【野球】星稜・奥川、一心不乱に42球 「集中したい」ブルペン撮影自粛を要請2019年3月23日 紙面から
平成最後のセンバツきょう開幕第91回センバツ高校野球大会が、23日に甲子園球場で開幕する。22日は開会式のリハーサルが行われ、出場32校の選手らが参加した。初日の第3試合で履正社(大阪)と対戦する星稜(石川)は、リハーサル後に兵庫県尼崎市内で最終調整。今大会の最注目右腕、奥川恭伸投手(3年)は報道陣に撮影自粛を申し入れ、集中力を高めてブルペンで投げ込んだ。 準備は整った。3季連続で挑む春の甲子園。開幕日の履正社戦に向け、奥川が好調を宣言した。「まずまず、いい調子。リハーサルを終えて、甲子園の地を踏んで、実感が湧いた。高ぶってきた」。充実の表情で最後の練習を終えた。 緊張感は高まってきた。初戦を控え、奥川は「集中したい」と申し出て、山下野球部長がブルペン投球時の撮影自粛を報道陣に要請。立ち投げだった冒頭のみの撮影とし、捕手を座らせてからは直球と変化球を計42球一心不乱に投げ込んだ。 「気持ち良く投げることを意識した」と奥川。見守った林和成監督(43)は「甲子園練習の7球も全球良かったし、昨日(21日)の状態も良かった。万全で行けるかな」とエースに太鼓判を押した。 リハーサル前に行われた両校監督の対談では、履正社の岡田監督が奥川を絶賛した。「日本一の投手」、「プロ野球の開幕戦で投げてもいいくらいの力がある」、「タイガースで投げた方がいい」などと賛辞を並べた。 岡田監督の前では苦笑いしていた林監督だったが「持ち上げ方がすごい。あれこそ、ほめ殺し。プレッシャーを与える作戦かもしれないけど、乗りません」と知らん顔。奥川自身も、リハーサル時に横浜の最速153キロ左腕・及川らとの写真撮影を求められたが、特に会話をすることはなく表情を崩さなかった。浮かれた様子は一切ない。県勢初の全国優勝へ、まずは難敵を破って勢いに乗る。 (麻生和男)
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