【芸能・社会】ピエール瀧容疑者出演作、ノーカット公開へ 来月5日公開、映画「麻雀放浪記2020」2019年3月21日 紙面から コカインを摂取したとして、12日に麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧(本名・瀧正則)容疑者(51)が出演する映画「麻雀放浪記2020」について、配給元である東映の多田憲之社長、白石和彌監督らが20日、東京都内で会見を行い、当初の予定通り、4月5日に瀧容疑者の出演シーンをカットせずに公開することを発表した。
多田社長は、「作品には罪はないのではないか。あえて出演シーンをカットせずノーカットで上映することを決めた」と配給元として公開を決めた経緯を説明した。 公開にあたり、ポスター、および上映前のテロップで瀧容疑者が出演していることを明示。また、同社として瀧容疑者サイドにエンドロールの差し替えなどで生じた損害賠償を請求すべく、話し合いをスタートさせたという。 瀧容疑者は物語の重要な役どころで出演。そのため、公開が迫る中で出演シーンのカットなどはかなり難しかった。白石監督は容疑者に対して「押さえ切れない憤りを感じた」としつつ、「個人が犯した罪と作品そのものに罪はないんじゃないかという気持ち。こういう形で公開できたことを現状ではうれしく、ホッとしています」と胸中を吐露した。 これまで手掛けた瀧容疑者の出演作は「凶悪」など5作品。「ニュースで(薬を)20代からやっていると聞いたが、少なくとも仕事をしている時はそういう兆候はなかった」と撮影現場を振り返った。瀧容疑者に対しては、「バカヤロー!としか言いようがない。自分の罪をちゃんと反省して、まずは治療して人として歩んでほしい」と涙ぐみながらメッセージを送った。 映画「麻雀放浪記2020」の完成報告ステージイベントが20日夕、東京都内で開催され、主演の斎藤工(37)、姉妹音楽ユニット「チャラン・ポ・ランタン」のもも(25)、ベッキー(35)、竹中直人(63)、白石和彌監督が出席した。 同作は斎藤が白石監督に企画を持ち込んだ構想10年の作品。思い入れたっぷりの作品だけに、公開決定について、「不安な中、過ごしましたけど、ほっとした気持ち」と穏やかな表情を浮かべた。ピエール瀧容疑者逮捕のニュースを聞いた際は、「どうなるんだろう」と不安を募らせたというが、「現場では(スタッフも役者も)汗水流して公開に向けて突っ走って来た。英断にほっとしてます」とあらためて公開を喜んだ。
その後、前代未聞の完成披露“試写しない”舞台あいさつを開催。同作は公開前にマスコミ試写を一切しないことで話題になっているが、この日も上映せず。代わりに同作のモチーフになった、阿佐田哲也さんのベストセラー小説を映画化し84年に公開された「麻雀放浪記」(和田誠監督)がサプライズで上映され、来場者には「-2020」のチケットがプレゼントされた。 ◆上映中止を発表 映画「居眠り磐音」ピエール瀧容疑者が出演した映画「居眠り磐音」(本木克英監督、5月17日公開)の4月4日の完成披露イベントで本編上映が中止になったことが20日、映画の公式ツイッターで発表された。 ツイッターでは、「一部出演者のシーンの撮り直し、差し替えが発生したため、本編の上映につきましては中止する運びとなりました」と発表。当日は「プレミアイベント」と名称を変更し、出演者らの舞台あいさつや特別映像の上映を予定している。 同映画は、瀧容疑者の出演シーンの撮り直しをすでに発表している。 ◆「いだてん」代役・三宅弘城は4・28登場NHKは20日、木田幸紀放送総局長の定例会見で、ピエール瀧容疑者が出演していた大河ドラマ「いだてん」(総合、日曜午後8時)の代役に決まった俳優の三宅弘城(51)=写真=が4月28日の第16回放送(同7日は統一地方選のため休止)から登場することを明かした。 三宅の起用について同局は(1)演技力が確か(2)主人公の金栗四三と二人三脚でマラソン用足袋の開発に取り組む職人という役柄にふさわしい(3)宮藤官九郎と付き合いが長く、宮藤の脚本の世界観に早くなじんでもらえる-と理由を列挙。今後は瀧容疑者の出演場面を撮り直す形で対応し、4月28日以前の4月放送分に瀧容疑者の出演場面がなかったことも明らかにした。 同局長は「『あさが来た』で主人公を支える役を好演してくれたように四三を支えてくれることを期待している」とコメント。一方、瀧容疑者については「大変驚いている。今もショックというか、信じられない気持ちが続いている。大きな影響が出ていることは遺憾」と話した。 瀧容疑者は昨年5月から逮捕当日の3月12日まで撮影に参加していた。現場での不審な様子などについて同局は「変わったところはなかった」と説明。NHKが捜査当局から事情などを聞かれているかどうかについては「把握していない」と否定した。瀧容疑者への損害賠償請求について同局長は「検討することになると思うが、いまは放送の対応で手いっぱい」と話した。
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