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それは 不思議な夢でした。
(萬平)わあっ!
うわ~っ!
うわっ!
(荒い息遣い)(福子)えっ えっ…。
どうしたんですか 萬平さん。
思いついた。ん?
思いついたぞ 福子。
(足音)
(幸)えっ!?
萬平さん?
カップを固定して麺を落とすから駄目だったんだ。
えっ?
麺を固定して こう カップを落とせば。
あっ。
つまり 逆にすればだ。
あ~!
これなら 麺を まっすぐに固定できるぞ。萬平さん!
(源)どうしたんや。これで解決だ 源!
えっ?
どうして どうして思いついたんですか萬平さん。 すごい!
夢だよ 夢。
夢?ああ。
♪「丸まってる背中に もらい泣き」
♪「恥じだって一緒に」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「飛行機雲ぼんやり眺む」
♪「心ここに在らず」
♪「年間トータル もししたら」
♪「付き合うあたしすごい?」
♪「とぼけてる眉毛に もらい笑い」
♪「照れだってなんだって」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「もらい泣き もらい笑い もらい怒り」
♪「もらいっ恥じ どんと来い!」
♪「晴天も曇天も霹靂も」
♪「さあ あなたとトゥラッタッタ♪」
(森本)製造ラインの設計図です。
おお これは随分と複雑だな。
(森本)麺生地をこねる所からカップをシュリンク包装する所までありますからね。
今までの商品とは比べ物になりません。
(真一)麺にカップを落とす工程は?
(森本)ここです。 1分間に50個のペースで麺をカップに詰めることができます。
よし。(神部)この製造ラインは いつ出来るんや。
10月までには なんとか。
(岡)そしたら あとはパッケージデザインだけですね。
ああ。
(忠彦)実は 名木君に考えさせてるんや。
名木君?
ああ 忠彦さんのお弟子さん。
真一さんは 僕に 新しくて 洋風で世界に通じるデザインが欲しいと言うた。
それは 萬平君の要望だろ。
ああ そうです。
それやったら 若い彼に任せてみてもええんやないかと思ってね。
もちろん デザインが上がってきたら僕が しっかりチェックするよ。
ああ… 分かりました。じゃあ 楽しみに待ってますよ。
まんぷくヌードルのデザインはお弟子さんが考えてるそうです。
名木君が…。
(克子)ほんまに大丈夫やの?名木さんに任せて。
(タカ)そんな大変な仕事名木さんに務まるんやろか。
彼にはセンスがある。 僕の弟子やぞ。そらそうやけど…。
まんぷくヌードルが会社の命運をかけた商品やということ名木さん 分かってるんでしょ。もちろん。
(2人)そやから心配やの。
(名木)ああ~…。
(アキラ)あかん。 思い詰め過ぎや。
ああ~…。
(しのぶ)名木さん。あっ!
考えるのはええけどもうちょっと 静かに。
僕 何か言うてましたか?
うなってたわよ。 「ああ~」って。
何にも思いつかないんです。まんぷくヌードルのデザインやなんて僕には無理や!いや 無理やないで。
無理やったらな香田忠彦画伯は君には任せん。できると思たから任したんや。そうよ!
(アキラ)重圧をエネルギーに変えるんや。
ええか こんな画期的な商品のデザインを任されたんやで。
すごいことやないか。 そうやろ。そうよ。
はい!(アキラ)よ~し。
絶対に失敗は許されんぞ。
えっ!はっ!?(アキラ)もし失敗したら…。あなた!
いや すまん すまん。ああ~!
やっぱり 僕には無理や!(アキラ)無理やない!
もう 黙り!
名木さん 大丈夫。 あなたなら できる。
ああ… 想像して。
ここに おいしい おいしいヌードルが入ってる。
萬平さんや 福ちゃんやみんなの思いが詰まったヌードルよ。
世界中の誰も見たことがない未来のヌードル。
未来のヌードル…。
これをキャンバスやと思て。
名木さんには どんな絵が見える?
まんぷくヌードル…。
ほら 見えてきた。見えてきたでしょ 名木さん。
見えてきました…!
(しのぶ)それよ 名木さん!
