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【社会】

障害者の逸失利益 どう判断 息子失った父「命差別しないで」

いつも持ち歩いている幼少期の息子の写真を見せる松沢正美さん=18日、東京都千代田区で

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 東京都八王子市の福祉施設から行方不明となり、遺体で見つかった松沢和真さん=当時(15)=の両親が、死亡の原因は安全管理を怠った施設側にあるとして運営者に約一億一千四百万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は二十二日に判決を言い渡す。知的障害のある和真さんが将来得たはずの収入「逸失利益」をどう判断するか注目される。

 逸失利益とは、死亡したり後遺障害を負ったりしなければ将来稼いだと考えられる収入のこと。就労可能年数や死亡時の収入によって算出され、未成年も平均賃金を基に算出される。

 今回の訴訟で両親は、健常者と同様に平均賃金を基準にすれば、逸失利益は約七千四百万円だと訴えている。一方、施設を運営する社会福祉法人藤倉学園(東京)は、行方不明になったことへの責任は認めているものの、知的障害を理由に逸失利益は「ゼロ」としている。

 

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