地元民向けの「社交街」は、コザ中心街の外れにあります。住所は美里1丁目なのですが通称吉原で、バス停の名前もそうなっています。吉原とは、東京のそれをもとにしたようです。それにしても、「社交街」って沖縄独特の言いまわしなのかな?東京ではふつう「歓楽街」とか言いますね。
一見なんの変哲もない住宅街のようですが、黄色や赤の小さな看板がたくさん出ています。これらの店は表向きはスナックで、店の奥の小部屋でアヤシイ商売が行われている・・・らしい。つまりはかつての赤線地帯というような感じです。
日本では1955年に売春防止法ができて「赤線地帯」は廃止されましたが、当時の沖縄は日本政府の統治下になかったので、日本の法律は適用されませんでした。本土復帰に伴い、沖縄でも売春防止法が適用されることになったのですが、10年間の猶予期間が与えられたそうです。今ではもう猶予期間はとっくに過ぎているわけですが、相変わらずその手の商売はおおっぴらに続いています。もっとも日本全国どこだってそうですけどね。それにしても「カフェー」って用語はいつの時代?って感じがします。
建物自体はフツーの民家って感じですけど、どう見てもアヤシイです。特殊個室付き浴場ならぬ特殊個室付き民家ですかね?伊佐千尋『逆転』によれば、復帰前のコザでは果物屋や雑貨屋にもアヤシイ女のコたちがいて、リンゴを買うついでに女のコも買えたそうですが、吉田一郎『中国アナーキー』によると、同じような営業スタイルは現在、中華人民共和国あたりで盛んです。
「ハイカラ」な名前の店もありますね。そういえばハワイや南米には日系人がいますが、その中には沖縄出身の人が多いそうです。各国の沖縄出身者が集まって「世界ウチナ-ンチュー会議」なるものも開催されています。
コメ?それともヨネ?なんと読むべきかわかりません。
ムカデの足みたいにたくさん女の子がいるのかな?
左のような看板を掲げている店もありましたが、実際には右の看板が正直そうですね。ウロウロしていたら「お兄ちゃん、5000円でいいよ、遊んでいかない?」と声をかけられましたが、その人はどう見ても「五十路」くらいでした・・・。ま、いくら沖縄は物価が安いといっても、ふつうはやっぱ1万円以上はするでしょう。
業界団体の事務所(?)がありました。正式な住所表記ではないのに、「吉原」という呼称はすっかり定着してるようです。