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(笑い声)
萬平さんと福ちゃんが 自宅の台所でまんぷくヌードルの具材となるお肉を作り始めて2週間。
ついに それは完成しました。
(萬平)うん。
(福子)うん! おいしいです。
うん。 このうまみはスープのうまさを更に引き立てるだろう。
これを フリーズドライで乾燥させるんですね。
もう一口。
うん おいしい!
♪「丸まってる背中に もらい泣き」
♪「恥じだって一緒に」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「飛行機雲ぼんやり眺む」
♪「心ここに在らず」
♪「年間トータル もししたら」
♪「付き合うあたしすごい?」
♪「とぼけてる眉毛に もらい笑い」
♪「照れだってなんだって」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「もらい泣き もらい笑い もらい怒り」
♪「もらいっ恥じ どんと来い!」
♪「晴天も曇天も霹靂も」
♪「さあ あなたとトゥラッタッタ♪」
(洋子)これが お肉?
肉だ。 まあ 実は 大豆タンパクや野菜エキスが入ってるから限りなく肉に近い食品ということになる。
もちろん体に悪いものは 一切入っていない。
(神部)そしたら早速 試食してみますか。
うん。はい。(久坂)はい。
3分です。うん。
♪~
やっぱり まだ彩りが足りないな。
とりあえず 食べてみよう。はい。
♪~
(西野)いいですね!肉のうまみがスープに合うてます。
今までより おいしくなった。うまい!
いいぞ。 あとは エビだな。
いいエビは見つかったのか。
それが… もう 200種類以上のエビを試してるんですがどれも うまくいかなくて…。
味も色も形も完璧なものが…ないんです。
諦めるな。 必ず見つかる。
諦めません。 探します。
(鈴)やっと台所が使えるようになった。
やっと お肉が出来た。
(克子)ケンカにならんでよかったわね。
(鈴)私が我慢したのよ。
毎日毎日出来損ないのお肉みたいなの食べさせられてもう うんざりしてたけど。
おいしい おいしい言うて食べてたやないの。
ごはんにかけたら おいしいおうどんに入れても おいしいって。
2週間も おんなじもの食べさせられたら飽きます。
(克子)まあ これで もうまんぷくヌードルも完成に近づいたんでしょ。そう。 萬平さん 張り切ってますよ。
そやけど 絶対 これで終わるわけない。
はあ… うちも いろいろあったのよいろいろ。
ん? いろいろって何?
名木さんに 恋人ができたのよ。
名木さんって 忠彦さんの?お弟子さん?
そう。
(名木)純です。
初めまして 小倉 純と申します。
あ… ああ…。(タカ)純ちゃん。
はい。
こちらに いらっしゃるのが香田忠彦先生。
先生の大ファンなんです 私。
(忠彦)あ… そう。
純ちゃんは 美大の学生なんです。
先生の画集も持ってます。
あ… それは ありがとう。
そしたら君が 画材屋でアルバイトしてた…。
はい。
勇気を持って告白したら付き合うてもええて。
先生が 僕の背中を押してくれたおかげです。
お父さんが縁結びの神様。それほどのもんやないでしょう。
いいえ 神様です。ありがとうございました 先生。
あ… ああ。
要するに 純ちゃんが たまたま忠彦さんのファンやったから自分は 香田忠彦の弟子やってアピールしたんよ。
よかったやない 名木さん。運命の巡り合わせやわ。
それは たまたまいうことでしょ。
せやけど ちょっと心配なんよね。
何が?せやから 名木さんよ。
純ちゃんに 先生のアトリエを見せたいとか言いだして。
ここで 香田先生は毎日 描いてるんや。
わあ…。
僕は 先生のそばで絵の具をそろえたり 筆を洗たりして作品が出来ていく過程をつぶさに見てるんやで。
すごい。
すごいやろ。
調子に乗ってるな 名木君。
あの子は ほんまに名木さんのことが好きなんやろか。
どういうこと?お父さんのファンなんでしょう。
お父さんのお弟子さんやったら名木さんやなくても ええんやない?
そんな意地の悪いこと言うな。あんなに うれしそうにしてんのに。
うれしそうにって名木君 調子に乗ってる言うたんあなたやないの。それは いい意味で…。
確かに 調子に乗ってるわ。
大丈夫やの? あなた。僕に聞くな。
そんなん ささいな話やないの。
若い人たちのことを 克子姉ちゃんがとやかく言うのは おせっかい。
ほかにも いろいろあるのよ。
タカは 茂さんの帰りが毎日遅いって愚痴ってるし。 吉乃も そう。
(吉乃)幸助さんが全然 子どもの相手をしてくれへんの。
まんぷくヌードルが出来るまでに販売ルートを確保しないといけないって。
営業は大変なんよ。うちも一緒よ。
萬平おじちゃんのせいやわ。
もうちょっと社員のこと考えてくれたらええのに。
自分は まんぷくヌードルの開発に没頭してるんでしょう。
え~! 萬平さんのせい?
