雑誌「GOETHE」(ゲーテ)のウェブ版に掲載されたダイナースクラブカードの広告記事「美人秘書たちの本音トーク炸裂! いま男性が持つべきクレジットカードとは?」がSNSを中心に話題になっている。
ゲーテに掲載されたダイナースクラブの広告記事(現在は削除されている)
この広告記事は、実在する会社の現役秘書3人が座談会形式で“男性が持つべきクレジットカード”について語るもの。
ただ、内容の一部において以下のように、
秘書A 通販サイトのカードでいばられてもね(笑)。
秘書B 男性が交通系の機能がついたカメラ屋さんのカードで支払っていたときは、気まずく感じてしまって見ないふりをしました(笑)。
秘書C 百貨店とかスーパーとかのカードしか持っていないと、「この人は何にもこだわらない人なんだろうな」と思っちゃう。
と、たとえば楽天カードやビックカメラSuicaカードを想起するような記述があったことなどから、ネット上では賛否両論が巻き起こっていた。
Twitterからいくつかの反応を拾うとこのような具合である。
「ブランドを逆に下げる」
この記事、自分も含めて僕の周りのダイナースカードホルダーからめちゃくちゃ評判悪いです。 ダイナース @dinersjp ブランドを逆に下げる。 特に、ダイナースカードのブランドイメージからすると、他を貶めるようなこと言うのは、品位が無さすぎですね。 https://t.co/i1hTiAI4wJ
「ダイナースやめようかな、と真剣に思う記事ですごい!」
ダイナースやめようかな、と真剣に思う記事ですごい!ゲーテも出てる女性も評判悪くなるような気がするから、これはなんかすごいものを見てしまった気分! https://t.co/TczBHoVbZU
ダイナースといえば、 58年前に日本初のクレジットカードとして登場して以来、上質さとその格式で知られていた。
そういう意味で、今回の広告記事の演出に多少なりともがっかりした利用者がいたようだ。
「美人秘書」たちが座談会で他社のクレジットカードを貶めるような発言をし、その一方でダイナースクラブカードを持ち上げる。これではむしろそのブランドに傷がつくのではないか、と。
では、そもそもこの広告記事はどういった目的で制作されたのだろうか。広告主である三井住友トラストクラブのマーケティング担当者の井上聡氏はこう語る。
「広く若者層に支持されているゲーテさんならではの独自の視点で、ダイナースクラブカードの魅力を表現していただくことを企画意図としておりました。若い読者向けという事で切り口も若いユーザー層の視点からの記事制作を目指しておりました」
若い読者向けの切り口で作られた記事広告だという。
内容について賛否あることに関しては、「現在、厳しいご指摘を頂いている事に関しては承知しております。不快な思いをされた方がおられることを真摯に受け止めております」としており、社内でも認識しているそうだ。
ゲーテから持ち込まれた提案だっため、企画・制作はすべてゲーテに一任したという。秘書たちの発言については「実際に座談会で出た議論」だったそうで、「当社が誘導や指示等を行ったものではありません」としている。
なお、当該記事は11月20日に公開され、26日に削除された。その跡地には「こちらの記事は掲載期間を終了いたしました」とある。
広告の掲載期間としては短いのではないかと聞くと、27日、こんな答えが返ってきた。
「広告をご覧いただいた皆様のご指摘を真摯に受け止め、昨日、記事の掲載期間終了を決定致しました」