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【ドラニュース】

【龍の背に乗って】左翼練習が示す 福田の微妙な立ち位置

2019年3月20日 紙面から

試合前、左翼の守備練習をする福田(中)

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 試合前のシートノックでの守備位置が、今の福田が置かれている状況を物語っていた。左翼で打球を追い、内野ノックが始まると本職の三塁に移っていった。

 福田本人の要望ではない。「こちらからの指示です。福田が外野を守れれば、それだけ起用の幅も広がります。オプションですね」。工藤外野守備走塁コーチが「左翼・福田」の意図を説明してくれた。首脳陣の意向が本人に伝えられたのは17日(静岡)の試合後。早速、外野用のグラブを持参し、練習を開始した。

 この日は4打席与えられはしたが「7番・指名打者」での出場。開幕まであと10日、守備につかないということは開幕スタメンの可能性は限りなく低い。オープン戦では2本塁打放っている一方で、打率は1割7分2厘。もっとも福田の地位が安泰ではないという空気が流れ始めたのは、昨秋のことだ。のちに主将に指名される高橋が、ほとんど二塁の練習をしなくなったからだ。それは三塁手として昨季、初の規定打席に達した選手会長の危機を意味する。春季キャンプでもその状態は続き、結果でも巻き返せていない。

 「アルモンテがいるのでシーズンに入ると(外野は)そうはないとは思いますが、僕としては打席をもらえるのならどこでも守ります。冷静に(自分を)見られているんです」

 僕が思っているほど福田に悲壮感はなかった。昨季13本塁打、63打点。貴重な長打力をベンチに下げてでも、新体制には追求したい野球がある。逆に言えば、福田は黙って結果を出し、風向きが変わるのを待つだけだ。

 「状態は悪くない。試してきたことは継続してできている。集中してやりたいことはできています」。開幕すれば4打席ではなく1打席。ここぞの代打が福田の任務となりそうだ。体制が変われば野球が変わる。浮く人がいれば沈む人もいる。しかし、苦境に立ったときこそ、人は真価を問われている。

(渋谷真)

 

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