恨まれてるわよ あなたの旦那様は。
そんな…。 源かて 毎日帰りは遅いけど仕事に張り合いがあるって喜んでます。
そら 萬平さんと一緒になってまんぷくヌードル作ってるんやから。
そら やりがい感じるわよ。せやけど周りは大変。
それは分かるけど…。
(克子)真一さんかて今は社長代理なんでしょう。
萬平さんそれどころやないから。
真一さんに ご迷惑をおかけしてるのもよう分かってます。
せやけど 萬平さんは昔っから…。あっ 痛っ! あっ…。
お… おなかが 痛い…。
い… 痛い?痛っ 痛っ! 痛い痛い!
お母さん!おな… おなかが痛い。 痛い 痛い…。
痛っ いたたたた… 痛い…。(克子)どうしたん!
(真一)救急車!?もう尋常やない痛がりようやったから救急車 呼んだんです。
今 福子が付き添って病院に運ばれていきました。
どこの病院に行ったんですかお義母さんは。
それは まだ…今 福子からの連絡待ちです。
分かった。 今 萬平君に知らせるから。
福ちゃんから電話があったらすぐに連絡してくれ。
鈴さんが運ばれたのは池田市内にある総合病院でした。
(小山内)え~ 今井 鈴さんは虫垂炎だと思われますがあの~…ま… まだ はっきりしません。
それは どうして?どうして分からないんですか。
虫垂炎に該当する右下腹部の痛みが弱いんです。
むしろ 左側の痛みが強い。ひょっとすると お母さんは内臓が逆転してるのかもしれませんね。
内臓逆転?あの… 内臓が左右逆なら虫垂炎で通常の反対側の左下腹部が痛んでもこれは あの つじつまが合います。うん 合います。
治るんですか? 母は。
(幸)まさか 命に関わる病気では…。
あの そこは まだ何とも。
えっ…。まだ何ともって。
とりあえず 抗生物質を投与して様子を見てみましょう。
あの医者は本当に大丈夫なのか。
いまひとつ信用できない。
せやけどお母さんが もっと若かったらおなかを切って何の病気か確認できるのにっておっしゃってたやないですか。
それにしたって のらりくらりと。お父さん。
昔 お母さんが 仮病で おなかが痛いって言いだしたことあったやない。
咲姉の結婚式の前に。あった。
痛い… 痛っ あいたた!
痛い?あいたたたたた…。
お母さん?
今回も お母さんの悪ふざけやったらよかったのにって。
そうね…。
お母さん もう80よ。ちょっとした病気でも命に関わることになってもおかしくないわ。
克子おばちゃん…。いや 本当に そうですよ。
しばらく様子を見ましょうなんて急に何かあったら どうするんだ。
社長 社長… 社長 あの内臓逆転って何ですか?
だから内臓が左右反対にあるってことだよ。
お義母さんが そんな特異体質やったなんて そんなこと…。
(岡)80年も生きてきて何で今まで分からんかったんですか。
いや でも まだはっきりとは分からないんだ。
医者が そうかもしれないと言ってるだけで。
大丈夫なんですか その医者は!(森本)せやけど 大きな病院なんでしょう。
大きな病院なら ちゃんと分かるだろう病名くらい。
そうですよ!皆さん 落ち着きましょう。
そうだ。こればっかりは どうしようもない。
とりあえず 痛みは治まったし福子もついてくれてるから大丈夫だ。
♪~
お母さん…。
♪~
(源)祖母は 母に任せて僕は 仕事に集中します。
(久坂)そうか。
(神部)みんなも心配するな。そしたら 仕事や。
大急ホテルの最上階にレストランがあるやろ。
大急ホテル?ああ あの高級レストランですか。
(洋子)行ったことない。そこに シュリンプカクテルいうメニューがあるって聞いて行ってきたんや。
シュリンプカクテル?うん。 ボイルされたエビがカクテルグラスに盛りつけられててそら もう うまかった。
(久坂)食べたんですか。(洋子)ずるい。
仕事や。仕事なら僕たちも連れてって下さいよ。
俺は 自腹で食うてきたんやぞ。自腹!?
今月の小遣いが全部 のうなってしもた…。
まあ そんなことは どうでもいい。
そのシュリンプカクテルに使われてたエビが…。
インド洋でとれるプーバランというエビや。
もう調達したんですか。さすが神部部長。
プーバランなんてエビ聞いたことないですよ。
大阪では あのレストランでしか使われてないそうや。
これが そんなにうまかったんですか…。
ああ。 しかも…。
(一同)おお~!
きれい!見た目がええやろ。
こんなに赤うて きれいなエビは今までなかった。
これは いけそうですね。じゃあ 早速 フリーズドライに。
はい!
(咲)福子… 福子…。
(咲)大丈夫よ 福子。お母さんは きっと治るわ。
えっ ほんまに!?
もし治らなくても私がいるから心配しないで。
えっ ちょっ…もし治らなくてもって…。
こっちの世界も 楽しいんやから。
えっ…。ほんまよ お母さん。
何 今の夢… ああ…。
お母さん…。
(寝息)
はあ…。
やめてよ 咲姉ちゃん。 ほんまに もう!