二人の元職員のおかげで不正融資が発覚したのに、なんという判決だ!
ヒラメ裁判長はやっぱり悪人の味方だ。
私は金融関係者でもないし労働組合のある会社に勤めたこともないけれど、林潤ヒラメ裁判長が嫌いだからこの事件を調べてみた。
武生信金公益通報者解雇事件 「金融のなかま」から
(金融・労働研究ネットワーク)
http://www.leaf-line.jp/~iflj/wp-content/uploads/downloads/2015/04/武生信金問題 金融のなかまから.pdf
中日新聞・福井 キャッシュより<迷走の果てに 福井信金・武生信金合併>(上) 事実上の救済
(前文と写真のみ)<迷走の果てに 福井信金・武生信金合併>(中)融資規模の差
中日新聞・福井 キャッシュより<迷走の果てに 福井信金・武生信金合併>(下) 訴訟団長の目
地方紙は一ヶ月前の記事が消えるので残念。特集の(中)がない。
キャッシュもいずれ消えてしまうから後ろに貼っておこう。
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旧武生信金事件 メール閲覧解雇相当
福井地裁元職員の訴え棄却
http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2016033102000241.html
【中日新聞・福井発】2016年3月31日
旧武生信用金庫(現福井信用金庫)の不正融資問題をめぐり、証拠資料を不正に取得したなどとして懲戒解雇された二人の元職員が、信金側に職員としての地位の確認を求めた訴訟の判決が三十日、福井地裁であった。林潤裁判長は「懲戒解雇は社会通念上、相当でないとは認められない」として、訴えを棄却した。二人の元職員は判決を不服として、即日控訴した。
林裁判長は、二人が信金のサーバーに不正アクセスして情報収集したことについて「不正融資の証拠資料の取得を目的とするものではない」と指摘。また、「機密性の高い文書を不正な手段を用いて長期間、多数回にわたって閲覧した結果は重大」と、元職員の行為を厳しく非難した。
福井信金の担当者は「金庫の主張が受け入れられたと理解している」とコメント。元職員の代理人弁護士は「公益通報の社会的意義を全く理解していない判決だ」と批判した。
訴訟では、元職員二人は二〇一一年、旧武生信金の不正融資の実態を明らかにするため、青山照彦元理事長のメールを閲覧したと主張。信金側は「興味本位で不正アクセスしたのであり、公益通報ではない」と解雇の正当性を主張していた。
「公益通報」 戦い続ける
「この判決では、よほどのものでない限り、公益通報が認められないのではないか」。二人の元職員が旧武生信用金庫を相手取って起こした地位確認訴訟。法廷を後にした代理人弁護士は、「棄却」の判決に不満をぶちまけた。
裁判所が打ち出した基準の一つが、不正アクセスをした期間や回数、範囲。多ければ多いほど「結果は重大であると評価せざるを得ない」としている。これに対し、代理人弁護士は「外形的な基準で悪質性を決めると、公益通報一般の抑止につながる」と反発する。
さらに、二人の行為がきっかけで注目が集まり、旧武生信金が不正融資を認めたことも指摘。「結果的に信金側も不正融資を認めた。その点を裁判所は考慮していない」と、審理不足も訴える。
元職員の一人は「言葉が浮かばない残念な判決。到底、受け入れるわけにはいかない」と、公益通報が認められるまで、法廷で戦い続ける意思を強調した。
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<迷走の果てに 福井信金・武生信金合併>(上) 事実上の救済
02月17日 05:00【中日新聞プラスのキャッシュ】
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:JuNNlL7mqxAJ:news.goo.ne.jp/article/chuplus/region/chuplus-CK2016021702000022.html+&cd=2&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
北陸財務局が合併を認可する前日の今月三日、福井信用金庫の担当者が中日新聞福井支社を訪れた。「合併後は『旧武生信用金庫(現福井信用金庫)』と表記してもらいたい」。「一連の不正融資問題は福井信金ではなく、武生信金が抱えている問題」と突き放すような姿勢だ。一方で「今後も、この問題と付き合わざるを得ない」という割り切った思いも透けて見える。
越前市の酒造会社「寿喜娘(すきむすめ)酒造」(昨年三月倒産)に対する不正融資に端を発した「武生信金問題」は一向に収束する気配にない。
二人の元理事長らによる背任容疑は福井地検が不起訴処分とした。しかし、信金側が元理事長に対して損害賠償を求めている民事訴訟はいまだ継続している。さらに、不正融資を明らかにした元職員が職場復帰を求めて訴えている地位確認訴訟も抱えている。
三月に判決が出る見通しだが、その内容次第では、控訴の可能性も否定できない。
