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【フィギュア】

羽生は転倒後の演技はさすが

2019年3月22日 紙面から

 前夜の女子SPと同様に、力を発揮できた選手とできなかった選手がはっきりと分かれたように見えました。日本人3選手はミスがあったため、首位に立ったチェン選手と10点以上の差が開いた結果になりました。

 朝の練習では調子がよさそうだった羽生選手でしたが、直前の6分間練習では4回転サルコーで珍しく転倒がありました。本番でのサルコーはスピード感と踏み切るタイミングがちょっと合わなかったのかなと。ただ、その後の演技はさすがで、気迫にあふれていました。今回は約4カ月ぶりの実戦で、ミスもありましたが、けが明けとは思えないぐらい動きにキレがありました。

 宇野選手はいつもの明るさというか、覇気がなかったように見えましたが、4回転フリップの転倒後は気持ちを切り替えて、まとめたと思います。最後のスピンでは、回転速度も安定していて音ともきれいに合っていました。田中選手は4回転サルコーが2回転になってしまいました。跳ぶ前に考えすぎて体が硬くなってしまったのかと思います。その後は、リラックスして一つ一つを丁寧にこなしていました。

 ノリのいい曲調で声援を味方につけ、パーソナルベストを更新した首位のチェン選手とは、3位の羽生選手でも12・53点差。逆転優勝するには厳しいかもしれませんが、可能性がないわけじゃない。羽生選手は悔しさで燃えているはず。宇野選手は体のキレさえ取り戻せば浮上できる可能性はあると思うので、中1日の過ごし方が重要になってくると思います。田中選手は調子自体はとても良さそうなので、考えすぎずに跳べば、成功できるのではと思います。ファンの方の声援を味方に思い切って滑ってほしいですね。 (プロフィギュアスケーター、ソチ五輪代表)

 

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