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【ドラニュース】

【龍の背に乗って】ロメロのクイック やればできるのに…

2019年3月22日 紙面から

先発で5イニング4失点と課題を残す投球となったロメロ(小沢徹撮影)

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 ロメロには空振りを15球奪った球威がある。しかし、その攻略法はコピペされた上、球界に広く流通している。走者が出れば盗塁はフリーパス。2回には体重98キロの頓宮に「大学時代に1度あったかどうか…。ノーマークでしたから」と三盗を決められ、5回には100キロのメネセスに二塁を盗まれた。

 1・6秒台。ストップウオッチの絶望的なタイムを見ながら、僕は気付いた。ロメロはクイックモーションができないのではない。やりたくないのだ。だから、たちが悪い。実は、この試合で一度だけクイックモーションで投げている。5回1死一塁。しかも1・2秒台と、加藤バズーカと組めば、まず走ってこない上々のタイムだ。ここで打たれたのが痛かった。最速156キロの球速は大台を割り、まだ1軍実績のない佐野に、高めの真っすぐを右中間にはじき返された。

 クイックモーションを嫌がる投手の言い分は決まっている。球威が落ちて打たれるくらいなら、走られても抑えればいいじゃないか-。やらずに走られ、点を取られて終わればまだ良かったのだが、やっても打たれた。子どもの勉強と同じである。つまり「やりたくない理由」ができてしまったのだ。

 「今はスライドステップでできるだけタイムを縮めて、盗塁防止ということから始めている。どうしても、制球が悪くなると投げること(だけ)に意識がいってしまう」。誰にでも短所はある。与田監督はゆっくり説き伏せ、じっくり学ばせようと考えている。ロメロも殊勝に答えてはいる。

 「走者が出てからのクイックモーションの精度を高めたい。日本の選手はほとんど走ってくるから。学ぶことが多かったよ」。この言葉が本音であることを祈りたい。言うまでもないが、ゴールは球威を落とさずに1・2秒台で投げること。こちらも言うまでもないが、4月4日、本番で当たる広島は昨季リーグ最多の95盗塁である。

(渋谷真)

 

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