裕也さんの遺骨、希林さんと並んだ　葬儀後に本木雅弘さん明かす

　１７日に肺炎のため７９歳で亡くなった歌手で俳優の内田裕也さん（本名・内田雄也）の葬儀・告別式が２２日、東京都内の内田さんの自宅で営まれた。密葬で近親者ら約２０人が参列した。娘婿で俳優の本木雅弘（５３）が取材に応じ、「静かな微笑でした」と最期の表情を明かした。

　この日、内田さんの自宅から出棺し、都内の斎場で荼毘（だび）に付された。遺骨は本木家に戻り、内田さんが保管していた昨年９月に亡くなった妻・樹木希林さんの骨と並べたという。４０年以上別居していた夫婦が寄り添った。本木は静かに言った。

　「正真正銘、お墓に入る前にすでに一緒になっている。今、協議しているんじゃないでしょうかね。『あの世でこれからどうしますかね』って」

　安らかな最期だったという。「眠っている状態で『ふっ』と呼吸が止まった状態だという分析です。裕也さんの中では寝ているまま逝ったのではと想像しています」。１月中旬に肺炎で入院。２月上旬には退院したものの、同月下旬に誤嚥（ごえん）性肺炎で再入院した。

　樹木さんが生前「自分が亡くなる時に連れて行くと言っていた。『裕也は私が片付ける』って」と思い出を語り、「病と向きあう裕也さんと見守る家族が長患いしないように、樹木さんが気を利かせてちょっと早めに連れて行ってくれたと思います」と思いを口にした。亡くなる前日には、孫娘で女優の伽羅（１９）が米国から帰国して内田さんと会話を楽しんだといい、「家族としては最後のプレゼントだった」と明かした。

　また、今月末に予定していたお別れの会は、調整が付かず延期することも報告した。「裕也さんのことを愛してくれた人がたくさんいる。今年中には大きな形で」と説明。時間をかけ、邦楽ロックの礎を築いた破天荒な内田さんを送り出す準備をする。

　歌舞伎俳優中村獅童（４６）が２２日、都内で取材に応じ、公私に親交のあった内田裕也さんについて「真のエンターテイナー」とたたえた。

　獅童は、２１日に内田さんと対面し「きれいなお顔をしていた」。内田さんとは自身が無名時代の２５歳ぐらいに中村勘三郎さんを通じて出会ったという。内田さんは当時、人を介して獅童に「一人で来るように」と飲みに誘ったといい、１人で来た獅童に「テメーコノヤロー、いい根性してる」と言いながらも意気投合して朝まで飲んだとか。「面白いというか、時代を切り開くプロデュース能力がすごい。尊敬しています」としのんだ。