北京=冨名腰隆
中国で公安や司法を取り仕切る共産党部門の公式SNSに、任天堂の人気ゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」そっくりの動画が登場し、波紋を呼んでいる。知的財産保護の実績などを誇るが、ネット上では「この動画そのものが著作権侵害ではないか」との指摘が相次いでいる。
動画は中国版ツイッター・微博(ウェイボー)にある中国共産党中央政法委員会の公式アカウントに1月30日、投稿された。湖南省の裁判所が昨年の取り締まり実績をアピールする目的で製作したとみられる。
ゲームとほぼ同じ効果音が使われ、マリオ似のキャラクターがキノコを食べて大きくなるとトラやハエを退治。「トラもハエもたたけ」は習近平(シーチンピン)国家主席が、党や政府の高官を大トラ、一般党員をハエに例え、反腐敗の号令として掲げたスローガンだ。さらに車を暴走させた男に死刑判決を言い渡したり、「知的財産権」「破産案件」などと書かれたコインを集めたりし、次々と問題をクリアしていくようなつくりになっている。
ネット上には「これは著作権侵害だろう」「あまりにばつが悪い」などの否定的意見が寄せられた。中には「我が国の裁判所は、著作権侵害とは何かを実例をもって教えてくれている」と皮肉めいたコメントもある。動画は2日夜までに削除された。(北京=冨名腰隆)
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