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(萬平)こういう具材が欲しかったんだ。よくやってくれた。
(神部)ありがとうございます。(真一)みんなも よう頑張ったな。
(西野)はい。
いいぞ。 これを使おう。
(福子)えっ。よく これを取っといてくれたな 福子。
少しは お役に立てたんですね。
役に立てたどころじゃない。
お前がいなかったらまんぷくヌードルは出来なかったよ。
♪「丸まってる背中に もらい泣き」
♪「恥じだって一緒に」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「飛行機雲ぼんやり眺む」
♪「心ここに在らず」
♪「年間トータル もししたら」
♪「付き合うあたしすごい?」
♪「とぼけてる眉毛に もらい笑い」
♪「照れだってなんだって」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「もらい泣き もらい笑い もらい怒り」
♪「もらいっ恥じ どんと来い!」
♪「晴天も曇天も霹靂も」
♪「さあ あなたとトゥラッタッタ♪」
カップは これに決めましたよお義母さん。
形も大きさも これが一番手に なじみやすいんです。
ほら。 ねっ。 ハハハハ。萬平さん。
蓋も いいアイデアが浮かびました。
アメリカ出張の時飛行機の中で もらったマカデミアナッツの この容器を福子が ずっと取っておいてくれたんです。
このアルミ箔の蓋が…。
(鈴)分かりました。お仕事は順調に進んでるのね 萬平さん。
はい。 まんぷくヌードルはもうすぐ完成します。
よかった。 頑張って。
ああ ありがとうございます。
もう私のことはいいから会社に行ってちょうだい。
えっ。社長がいないとお仕事が進まないでしょう。いや そんなことは…。
まあ まだ蓋のことはみんなには言ってませんけれどね。
そしたら 早く知らせてあげないと。
行ってらっしゃい。
そうですか。じゃあ 福子 僕は会社に。
はい。 行ってらっしゃいませ。
お義母さんも頑張って。ファイト! ねっ。
じゃあ 行ってくる。
じゃあ 失礼しますね。はい 行ってらっしゃいませ。
・ああ 行ってくる。(ドアが閉まる音)
カップが どうしたやの蓋が どうしたやのそんなこと どうでもいいわ。
萬平さんお母さんのこと心配してたんよ。
仕事の話ばっかりやない。
ほら それは お母さんが だんだん元気になってきてるって私が言うたから。
元気になんかなってません。もう駄目よ 私は。
えっ せやけど忠彦さんが電話で言うてたわよ。
真一さんと お見舞いに行ったらお母さん 最後はニコニコしてたって。
あの時はね。でも 夢に出てきたのよ あの2人。
夢?
(忠彦)万博に20回以上も行くなんてそんな人は いてないよ。
(咲)そうやね。 あっ… そうかも。(笑い声)
咲…。ちょっと黙ってて お母さん。
3人で 万博の話ばっかり。
ちっとも 私のことを心配してくれなかった…。
それは夢でしょう。
そのあと さっちゃんとタカと吉乃が出てきて…。
(吉乃)学校に すてきな人は いないの?さっちゃん。
(幸)いないこともないけど…。
(タカ)今度 連れてらっしゃい。
そんなこと でけへんわ。
かわいく描いてね おばあちゃん。お願いよ。
ああ… ああっ… 私 絵なんて…。
描けない~。
夢?
もう 嫌!
私のことなんかどうでもいいのよ みんな。
んん… 入院中で気がめいってるから変な夢を見るんよ。
みんな ちゃんと心配してますお母さんのこと。 ほんまに。
(泣き声)
3日後 まんぷくヌードルの容器の試作品が出来ました。
(真一)おお~。どうだ。
すばらしい。
(世良)これは 完全に密閉されんのか。
そうです。 でも輸送の際に万が一 剥がれてしまったら まずいので蓋をしたカップに更に薄い透明なビニールでシュリンクパックします。(岡)シュリンクパック?
それも 今まで 食品業界ではどこもやってない技術や。
衛生面でも万全を期すために導入することにしました。
これは 本当に画期的な商品になるな。
そうでしょう 世良さん。それは 最初から認める言うてるやろ。
(森本)でも 製造ラインを作るのは大変ですね。
それや! それもある。製造にコストがかかるで。
それもあるから 100円なんですよ。
それより安くしたら 元が取れない。いやいや それは ちゃうて。
岡君 営業部長。
これが 100円で売れるいう自信があるんか。
いや 正直言うて 100円は…。
高すぎるよな。世良さん 何度も言いますがまんぷくヌードルが出来上がるまでその話は待って下さい。
これで出来上がり ちゃうんかい。
このカップに どんなデザインを施すか考えなきゃいけません。
社長 その前に実は 問題が見つかったんです。
問題?はい。
これがまんぷくヌードルの断面やとすると今 麺は こういう形で入っています。
上の方が密で 下は粗い。
せやけど ここがカップの底に ぶつかって粗い分麺が折れてしまうんです。
折れる?
