韓国軍は米国の要請を受け2017年から北朝鮮船舶による違法な瀬取りを摘発する作戦を実施し、十数件を摘発した。国連安保理の対北朝鮮制裁委員会が先日公表した北朝鮮による違法な瀬取り事例の中には、実際に韓国軍が摘発したものも含まれている。制裁委員会の定例報告書によると、北朝鮮が船舶を使って石油製品などを取引した件数は昨年1-8月だけで148件に上る。制裁委員会は報告書の中で「北朝鮮は安保理決議に違反して石油製品や石炭の違法な瀬取りを増やしている」と指摘した上で、北朝鮮の南浦港を拠点に行われる瀬取りの実態も公表した。報告書には「海外の銀行や保険会社は自分たちも知らないうちに数百万ドル(数億円)規模に上る違法な石油製品の瀬取りに引き続き関与している」「石炭の瀬取りも増加しており、これらの違法行為は国連安保理の対北朝鮮制裁を無用の長物にしてしまった」などとも指摘されている。
上記の韓国軍関係者は「違法な瀬取りに関する情報が入れば、海軍が出動して証拠の収集に乗り出し国防部(省に相当)に報告する」「ただし公海上で民間の船舶が行っている行為を韓国軍は強制的に検問しない」などと説明した。海軍は証拠を収集して国防部に報告し、国防部は大統領府と安保理の対北朝鮮政策委員会に報告する。韓国軍関係者は「情報が入るたびに出動し、違法な瀬取りを監視している」と強調した。
ただし韓国軍は情報源の保護と流出防止などを理由に北朝鮮による違法な瀬取りについて一般には公表していない。白議員は「米国や日本などは安保理決議に違反した北朝鮮による違法な瀬取りの様子を撮影した写真を公表し、国際社会に注意を促しているが、韓国国防部と合同参謀本部は全くそうしていない」「これは政権の顔色をうかがう行為に他ならず、北朝鮮の核とミサイルの脅威を除去するための安保理決議にあいまいな態度を取り続けるのと何ら変わりがない」などと指摘した。
これに先立ち安保理は2017年9月、北朝鮮が6回目の核実験を強行した際、北朝鮮に対する石油製品の供給量を30%減らすことを定めた安保理決議2375号を採択した。同年11月に北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15型」を発射した時には2397号決議を採択し、北朝鮮への石油製品供給量の年間の上限を200万バレルから50万バレルに削減した。