街中の至るところに貼られるポスター。あの“長方形のキャンバス”には、アーティストの個性やスキルだけではなく、母国やその国の歴史も垣間見ることができるんです。

例えば東欧の場合。色使いや絵のタッチなど、日本のソレとは大きく異なります。なぜかというと、共産主義時代の影響をうけていているせいか、色使いは単調で、絵柄はシンプル。そして、全体的に闇を抱えていそうなダークな雰囲気を醸し出している……。

で、そんなポスターをじっくり鑑賞できるのが、首都ワルシャワにある「Muzeum Plakatu w Wilanowie(ヴィラヌフ・ポスター美術館)」。1960年代にオープンした、世界ではじめてのポスターの美術館です。現在、国内のものを含め約6万もの作品を所蔵。

戦後に掲出されたポーランドのポスターは、荒廃した自国の人々を勇気づけ、復興への希望を与えたとされます。そして、前述した独特な作風は世界中のデザイナーにも大きな影響を与えました。

ポスターという普段何気なく目にするものを通じ、半世紀以上もずっと自国の魅力を発信し続けているこの博物館。日本とは政治的、社会的背景が大きく異なるこの国の一面を知ることができるはずです。

Top image: © iStock.com/querbeet

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