破天荒で自由奔放な内田さんの人生は、波瀾(はらん)万丈に満ちていて、さまざまなドラマがあった。
1973年10月に樹木希林さんと結婚するが、わずか1年半後に別居。内田さんの家庭内暴力(DV)が原因といわれている。77年に大麻取締法違反容疑で逮捕され、起訴猶予処分となった。81年には樹木さんに無断で離婚届を提出するも樹木さんが認めずに訴訟となり、離婚無効との判決が下った。
83年には、興行会社に刃物を持って乗り込み、「外タレばかり使うな!日本人をもっと使え!」などとわめき、自分で110番に通報。警視庁赤坂署に銃刀法違反容疑などの現行犯で逮捕された。
2011年5月には元交際相手の女性に復縁を強要。さらに、女性宅の玄関の鍵を付け替えて侵入などをしたとして、強要未遂と住居侵入の疑いで逮捕された。
そんな醜態をさらした夫にさえ、樹木さんは三くだり半を突きつけなかった。まか不思議な夫婦関係を40年以上も続けた2人。05年に内田さん宅に空き巣が入った際、盗まれた時計について「ありゃあ、女房からのプレゼントなんだよ。金なんかどうでもいいからよ、あの時計だけは返せ!」と怒りを爆発させた。
同年、樹木さんが乳がんの摘出手術を受けたほか、自身も網膜中心静脈閉塞(へいそく)症のため左目を手術したことで月に1回は連絡を取るようになり、年始めには2人でハワイで過ごすのが恒例となっていた。
近年は車いす生活が続き、昨年9月に樹木さんを亡くしてからは、元気もなくした様子だった。