マテウスの言葉は、目標を立てる、という表現より刺激的だった。フリーキック(FK)の機会があれば自分が蹴るもの、と未来をあらかじめ決めているようだった。
17日のFC東京戦(味スタ)。後半から出場したマテウスは、ペナルティーエリア外からのFKを担当した。無回転シュートは相手GKに阻まれたが、気になったのは、蹴ったのがなぜシャビエルではなくマテウスだったのか。試合後に聞いた。
「ボクが蹴るってボクは決めていました。だから蹴った。シャビエルと話し合っていたか? いいえ」。競争など考えずに、FKを蹴るという未来を決めてしまう。その方が練習にも熱が入るのかもしれない。
10代で母国ブラジルを離れて来日しているマテウス。覚悟を決めて勝負にかかるアスリートのメンタリティーを垣間見た気がした。