寿喜娘酒造以外の不正融資も、昨年末に明らかになった。当時の常務理事は「迂回(うかい)融資で支援する」と不正な手法での融資を約束。取り決めの場には、旧武生信金で最後まで理事を務めていた人物も出席していたとされる。旧武生信金が抱えている一連の訴訟は合併とともに消えるわけではない。そのまま、福井信金が引き継ぐことになる。
訴訟だけではなく、組織上の課題も残る。二〇〇一年四月に福井信金、福井中央信金、鯖江信金が合併して形成された福井信金。合併から十五年たつ今でも、出身信金ごとの派閥があるという。
関係者によると、合併後に間もなく、ある支店では一人だけ出身金庫が違う職員が配置された。この職員は職場環境に耐えられず、辞めていったという。出身金庫ごとの仲間意識は根強く「人減らしのためにこうした手法が使われることもあった」と関係者は明かす。問題を抱え、事実上救済された武生信金。毎週土曜日に研修を受け、福井信金との組織統合に備えてきたが、旧武生信金の職員からは懸念の声も上がる。
預金量八千十五億円、貸出金三千九百二十一億円の日本海側では最大規模のメガ信金。大きな課題は預金者、融資先への影響だ。事実上の「救済合併」で、二つの顔を持つ新福井信金は地域に、どのような影響を与えるのか。期待と不安、厳しさと温かさ。さまざまな思いの込められたまなざしが、注がれている。
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福井信用金庫が武生信用金庫を救済合併する新しい「福井信用金庫」が十五日、発足した。課題と今後の行方を探る
<迷走の果てに 福井信金・武生信金合併>(中)融資規模の差
「合併は単なる規模の拡大を求めるのではなく、将来にわたり地元への貢献を果たしていくためのもの」。合併当日の十五日、新しい福井信金は報道機関向けのリリースで、そう強調した。昨年五月の合併会見で高橋俊郎理事長は「規模の拡大が見込める」と合併の意義を説明していた。(2月18日)
======= 前文しかみあたらず(ちたりた) ======
<迷走の果てに 福井信金・武生信金合併>(下) 訴訟団長の目
02月19日 05:00中日新聞プラス
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:nYf4_3lQfV4J:news.goo.ne.jp/article/chuplus/region/chuplus-CK2016021902000007.html+&cd=2&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
<迷走の果てに 福井信金・武生信金合併>(下) 訴訟団長の目
「不正融資問題を明らかにすることが信用の第一歩」と話す村内光晴さん=福井市内で
(中日新聞プラス)
今回の合併は事実上、福井信用金庫による旧武生信用金庫の救済合併だった。不正融資を追及してきた旧武生信金会員代表訴訟団の村内光晴団長(48)に、合併に対する思いを聞いた。
−今回の合併には賛成か、反対か。
「両面あると思う。抱えている問題を、全部明らかにしてから合併するのが筋だ。一方で、四年連続赤字で収益改善の見込みはなかった。一歩一歩破綻に向かっていたのは事実で、どこかで合併せざるを得なかっただろう」
−合併で不利益を被るのは。
「破綻を免れたため、預金者にはダメージがない。融資を受ける人には、審査が厳しくなることがあるかもしれない。何より、一番の犠牲者は職員だ。何も説明がないまま、職場が変わることになる。福井信金から、お荷物扱いされることも考えられる」
−不正融資問題の追及が、合併の引き金をひいたことになる。
「『悪いことをしたらいけない』というのは、子どものころから教えられていること。正しいことをしたと胸を張って言える。預金者や出資者にとっても、合併が遅れれば遅れるほど路頭に迷う恐れが増していた。信金だけでなく、周囲の傷も深くなっていたと思う」
−事実上の「救済合併」を決めた福井信金の判断は。
「スケールメリットを選んだのだろう。その先の金融再編も視野に入れているのかもしれない。しかし、リスクも抱え込んでしまった。武生信金は、不正融資問題で、随分預金者を減らした。説明責任を果たして預金者の不信を解消しない限り、同じリスクは福井信金も負うことになる」
−一連の問題を追及する中で得たものは。
「行政や金融機関、報道など、すべてが国のシステムに組み込まれていることを知った。参院財政金融委員会で、大門実紀史委員(共産)も『シリーズで追及する』と言っておきながら、質問を途中放棄した。それどころか、何度も何度も旧武生信金との和解を迫ってきた。金融庁と国会議員も、裏でつながっているのか、とがくぜんとすることもあった」
−新しい福井信金に期待することは。
「武生信金の預金は、福井銀や北陸銀などに流れたと聞いている。今の地銀は、かつての信金のように中小への融資に力を入れている。今のままでは信金は食われてしまうだろう。預金者の信用や安心を得られる金融機関になってもらいたい。第一歩が、旧武生信金の一連の問題を明らかにして、責任の所在をはっきりさせることだと思う」
(この連載は、布施谷航、平野誠也、中場賢一が担当しました