスペックを実現している。

それもそのはず、『大和』には護国の化身が憑いている。

高天宮無間に宿った神力により物理を超越して顕現し、高天宮無間により率いられる。

虎に翼とはこのことだ。

一にして無敵艦隊。

そして誰もが考える。この御力を駆逐艦や各種巡洋艦、並びに戦艦、空母それに留まらず戦闘機に戦車、あらゆる総てに適用できれば大日本帝国は世界統一を為せる……と。

だがそのような都合の良いことは起こり得るはずもなく、高天宮無間の持つ神通力にも限界がある。

大雑把に言うならば能力のキャパシティである。リソースや魔力などに言い換えても良い。

己の能力のほぼ総てを『大和』に注ぎ込んだがゆえに、もはや駆逐艦一隻に対する余力すらない。

“神の御力”、最高級の血統、天井知らずの才能、血反吐さえ糧に変える研鑽、比類する者なき強烈な精神力……それら総てを結集させた結果が『大和』であり、仮に常人に力が宿っていたならば強化駆逐艦一隻の建造すら成らなかったであろう。

彼女は出し惜しまない。大和は決戦兵器であり、最後の最後まで温存する……などと生温いことはしない。そして闇雲に出撃するなどという無謀も冒さない。

必要な時に必要な分の勝利を得るために。その積み重ねが最終的な勝利をも勝ち取ると信じている。

大和艦首にて、高天宮無間は純白の軍服と外套を身に纏い、長い黒髪と共に棚引かせている。

彼女が視据えるは遥か水平線の彼方、その先で待ち受ける結末とは如何様なものなのか――

今はまだ、誰にも分からない。

 

 

『柳生 壱晴《やぎゅう いっせい》』……24歳、身長174cm、大日本帝国海軍所属。

黒髪のオールバックに、いまいちやる気の見えない目。

顔の作りそのものは整っており美男と言えるのだろうが、とにかく眠たそうな目つきと、漂う締りのない雰囲気の所為で台無しとなっていた。

背筋を正して目を隠せば子女の目を引く美丈夫である。

端的に、この男は変わっていた。

一つ目は物心ついた時からおかしな能力を使えるということ。

螺子が剣になる。蝶番が銃になる。あとは人より早く動いたり風を操ったり。

素面で宣えば大嘘つきだの誇大妄想狂と断じられるが、事実なのだから仕方なかった。

勿論頭のおかしい奴扱いされるのは嫌で、かと言って実演すれば研究だとかの名目で一生監禁されそうでそれも嫌なので誰に明かすこともなく黙っていた。

二つ目は、近年発覚した。

精霊が見える。

これらを公に口にするだけで、異常者度倍満は貰って施設《ハコ》にトばしてくれるだろう。

けれどやはり事実なのだから仕方なかった。

後者が発覚したきっかけは1934年19歳の時分、父が建造主任を担当した航空母艦『蒼龍』の建造に自身も携わったことだろう。

自分に備わったおかしな能力に彼は常々疑問に思っていた。

すなわちどこまでやれるのか、ということである。

物質を変換する能力について自分で色々と試していると分かったことは、一つ、質量に囚われない。一つ、既存の物理法則の枠に囚われない。

しかし試したことがあるのは自分一人で扱いきれる程度の物体のみであり、大物は未知の領域。

そこで己が疑問を解消すべく、『蒼龍』に対し能力を全力でぶつけてみることにした。

結論を先に述べると成果は大成功であり、実スペックは計画段階にあった『蒼龍』を遥かに上回った。

また、規格も計画段階より大型化されており、艦載機の搭載数と艦そのものの防御力の向上が顕著である。

特に計画時、最大の弱点であるとされていた各部の脆さを強力に改善している。

おかしな力によって超強化してあると言うわけにはいかないので、形式上は予定より上質な鉄鋼を用い装甲を厚くし強化したと申告してある。

しかし実数値ではそれを更に上回る強度であり、その頑強さは実戦で証明されることだろう。

同時に男は己の力量の限界を知る。

実のところ『蒼龍』を完璧に調整できたとは決して言えないと感じており、物質変換の力にはキャパシティがあることを理解した。

さながら人が掌に掬い切れる水の量に限界があることと同じ。

今までの“物創り”の実験では一滴二滴の小物を垂らしていただけだが、『蒼龍』という巨大建造物を扱うには文字通り手に余る。

また、余力を割けなくなるということも理解した。

つまり他の艦の建造に着手するということもできないのだ。

これまで創ってきたような小物ならば何とかというところだが、見て呉れはともかく質を考慮すればイマイチな出来になっていると言わざるを得ない。

そして大部分のキャパシティを『蒼龍』に注ぎ込んでしまった以上、『蒼龍』が沈没ないし解体されるまで己の能力が制限されることもまた理解する。

試してはいないが仮に無理に物質変換を行えば、『蒼龍』のどこかに綻びが生まれる確信がある。

そして当人も思いもよらなかったことであるが、初めての大成果である『蒼龍』に強い愛着を持つこととなる。

もはや『蒼龍』は己の艦であると断じており、艦長になることを決意、そのためにこれまで封印していたもう一つの力を鍛錬したと称し少しずつ開放していくとともに勉学に励む。

