【首都スポ】<リーダー蹴春トーク>圧倒的強さで王座奪還だ 筑波大主将・加藤潤2019年3月22日 紙面から
4月6日開幕の第93回関東大学サッカーリーグ戦(東京中日スポーツ後援)に向け、昨季の1部上位6校の新主将に今季の意気込みを聞く「リーダー蹴春トーク2019」の第5回は、筑波大DFの加藤潤(3年・新潟明訓)。筑波大は昨季2連覇を目指したが、前半戦のつまずきが響き2位にとどまった。今季は王座返り咲きが絶対的な目標となる。部員たちが厚い信頼を寄せる左サイドバックがチームを高みへと駆け上がらせる。 (取材&構成=関孝伸) -自身にとっては、高校時代に続いての主将です 加藤潤「高校のときにやったので、逆に、大学ではもう(やらなくて)いいかなと考えていました。大学に入って1、2年生のときは、主将をやるつもりは全然なかったんです。当時は(部の活動に)ついていくのが精いっぱいのところがありましたし。でも、3年生になって周りが見えるようになったときに、筑波の蹴球部にとって足りないところがわかって、それを4年生に伝えたりする中で、自分が主将になって変えたいなと思ったんです。やらないと後悔する気がして、それで立候補しました」 -従来は新4年生が行ってきた主将の人選に、今回は下級生も参加したと聞きました。部全体で主将に選ばれたことになります。選出された理由はどのあたりにあると自覚していますか 「視野の広さかもしれません。トップチームの選手は部の運営面などにはなかなか絡めなくて、そういう部分は下のチームの選手が支えてくれているんです。だから、部活はトップチームだけで成り立っているわけではないんだと、僕は去年みんなに言い続けました。たぶん、そうした考えが下級生や下のチームの人たちからも信頼されることにつながったんじゃないかと思います」 -どのようにして、チームを引っ張っていきますか 「チームの先頭に立つ存在が主将で、なおかつ主将が言うことは絶対みたいな感覚が(一般的に)あると思うんですけど、そういう感じは好きではありません。引っ張るというよりは、みんなの意見をくみ取って、それを自分の意見とすり合わせた上でこうしようと示す主将でありたいです。部活ですし、みんなで一緒にチームをつくり上げていきたいと思います」 -色紙に「俺たちなら“できる”」と書きました 「今年のチームスローガンは『躍心』です。人の心を躍らせるような、ワクワクさせるような活動をしようとビジョンを立てました。それはサッカーで言うと、筑波の試合は本当に楽しいと見る人に感じてもらうことです。ピッチ外のことで言えば、ファン感謝祭を行うとか、新しい取り組みをいろいろと始めているところです。未知のことをやるには不安がつきまといますけど、たとえ壁にぶち当たったとしても俺たちなら乗り越えられるんだという、みんなへの思いを込めたメッセージとして書きました」 -3年前は全日本大学選手権で優勝し、2年前は関東大学1部リーグを制しましたが、昨季は無冠に終わりました。今季はタイトル奪還を目指す年です 「国立大学でありながら強い、それが筑波のすごさだと言われているのに、去年は結果を残すことができませんでした。せめて優勝争いをし続けなければならないのに、それもできなくて、恥ずかしい思いをしました。だから、今年は圧倒的な強さを見せたいです。サッカーの強さはもちろんのこと、ピッチ外の活動でも、ほかの大学のお手本にならなければいけません。すべてにおいてほかの大学の上にいくんだという向上心を前面に出すのが筑波としての使命だと感じています」 -一選手としては、どのように貢献していきたいですか 「目立たないけど、いないと回らない、そんな潤滑油のような選手になりたいです。何げないポジショニングの良さ、何げない縦パス、何げないトラップ、そういう地味なところで筑波を勝たせる存在になりたいです。僕は普通の左サイドバックの選手です(笑)。足が特別速いとか、ドリブルが特別うまいとかはないですけど、止める蹴るの(基本的な)技術では誰にも負けない自信があります。左足のキックの精度や種類、頭を使ったプレーといった部分を見てほしいと思います」 -ラストシーズンを悔いなく過ごしたいところです 「最後だから頑張りたいというのはないですけど、主将になったからには、サッカーのためだけに生活のサイクルを合わせるようにしようと考えています」
◆加藤潤アラカルト◆◆久々のディズニー 先日、およそ2年半ぶりに東京ディズニーリゾートで遊んできた。「夢の国」を大いに堪能し、キャラクターの帽子まで購入。もともとがディズニー好きで、その感覚が今回よみがえった。間隔を空けずにまた行きたいと思っている。 ◆クイーン 映画と読書に時間を割くことが多いのだが、「ボヘミアン・ラプソディ」を見て感動して以来、クイーンの音楽にもはまっている。お気に入りの曲は「RADIO GA GA」。 <加藤潤(かとう・じゅん)> 1998(平成10)年1月3日生まれ、新潟市東区出身の21歳。170センチ、70キロ。新潟市立大形小1年のときに大形ナポリJrFCでサッカーを始めた。新潟の下部組織から新潟明訓高に進み、高1時にU-15日本代表、高2時にU-16日本代表入りした。筑波大では入学直後にスタメンデビューを果たしたものの、故障などでシーズンを通して試合に出続けたことはない。タイトル獲得に直接貢献した経験もない。関東大学1部リーグ通算21試合出場0得点。 ◆ファン感謝祭筑波大蹴球部のファン感謝祭「きりのはフェスタ」が開催されます。 ▽日時=3月31日(日)10時~16時 ▽場所=筑波大第1サッカー場(つくばエクスプレス「つくば」駅からバス) OBで元日本代表の羽生直剛さんらによるスペシャルトークショー、蹴球部イケメン王決定戦、サバイバルクイズ大会など、盛りだくさんの企画が用意されています。もちろん、入場無料です。詳しくは筑波大蹴球部のホームページをご覧ください。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
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