そうは言っても、店舗の効率化は避けては通れない課題になっている。現在、吉野家ではお客がレジで注文し、出来上がった商品を自分で取りに行く「キャッシュ&キャリー」型店舗を30店近く展開しており、今後もその数を増やす予定だ。
●すき家が券売機を導入しない理由
それではすき家はどうだろうか。席数が多くない店舗や一部実験店舗では、券売機を置いているという。ただし、その数はごくわずかで、ほとんどの店舗には設置していない。
券売機を導入しない理由について広報担当者は「(主力である)郊外の店舗には家族連れのお客さまが多く来店するため」と説明する。すき家にとって一番のターゲットであるファミリー層の満足度を上げるためには、店員が接客するのが望ましい。しかも、デザートやドリンクを追加で注文してもらいやすい環境をつくるには、券売機は向かないという判断だ。つまり、ビジネスモデルから必然的に券売機なしというスタイルを導き出したのだ。
●松屋が券売機にこだわる理由
すき家や吉野家と対照的なのが松屋だ。「サテライト店舗」と呼ばれる弁当のみの販売を行う店舗では、券売機を置いていないという。ただそれはあくまで例外で、それ以外の店には券売機が置いてある。
では、松屋はなぜ券売機を導入しているのだろうか。広報担当者は一般的な券売機導入のメリットに加え、「現金以外の決済が可能(実際、2月19日にQRコード決済をスタートした)」「オーダーをお聞きする時間を短縮することができる」「従業員がお金に触ることがないので衛生的」を理由として挙げた。...続きを読む