その翌日 病院を退院した鈴さんがおうちに帰ってきました。
(鈴)ああ ああ… やっと帰ってこられた。
(幸)おばあちゃんの部屋にお布団敷いてあるから休んでて。
(鈴)嫌よ。 帰ってきたのに寝てないといけないなんて。
(幸)そやかて 先生が…。ええやない幸。
おばあちゃんの好きにさせてあげなさい。(鈴)そうよ。
そしたら 今はいいから今日は早く休んでよ。
さっちゃんだんだん 福子に似てきたわね。
ええっ。幸 もうええから ほんまに。
いや せやけど よかったお母さんが 無事 退院できて。
ほんまは心配してたんよ 私。
せやけど 咲姉ちゃんが何べんも夢に出てきて。
咲?うん。
お母さんは大丈夫よって励ましてくれたからそれを信じてたの。
私の夢に出てきた咲は全然 心配してくれなかったわ。
さっちゃんかて タカと吉乃と好きな人がどうとか おしゃべりして私に絵を描かせてたのよ。 ひどい。ひどいって…。
夢なんやから お母さん。
夢の話を持ち出したのは福子でしょ。
そうでした~。
そんなに元気なら大丈夫やわ もう。
そうね。(チャイム)
・(タカ)おばあちゃん。・(吉乃)おばあちゃん。
あら!タカおばちゃんや。吉乃ちゃんも。
退院おめでとう おばあちゃん。(吉乃)元気になって よかった。
ありがとう タカ。吉乃も ありがとう。
ほんまに よかった。もう 一時は どうなることかと思たわ。
大介も おばあちゃんに会いたがってたわ。麻美も日曜日に連れてくるから。
まあ うれしい。
お父さんも お兄ちゃんも今日は早く帰ってくるわ。
(克子)忠彦さんも仕事が終わったら来るて。
茂さんも。幸助さんも。
きっと 真一おじさんも来てくれるわ。
まあ…。
みんな お母さんのこと心配してたんよ。
うん ありがとう。
タカ 吉乃 もっと こっち来て。フフフ…。
あ~ ほんまに よかった。
♪~
ぐっすり眠ってます。ああ。
病み上がりやしね。
みんなが来たもんだから疲れたんだろうな。
ちょっと にぎやかすぎたかもね。うん。
せやけど お母さん うれしそうやった。
(ため息)
どうして ため息つくんだ。
うん?いや ほんまに よかったなって。
せやかてお母さん もうすぐ 80ですから。
何があっても おかしくないでしょ。
80かあ。それを考えたら元気になって帰ってきてくれてよかった。でしょ。
お義母さんに 早く 完成したまんぷくヌードルを見せなきゃな。
世界中の人が まんぷくヌードルを食べてるところを見せたいわ。
私も見たい。せやね。 私も。
じゃあ 食べるか。 頂きます。(3人)頂きます。
出来ました。
まんぷくヌードルのパッケージデザインや。
見せてくれ。はい。
これです。
おお…!
なかなか ええんやないか。いや すごく ええですよ。
ほんまですか!僕も これは いいと思た。
僕も かっこいいと思います。(西野)新しさも感じるし。
(久坂)洋風だし。(洋子)世界に通じるデザインやと思います。
これでいい。 ありがとう 名木君。
よう頑張った。
ありがとうございます!
(泣き声)
(忠彦)よかった よかった。はい… はい…。
それから2週間後。
ついに まんぷくヌードルが完成しました。
(世良)確かに これは画期的な商品や。それは認める。
せやけど これに100円の値つけることには断固として反対や。
う~ん…その考えは変わりませんか 世良さん。
考えを変えんのは立花君やろ。
何べんも言うけどな 袋麺は30円やぞ。
麺がカップに入ってるからいうて100円いうのは いくら何でも高すぎる。
売れるわけがないと。
当たり前や。 ほんまは 神部君らもそう思てるんやろ。
いや 僕は思うてません。
これが ほんまに画期的な商品やということは 自信を持って言えます。
それは 自分らが作ったからや。親バカと一緒や。
もっと客観的な目を持て。
世良さん これからは核家族化の時代です。
核家族化…。
それが 100円の値段と何の関係があるんや。
核家族化が どんどん進んでいけば日本人の食の在り方は大いに変わります。
家族そろってではなく個人個人が 好きな時間に好きな場所で一人で食事をとることが増えてくるはずです。
そういう時に 調理も片づけも簡単で安全なインスタント食品があれば…。
まんぷくヌードルには100円の価値があるとみんな 理解してくれるはずだ。
まんぷくヌードルは 100円。
この方針は変えません。
これが 100円…。
うん もう決めたんやて。
高すぎる。
これに 100円払う人なんかいるわけないわ。
お金を儲けたいと思て100円にするんやありません 萬平さんは。
手間暇がかかってるんです。
世の中の食生活を こう ぐわっと変えてしまうかもしれないほどの画期的な商品なんです これは。
そして…。
ついにまんぷくヌードルが発売されたのです!


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