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【大リーグ】

【イチロー 一問一答(4)】「元、カタカナのイチロー」になるの? 監督は絶対無理。人望はない

2019年3月22日 19時39分

試合後、声援に応えながらグラウンドを後にするマリナーズのイチロー=東京ドームで(北田美和子撮影)

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 ―すごくシンプルな質問だが、現役選手を終えれば、一般的にはこの世界では監督になったり、指導者になったり、あるいは全く違うタレントになったりということはよくあるが

 「あまりシンプルじゃないですね、そこは」

 ―さっきは動き回ると言っていたが、何になるのか

 「何になるんだろうねえ。そもそも、なんかさあ、あの片仮名のイチローってどうなんですかね。いや、『元、片仮名のイチロー』とかになるんですかね。あれ、どうなんだろう。どうなんだろうね。元イチローって変だね。いや、イチローだし、僕って思うもんね。音はイチローだから。書くとき、どうなるもんね。どうしようか。何になる…。うーん、でも、監督は絶対、無理っすよ。これは絶対が付きますよ。うん。人望はない、本当に。人望がないんすよ、僕、うん」

 ―そうでもないと思う

 「いやー、無理ですね。それくらいの判断能力は備えているので。ただ、どうでしょうね。うーん。まあ、プロの選手とかプロの世界というよりも、アマチュアとプロの壁がどうしても、日本の場合、特殊な形で存在しているので。きょうをもって、どうなんですかね、そういうルールって、どうなんだろうか。いままで、ややこしいじゃないですか。たとえば、極端に言えば、自分に子供がいたとして、その高校生であるとすると、教えられなかったりとかってルールですよね、確か。違う? そうだよね。だから、そういうのって、何か変な感じじゃないですか。だから、まあ、きょうをもって元イチローになるので、それは小さな子供なのか、中学生なのか、高校生なのか、大学生なのか、それは分からないですけど、そこには興味がありますね」

 ―引退を決めた時期がキャンプ終盤と言っていたが、それ以前にも引退が浮かんで悩んだ時期はあったか

 「引退というよりは、クビになるんじゃないか、はいつもありましたね。ニューヨークに行ってからは、もう毎日そんな感じです、はい。まあ、ニューヨーク、マイアミもそうでしたけど、ニューヨークって、みなさんご存じかどうか分からないですけど、特殊な場所です。マイアミもまた違った意味で特殊な場所です。だからもう、毎日そんなメンタリティーで過ごしていたんですね。で、その、クビになるときはもう、まさにそのときだろうと思っていたので、そんなのしょっちゅうありました」

 ―そういう中で今回、引退を決意した理由は

 「マリナーズ以外には行く気持ちはなかった、ということは大きいですよね。去年シアトルに戻していただいて、本当にうれしかったし、先ほどキャンプ前のオファーがある前の話をしましたけど、その後5月に(特別補佐に就任し)ゲームに出られなくなる。あのときも、その(引退の)タイミングでもおかしくないですよね。でも、この春に向けて可能性があるというふうに伝えられていたので、そこも自分なりに頑張ってこられたということだと思うんですけれど」

 ―きょうの8回、ベンチに戻る際に菊池選手が号泣

 「いや、号泣中の号泣でしたよ、あいつ。もう、ビックリしましたよ。いや、それ見てこっちは、ちょっとわらけましたけどね」

 ―あの抱擁のときの会話を知りたい

 「いやあ、それはプライベートなんで、ええ。それは雄星がそれをお伝えするのは構わないですけど、それは僕がお伝えすることではないですね。秘密? それはそうでしょう。だって、2人の会話だから。しかも、僕から声を掛けているので、それをここで僕が、こんなことを僕が言いましたって、もうばかですよね、絶対信頼されないもんね、そんな人間は。それは駄目です」

 ―日本で9年、アメリカで19年。アメリカのファンへのメッセージは

 「いや、アメリカのファンの方々は、最初はまあ、厳しかったですよ。そら、もう最初の2001年のキャンプなんかは『日本に帰れ』って、もうしょっちゅう言われましたよ。だけど、結果を残した後の敬意というのは、これを評価するのかどうかは分からないですけど、手のひらを返すという言い方もできてしまうので、ただその、言葉ではなくて行動で示したときの敬意の示し方っていうのは、その迫力はあるなというような印象ですよね。だから、なかなか入れてもらえないんですけど、入れてもらった後、認めてもらった後はすごく近くなるというような印象で、がっちり関係が出来上がる。まあ、シアトルのファンとは、それができたような、まあ、それは僕の勝手な印象ですけど。でまあ、ニューヨークってのは、まあ、厳しいところでしたね。でも、やればそれこそ、どこよりも、どのエリアの人たちよりも熱い印象がある。でまあ、マイアミってのはラテンの文化が強い印象で、圧はそれほどないんですけれど、でも、結果を残さなかったら絶対に人は来てくれないっていう、そんな場所でしたね。それぞれに特色があって面白かったし、それぞれの場所で関係を築けたような、特徴がそれぞれありましたけれど、なんかアメリカは広いなあ、というふうな。ファンの人たちの特徴を見るだけでアメリカはすごく広いなあ、という印象ですけど、やっぱり最後にシアトルのユニホームを着て、セーフコフィールドじゃなくなってしまいましたけど、姿をお見せできなくて、それは申し訳ない思いがあります」

 

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