うわ~ ほんまや。
これは よくないな。
うわ~。
よし 今日は この辺で終わろう。
(名木)はい。
はあ…。
う~ん… はあ~。
先生。ん?
絵を見て頂けませんか?
描いたんか。はい。
見せてくれ。ありがとうございます!
これです。
(忠彦)モデルは 彼女か。(名木)はい 純ちゃんです。
とにかく 先生のまねを やめようと自分の絵を描こうと それを心がけて…。
できてるよ。
君の絵になってる。
ほんまですか?ああ 悪うない。
いや なかなか いい。才能あるよ 名木君。 この調子で頑張れ。
(泣き声)名木君! 泣かんでええ。
(泣き声)
(忠彦)何で泣く?(泣き声)
(克子)彼女ができたからやないやっぱり。
恋愛すると 芸術家は変わるんやね。よかったやない 名木さん。
ああ 正直 ホッとしたよ。
彼は 感受性は強いのに 頭でっかちで世間知らずのところがあったからなあ。
愛の力は偉大やわ。
僕は違うけどね。
僕は 戦争体験やったり目をやられたことも画風が変わる きっかけになったし秀子から受けたインスピレーションやったり。
秀子って…。踊ってたモデルさん?
(秀子)既成概念を ぶち壊すのよ!
さあ 描いて!
あれは衝撃的やった。
私は?えっ?
私は関係ないの?何が?
あなたの絵よ。あなたと私は恋愛結婚やったでしょ。
駆け落ち同然で一緒になったんやない。
私との出会いはあなたの絵には何の関係もないわけ?
せやから 僕の絵に恋愛は…。
お父さん。駄目。
関係あるさ! 君との恋愛は僕の絵に。うそ!
うそやない! 君が今の僕をつくったと言うても 過言ではない!
信じません。今日は 晩ごはん作りませんから!
克子!
どう言うたらええんや。もう遅かった。
秀子さんの名前を出した時点でもう あかんわ。
そんな…。
麺が折れる?
うん。 カップの底に ぶつかって折れてしまうんだ。
確かに まんぷくラーメンは全体が ぎっしり固まってるけどこれは 粗いですもんね。
うん… 下を密にして 上を粗くするか。
金型の形を変えて。それやと 麺は折れませんね。
う~ん しかし この上に具が載るとなると蓋を開けた時の見栄えが悪いな。
う~ん 確かに…。
あれ?
いけない。 小さいカップに入れてしもた。
いやっ… いや 取れない。あ~ やってしもた。
ちょっと待て。えっ?
ハサミを持ってこい。
ハサミ?ああ。ああ はいはい…。
はい。
これだ!えっ?
見ろ 福子。あっ。
隙間が…。
これで問題は解決だ。
あっ… あっ あっ あっ あっ あっ!
つまり 麺を今よりも少し大きめに作ってカップの中間に固定するんだ。
そうすることによって麺は 底に当たっていないから折れることはない。確かに。
それに 理論的には 湯を入れると麺は下に膨らんで上の部分は動かない。
つまり 蓋を開けたら具が きれいに載っているということになる。
(西野)そうですね。
それから もう一つ。
中間に きっちり詰めることによって内側からの圧がかかり輸送中に カップが潰れるのを防ぐことができるんだ。
(久坂)そうか。(洋子)すごい!
(源)いつの間に そんなこと…。ゆうべ 母さんと2人で考えたんだ。
ずるい…。さあ 今 僕が言ったことが本当にできるのかどうか早速 作ってみてくれ。
(一同)はい。
もう おなかは痛くないの?おばあちゃん。
うん。 痛くはないけど 何て言うのこう まだ 嫌~な感じはあるわよ。
せやけど お薬が効いてるのよ。もしかしたら 退院が早まるかも。
はよ帰りたい。 入院は もういい。
せや まんぷくヌードルがまた完成に近づいたの。
私が手柄を立てました。
お母さん そればっかり。ずっとニヤニヤしてるの。
してないわよ。してる してる。
やめて。 私は 萬平さんの仕事には興味ありません。
せやけどまんぷくヌードルが完成したらまんぷく食品を立て直すことができるんよ。
売れたらの話でしょ。売れます。
そやけど 100円は高いよ。
お父さんには考えがあるんよ。
私たちは買わない。学生には高すぎるもの。
えっ せやけど ライスカレーは200円でも300円でも出すでしょう。
そら ライスカレーやもん。
いや せやかて まんぷくヌードルにかてそれくらいの価値は…。
あっ うう… あっ あっ…。お母さん!
おばあちゃん!ああ~!お母さん!
えっ? 腸が破れた!?
はい。 お医者様はそう おっしゃってました。
今から手術やて。
すぐ行く!
♪~