傍から見れば驚異的な成長速度であり、1937年、異例の早さで大佐に昇格。

同時に本人の強い希望と建造に大きく携わったこともあり、『蒼龍』初代艦長に任命される。

……その時期であった。

『蒼龍』を自称する女の精霊が見え始めたのは。

まず男は頭のおかしい女が現れたと思ったが、そのようなイカれた女が易々と艦上に上がれるものではない。

賊、あるいはお偉方のちょっとおかしい子供だと思った男は、憲兵に身元の確認をさせようとしたところ、今度は自分が頭のおかしい奴扱いをされる。

どうも自分にしか見えていないということが分かったが、そこから先は思いの外すんなりと受け入れることができた。

つまり、自分のようなおかしい奴がいるのだから、人外のおかしい奴がいても不思議ではない、ということである。

次に、『蒼龍』の精霊が見えるのなら他の艦はどうだろうと思い、蒼龍に他の精霊の存在の是非を尋ねてみたところ、自分がいるのだからいても不思議じゃないが実際のところ分からないとの返答をもらう。

では早速調べてみようと、他の艦にお邪魔してくまなく探してみたがそれらしい存在は見受けられなかった。

また、蒼龍は艦の外に出ることができないということも後々分かった。

男は蒼龍を不憫に思い、手を繋いだり、艦の部品を一緒に持つことで艦外に出られないかと試したが適わなかった。

が、精霊本人は別に苦に思っていることもないようで、仕方ないと笑っている。

神通力を宿す若き秀才『柳生壱晴』、大日本帝国初の本格空母にして最高傑作蒼龍型一番艦『蒼龍』、人々は彼らを併せて『晴天穿つ蒼き龍』と渾名した。

未だ蒼臭さの残る若造が如何に歴史を切り拓くのか――

今はまだ、誰にも分からない。

 

 

 

 

 

大英帝国――かつては世界にその名を轟かせ栄華を誇った国家である。

が、栄光はもはや過去の遺物であり、決して弱小国ではないにせよ、“普通の大国”にまで失墜した。

1939年9月3日、英国は仏国と共にナチス・ドイツに対し宣戦布告。

“戦争”はここから始まった。

名目はポーランドと結んだ相互援助条約に基づく救援であったが、これを機に大英帝国の威信を取り戻さんとの魂胆があったこともまた否定出来ない。

そんな国家の思惑に人生を握られている者達がいた。

少年の名は『アルジャーノン・ウィルコックス』

あらゆる分野に通じる正真正銘の天才であり、16歳にして英国秘密情報部、通称SISに所属。

身長178cmの痩せ型。

長過ぎず短過ぎない金髪のストレートヘアを流しており、無難な髪型であると言えるだろう。

シャープな輪郭と荒れ一つない肌は一見して女性のような繊細さを感じさせる。

普段からフォックス型のサングラスを着用しているが、これは持ち前の目付きの悪さを隠すためではない。

彼は瞳の色素が薄く、強い光を苦手としていることから幼少期よりサングラスを好んでいる。

またオッドアイであり右眼が赤色、左眼が青色である。

爛々と真紅に輝く右眼は、知る者には『魔眼』と称されており、そこから皮肉を込めて『魔眼《サリエル》』のコードネームを与えられる。

親はおらず孤児院で育ったが、彼には同じ境遇の実の妹がいる。

名は『レイチェル・ウィルコックス』

兄と比較して取り立てて目立った才能があるわけではないが、顔の造りは兄と並べても遜色なく、また目元も穏やかであるためあるいは彼女の方が上等と評価されるかもしれない。

少年は、この少女を国家に事実上の人質として取られている。

少年は物心ついた頃から特異であった。

頭脳は一流の大学生をも凌駕しており、思考能力が卓越しているのは言うまでもなく、各分野の知識もスポンジのように吸収していったが着目点はそこではない。

俗にいう超能力、これを使えたことに総ては起因する。

無論、おかしな能力を衆目に晒せば目をつけられ危険な目に遭うのも弁えていない少年ではなかったが、しかし否応もないことであった。

暴走――そう例えるのが適切であろうか。

日頃人の目につかないよう能力を行使していた少年は、やはりいつもと同じように極々小さく能力を発現させた。

きっかけはたったそれだけだった。

しかし世に溢れる事象は往々にして些細なことがきっかけとなっている。

ガスが充満した部屋に小さな火花を散らせば大爆発を引き起こすように、少年の中にもそうした要因が蓄積していた。

些細な問題を積もらせた銃は引鉄を引かれ暴発し、全く予期せぬ現象が発生する。

己の内より溢れ出す規格外の出力と望外の事態に対し、必死に抗おうとするが抵抗虚しく意識は混濁し始め、遂には己自身すらも知覚できなくなる。

後に残ったのは無傷の少年と、少年を中心とした半径5m圏内が球形に綺麗さっぱり消え去った爆心地であった。

この一件は表向きは爆発物によるテロ事件として処理されたが、少年は保護という名目の下に捕えられる。

超能力の存在を確認した政府は、超能力の研究と、類稀なる頭脳を欲し、これらを要求。

少年は拒否するが、ここは裏の世界の中枢……真っ当な交渉は端から行われない。

少年が必ず従うという前提で対話《てつづき》は行われているのである。

すなわち、従わぬならば少年の妹レイチェルの無事は保障できない……と。

己一人ならばどうとでも切り抜けられたが、妹を愛する少年にとっては自身の安全よりも妹の無事こそが最優先事項であり、要求を呑まざるを得ない。

かくして、兄妹共に国家に囚われることとなる。

これらのことを妹は知らず、兄は難しい仕事に就いていると言い取り繕っている。

その仕事内容の実情は、障害が残らない程度にせよ過酷な人体実験に加え、頭脳面ではジャンル分け隔てなく能力を揮い、行動面では潜入捜査及び暗殺を旨としている。

そんな少年に、首相名義のもと緊急招集がかかる。

1939年8月31日のことであった。

少年少女の想いなどお構いなしに世界は鉄風雷火の時代へと突入しようとしていた。

少年アルジャーノンは如何に世界に抗い、その先で己が理想《ユメ》を紡ぐことができるのか――

今はまだ、誰にも分からない。

 

 

 

 

 

GM所感

 

 

『ヴェロニカ・クラリッサ・フォン・エンゲルハルト』

 

説明不要なまでの格好良さ。

先に思いつかれた感すらあり、ぶっちゃけちょっとした悔しさを感じる。

と言うかこの子が主人公(の一人)ってこれマジ? ラスボスオーラ纏ってない? 大丈夫?

GM的には一番お気に入り。だからと言って贔屓は全くしないけども。と言うか当職が愛を持って贔屓すると何故かそのキャラに悲劇が降りかかりまくるんだよね。

初心者の頃ならいざ知らず、事ここに至ればGMは舞台装置と化す。

 

 

『ヘルミーネ・ファーレンホルスト』

 

ガ ル パ ン は い い ぞ 。

ただし、ガルパンカッコガチの血みどろワールド。

顔に派手な傷がある系女子。

いくらスラム生まれとは言え女の子の顔に傷は……とかいう甘えのない潔さ。良い。

戦車パラメータと戦車戦をどうやるか考えるのが超大変、まぁそれ考えるのも楽しいから大歓迎だけども。

あ、そうだ(唐突)

経験点はシナリオの展開に応じてこちらの判断で与えたり与えなかったりすると言ったけども、それとは別に戦車とか艦とか持っている子には乗員練度というシステムを与える。

この子で言うと、砲撃精度を高めたり機動力を上げたりとかそういうのだね。

戦闘の結果に応じてポイントを与えたり与えなかったりするから、うまく活用してほしい(これ以上強くして何をしたいのだ)

詳しくはまだ今度きちんと説明する。

この子は格好良い上に、主人公力高めだと思うから頑張って欲しい(小並感)

 

 

『神楽宮世櫻』

 

わがままボディJKの中身幼女の天皇陛下とかこれ考えた奴の頭どうなっておるのだ。

ここであれこれ語れないほどにシークレットな情報が多過ぎる。

色んな意味でやばげなキャラ。当職をして扱いに困らせるキャラ。であるがゆえに面白くもある。

なお、この物語はフィクションなので大正天皇は子に恵まれなかったとかそういう事実はないです。

 

 

『高天宮無間』

 

天皇の血筋その2、こっちはガチじゃない方。

外見イメージは、よく見かける女性提督イラストの目つきを悪くした感じらしい、胸は大きいのだとさ、それもう願望だろう。

頭良いという設定だが、しかし何故だか漂う脳筋臭。大艦巨砲主義の権化たる大和をガンガンに推していく辺り特に。

アレだ、きっと頭をフルに使った末に圧倒的な暴力が正義であると気付いたのだろう。全艦を一撃で沈められる性能があって、尚且つ自分は決して沈められなければ最強っていう。あれ、正論だ。

艦のパラメータと水上戦をどうやるか考えるのが超大変、はいデジャヴ、いやデジャヴではない。

関係ないが、苗字は高天原から取ってきたっぽいから『たかまがみや』と読むのかと思っていた。

それを言うと流石にその読み方は無理あるでしょと冷静に突っ込まれて、正論なのに無性に悔しかった。

なら無間って名前に無理はないのかねぇ!

 

 

『柳生壱晴』

 

念願の男キャラ。

どうやらPLの爺ちゃんがガチで蒼龍の乗組員だったことがある模様、無論艦長とかではないけども。

そこからお爺ちゃんの若い頃を勝手に想像(捏造)してキャラクリをし、再び戦地に赴かせるというなかなか心温まる背景があったようだ。

蒼龍を活かすためにモルフェウス組み込んだのは分かるが、もう一つになぜハヌマーンをチョイスしたのかと問うと、

「早死にしたので……」

などという小粋でブラックな返答を頂いた(ジョークとは言っていない)

でもまぁもっと長生きしてほしかったのに、早死にされると世界に対して皮肉の一つや二つ飛ばしたくなる気持ちは理解できる。

いやぁしかし設定聞いている時に急に艦の精霊が見えて……とか言い始めた時は何を言っているのだこいつはと心底困惑した。

精霊蒼龍のイメージは艦これの蒼龍っぽい感じ(適当)だそうだ。あのキャラの印象が強すぎて他のイメージが湧かぬと。まぁ、そうなるな。当職はその役を担当するつもりはないので一人二役でよろしく。

大好きだったお爺ちゃんをこれ以上どんなサイコ野郎に仕立てあげるのか大いに期待しているよ。

 

 

『アルジャーノン・ウィルコックス』

 

男キャラその2。

こういうイケメンを見ると酷い目に遭わせたくなるんだ。

もう王道を征く厨二設定だよな。

美少年、金髪、オッドアイ、天才、孤児、秘密国家機関所属、異能力者、魔眼、能力暴走、シスコン、サングラス(?)

多くの人間を悶絶させそうな設定のオンパレード。

妹を守りたいというシスコン意志が原動力ゆえに主人公力も高い。

我が卓ではなかなか見られないTRPG的なTRPGプレイに期待か……!?(煽り)

 

 

 

総括

 

皆ちょっとヤバくないかね。言っては何だが君らこんなにキャラデザのセンスあったっけ(褒め言葉)

何と言うか空気に染まっちゃったと言うか、もうメル病とか人のことを病気持ちみたいに言えんぞ感染しているぞ君ら。

この、強いキャラを作ろうと思って作りましたではなく、バリバリノれるキャラを考えたら強くなってしまいました感が素晴らしい。

それにもっと方向性がバラけるかと思ったが、軍属四人内三人はチートな乗り物所持と結構纏まったね。

おそらくは各々が戦争というキーワードを強く意識してくれたことと、単純に兵器を乗りこなして遊びたいという願望が合わさった結果かな。

ただ……枢軸国と言うか日本・ドイツに偏り過ぎィ! 連合国側一人だけしかいない。

GM的に目下最大の問題がアメ公をどうするかということ。

この世界でドイツと日本が同盟を組むのかは未知だが、史実に近い形で進行すればアメちゃんがカマセと化す。

そりゃPCだから当然なのだが日本・ドイツ勢がオーバースペック過ぎるのだよ。

戦局は覆せても戦争は覆せないんじゃないのと突っ込まれそうだが、二国共に国家元首が化物に成り代わっているから、国家としての戦闘能力(兵士の質や士気、科学力技術力その他諸々)にもだいぶ補正かかっているんだよね。

英雄だけがぽつんと誕生した程度なら西欧諸国お得意の数の暴力で潰せるんだけどな。

で、それに加えて異能力者の超英雄がチート兵器を操るわけだから一騎当千に偽りなしとね。

そのような事態は防ぐためには、君らのPCに負けないぐらいイカれたキャラを創らなければならない。

ゆえに連合国側の連中……に留まらずあらゆる勢力のキャラをどうするかちょっと悩んでいる。

今までと違って『強くし過ぎてはいけない』という悩みではなくなったのでね。

こうなってしまっては過去作のキャラをスペックそのままでコンバートしてくるか、メル友を使わない限り、このチート共を更に圧倒する連中は出せないと思っている。いやしないけどね。それぐらい今回の君らは強いと言いたかった。

まぁ、アレだ、こちらも真面目に化物共を作るから期待しておいてくれたまえ。

無論展開によってはせっかく考えたのに登場しないキャラが出てきたり、化物が味方につくことも有り得る。

あと、我が作品なり過去シナリオなりから絡みたいキャラがいる場合は、思いついた時点でその都度早めに頼むよ。転生に際して召喚する者らの設定を弄らなければならんのでな。

まぁ八割方希望に添えるとは思う。

これぐらいかねぇ。

では各々の健闘を祈る。この私に至高の歌劇を魅せてくれ。

 

 

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